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coppelia, ou la fille aux yeux d'email




エナメルの瞳の少女、コッペリア。

ローラン・プティ版の「コッペリア」をロンドン・コロシウムでやるというので、ロンドンへ出たときのついでに軽く(失礼)娘と一緒に見るのにいいなと思っていたら、バレエ団が Moscow Stanislavsky Ballet 、スワニルダをクリスティーナ・シャプラン (Kristina Shapran) が踊ることが分かり、誰も知らない秘密の花園を見つけたかのような「超ラッキー」気分になっていたのである。

クリスティーナ・シャプラン (Kristina Shapran) 、2011年ワガノワ・アカデミーの卒業生で、芳紀まさに...たしか今年で21か22歳くらいだったと思う。
わたしが目を付けて喜んでいる若手バレリーナ (例えばOlga Smirnova。彼女は技術と美貌だけでなく独特の色香と演技力がとにかく素晴らしい) 何人かのうちのひとりだ。月並みな表現だが、「荒削りの美」「未完の美」というのはなぜこのように魅力的なのか。

彼女のスワニルダ、ご覧になってみて下さい。

http://www.youtube.com/watch?v=FpQpUsL8EJA

このTV番組*、"Russia got Talent" の類いに見えませんか...審査員にはウラジーミル・マラーホフがいたりして、侮れないお歴々なのかも。



ところで、もちろんわたしはクリスティーナを見るために彼女が踊る日、土曜日に狙いを定めてチケットを取った。しかし、当日、劇場で配役変更(クリスティーナが土曜日で、Erika Mikirticheva が日曜日のはずだったのに、入れ替わり)を知る。がーん。
早速夫に電話して翌日日曜日のチケットも取ってもらい...それで土曜日は Erika Mikirticheva 、日曜日はクリスティーナのスワニルダを見られた。

彼の全力を出し切っていたかいなかったかは別にしても、いかにも絶好調そうなセルゲイ・ポルーニン (Sergei Polunin) を2回鑑賞できたのがボーナスだった。オブザーバー紙の批評をちらっと読んだが、ポルーニン、土曜日はそう悪くなかったと思う(もしかしたらこの批評を読んだのかも)。
ガーディアン紙の批評はわたしに言わせれば、少々的外れな気がした。ローラン・プティ版の「コッペリア」は田舎の見世物小屋風でハイ・ブラウでないところがよいのだよ。手回しオルガン(風)を取り入れた音楽といい、あれが狙いなのでは? 真夏のマチネで鑑賞するにはちょうどいい。

でもでも...クリスティーナ、体調でも悪いのだろうか。精神的なプレッシャーか。華やかで繊細で瑞々しいのはいつも通りなのに、さらに痩せたようで覇気がなく、ピルエットやグラン・フェッテの軸足がズリズリとずれていくのにハラハラさせられた。何があったんだ...
コメディのコケットな主人公役としては土曜日の Erika Mikirticheva の方がよかったかもしれない。


昨日の日曜日、70歳くらいの女性と90歳くらいの女性と隣り合わせ、いろいろ話しかけてくれた。いずれわたしも1人でもバレエを見に行くこういうおばあさんになるんだろうな...と思うと胸が熱かった。 

わたし、おばあさんになるまで応援するから、クリスティーナ、がんばって。


(写真は Moscow Stanislavsky Ballet から)


*ロシアの "Big Ballet" というバレエ競技番組であることが判明。おもしろそうなので他にも探してみたい。
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