NAO日和

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<6月の鑑賞予定映画>

「違国日記」「ディア・ファミリー」「朽ちないサクラ」

「オッペンハイマー」

2024年04月12日 | 洋画

~この男が、世界を変えてしまった~

2023年  アメリカ映画  (2024.03.29公開)
第96回アカデミー賞7部門受賞作品
配給:ビターズ・エンド/ユニバーサル映画  上映時間:180分
監督:クリストファー・ノーラン
原作:カイ・バード/マーティン・J・シャーウィン
脚本:クリストファー・ノーラン
音楽:ルードヴィッヒ・ヨーランソン
衣装:エレン・マイロニック
出演:キリアン・マーフィ/エミリー・ブラント/マット・デイモン
   ロバート・ダウニー・Jr/フローレンス・ピュー/ジョシュ・ハートネット
   ケイシー・アフレック/ラミ・マレック/ケネス・ブラナー/ディラン・アーノルド
   デヴィッド・クラムホルツ/マシュー・モディーン/ジェファーソン・ホール
   ベニー・サフディ/デヴィッド・ダストマルチャン/トム・コンティ
   ゲイリー・オールドマン

<見どころ>
「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者、J・ロバート・オッペンハイマーを描
人間ドラマ。ピュリッツァー賞を受賞したカイ・バード、マーティン・J・シャーウィンに
よる伝記を原作に、人類に原子爆弾という存在をもたらした男の人生を描く。
監督などを手掛けるのは『TENET テネット』などのクリストファー・ノーラン。
『麦の穂をゆらす風』などのキリアン・マーフィのほか、エミリー・ブラント、
マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jrらが出演する。

<ストーリー>
ドイツで理論物理学を学び、博士号を取得したJ・ロバート・オッペンハイマー
(キリアン・マーフィ)は、アメリカへ帰国する。第2次世界大戦中、
極秘プロジェクト「マンハッタン計画」に参加した彼は、世界初の原子爆弾の
開発に成功する。しかし実際に原爆が広島と長崎に投下されると、その惨状を
知ったオッペンハイマーは苦悩する。冷戦時代に入り、核開発競争の加速を
懸念した彼は、水素爆弾の開発に反対の姿勢を示したことから追い詰められていく。

<感想>
オッペンハイマーは原子物理学者で、ロスアラモス研究所で原爆を開発。
「原爆の父」として有名・・・・ということは知っていましたが
赤狩り関連の経緯は初耳だったので、序盤は内容についていくのに必死でした。


オッペンハイマーを失脚させようとするルイス・ストローズの目線で描かれる
聴聞会のシーンなどが交差するため、時間軸がわかりにくく理解するのに
時間が・・・。


この映画で知ったのは、原爆はヒトラーが先導してドイツが先に作ろうと
していたこと、そしてアメリカはドイツを攻撃するために原爆を
作り上げたこと。これには驚きました。
原爆が出来た時にはヒトラーが亡くなったため、日本に使われてしまった
というのは、なんとも複雑だし、原爆の実験成功で歓喜に沸く姿を見ると
日本人としてはやりきれない思いになります。


戦後、共産党に入党していたのではないかと疑われ、公聴会に掛けられたが
「戦争を終わらせた功労者」にも関わらず、疑われたら冷遇されるという
のは、正直怖いな・・と感じました。あと、公聴会での妻・キティの
毅然とした態度は素晴らしかったです。
しかし広島・長崎の人が観るのは、少し辛いのではないかな?

アメリカ側の原爆映画で、賛否両論はありますが、見て良かったです。
これから鑑賞される方は、ある程度予備知識を得て見たほうが理解しやすいかと
思います。

原爆は戦争の終結ではなく冷戦の始まり。
戦争に正義はない。

ウクライナやガザ地区で戦争が起きている今、考えさせられる映画でした。

点数:7点/10

コメント (4)
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「DUNE/ デューン 砂の惑星PART2」

2024年03月31日 | 洋画

~宇宙の未来を賭けた復讐戦~

2023年  アメリカ映画  (2024.03.15公開)
配給:ワーナー・ブラザース映画  上映時間:166分
監督:ドゥニ:ヴィルヌーヴ
原作:フランク・ハーバート
脚本:ドゥニ:ヴィルヌーヴ/ジョン・スペイツ
撮影:グレイグ・フレイザー
衣装デザイン:ジャクリーン:ウェスト
音楽:ハンス・ジマー
出演:ティモシー・シャラメ(ポール・アトレイデス)/ゼンデイヤ(チャニ)
   レベッカ・ファーガソン(レディ・ジェシカ)
   ジョシュ・ブローリン(ガーニイ・ハレック)
   オースティン・バトラー(フェイド=ラウサ・ハルコンネン)
   フローレンス・ピュー(皇女イルーラン)
   デイヴ・バウティスタ(ラッバーン・ハルコンネン)
   クリストファー・ウォーケン(皇帝シャッダム4世)
   レア・セドゥ(レディ・フェンリング)
   ステラン・スカルスガルド(ウラディミール・ハルコンネン男爵)
   ハビエム・バルデル(スティルガー)/シャーロット・ランプリング

<見どころ>
『メッセージ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴが監督、『君の名前で僕を呼んで』
などのティモシー・シャラメが主演を務め、フランク・ハーバードの小説を
映画化したSFの第2弾。宇宙帝国の統治者である皇帝に命を狙われる主人公が、
惑星デューンの砂漠に暮らす先住民フレメンの女性らと共に反撃を開始する。
ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソンなど前作の出演者のほか、
オースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、レア・セドゥなどが共演に加わる。

<ストーリー>
その惑星を支配する者が、全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューン。宇宙帝国を
統べる皇帝とハルコンネン家に命を狙われるポール(ティモシー・シャラメ)は、
先住民フレメンのチャニ(ゼンデイヤ)と共に数奇な運命に翻弄されながらも、
皇帝とハルコンネン家への反撃に立ち上がる。

<感想>
2021年に公開された「DUNE/デューン 砂の惑星」の続編。
★「DUNE/デューン 砂の惑星」 - NAO日和


冒頭、前回のおさらい的な流れで始まってくれたおかげでストーリーが
わかりやすかったのは良かった。
今作も映像と音響が素晴らしい。重低音の音響が耳でなく体にズンと
響きわたり、映像と見事に融合し観ている側も砂の惑星に引き込まれます。


フレメンたちがサンドワームを乗りこなして移動するシーンをはじめ、
砂の惑星の映像美に圧倒。時間の都合でIMAXで観れなかったのがホント残念。

ポールの成長を描いているのと同時にティモシー・シャラメの俳優としての
成長も感じられました。しかし、今作の目玉はなんといっても
オースティン・バトラーでしょう。

あの終わり方だと、「3」ありますね。
ジェシカのお腹の子も生まれてないから、ぜひ続編希望。
洗練された映像を是非映画館で!

点数:8点/10

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「ARGYLLE/アーガイル」

2024年03月09日 | 洋画

~一流スパイは 世界をダマす~

2024年  イギリス/アメリカ映画  (2024.03.01公開)
配給:東宝東和  上映時間:139分
監督・製作:マシュー・ボーン
脚本:ジェイソン・フュークス
音楽:ローン・バルフェ
出演:ヘンリー・カヴィル/ブライス・ダラス・ハワード/サム・ロックウェル
   ブライアン・クランストン/キャサリン・オハラ/デュア・リパ
   アリアナ・デボーズ/ジョン・シナ/サミュエル・L・ジャクソン

<見どころ>
『キングスマン』シリーズなどのマシュー・ヴォーン監督によるスパイアクション。
小説の内容が現実のスパイ組織の行動を言い当てていたことから、その作者が命を
狙われる。キャストには『コードネーム U.N.C.L.E.』などのヘンリー・カヴィル、
『ジュラシック・ワールド』シリーズなどのブライス・ダラス・ハワード、
オスカー俳優のサム・ロックウェルのほか、ブライアン・クランストン、
デュア・リパ、サミュエル・L・ジャクソンらが集結する。

<ストーリー>
有名作家のエリー・コンウェイ(ブライス・ダラス・ハワード)は、すご腕
エージェントのアーガイル(ヘンリー・カヴィル)が活躍する人気スパイ小説
「アーガイル」シリーズの新作執筆に苦慮していた。あるとき愛猫のアルフィーを
連れて列車で移動中、突如見知らぬ男たちに襲われ、同じ車両に乗り合わせていた
エイダンと名乗るスパイ(サム・ロックウェル)に助けられる。その後も命を
狙われ逃げ惑う中、エリーは自分が書いた小説が本物のスパイ組織の行動と
一致していたことを知る。

<感想>
「キングスマン」シリーズを観ているので、気になって鑑賞。

★「キングスマン」 - NAO日和

★「キングスマン ゴールデン・サークル」 - NAO日和

★「キングスマン:ファースト・エージェント」(吹替版) - NAO日和


予告編やポスターで目立っている金髪ゴールド衣装の方は、ほんの少ししか
出ていない&予告編で散々流れていたデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」が
本編で、全く流れていないのはどういうこと??
なんだか少し騙された感が拭えないんですけどっ!

そのかわり、ビートルズの新曲「now and then」が選曲されていたのはナイス


それにしても、主人公演じたブライス・ダラス・ハワードのぽっちゃり感は・・・。
サム・ロックウェルもねぇ・・・二人ともアクションは出来ていたけれど
もう少し年代が30代ぐらいの人をキャスティング出来なかったのでしょうか?

「キングスマン」シリーズに比べると、少し華が足りないように感じましたし
今作品はR指定がなかったので、ぶっ飛んだシーンもスケールダウン。
油まみれのスケートシーンは、ツッコミだらけだが笑えた。

「キングスマン」シリーズに比べると毒性はかなり弱め。
話は二転三転の展開で、この点は楽しめました。

続編・・・この終わり方はあるんですかねぇ。

点数:6点/10

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「落下の解剖学」

2024年02月28日 | 洋画

~これは事故か、自殺か、殺人かー。~

2023年 フランス映画  (2024.02.23公開)
第76回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞
第81回ゴールデン・グローブ賞 脚本賞・非英語作品賞受賞
今年度アカデミー賞5部門ノミネート作品
配給:GAGA  上映時間:152分
監督:ジュスティーヌ・トリエ
脚本:アルチュール・アラリ/ジュスティーヌ・トリエ
美術:エマニュエル・デュプレ
衣装:イザベル・パネッティエ
出演:ザンドラ・ヒュラー/スワン・アルロー/ミロ・マシャド・グラネール
   アントワーヌ・レナルツ/サミュエル・タイス

<見どころ>
第76回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したサスペンス。
夫が不審な転落死を遂げ、彼を殺害した容疑で法廷に立たされた妻の言葉が、
夫婦の秘密やうそを浮かび上がらせる。メガホンを取るのは『ヴィクトリア』
などのジュスティーヌ・トリエ。『愛欲のセラピー』でもトリエ監督と組んだ
ザンドラ・ヒュラー、『あなたが欲しいのはわたしだけ』などのスワン・アルローの
ほか、ミロ・マシャド・グラネール、アントワーヌ・レナルツらが出演する。

<ストーリー>
ベストセラー作家のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)は、夫と視覚障害のある
11歳の息子(ミロ・マシャド・グラネール)と人里離れた雪山の山荘で過ごして
いたが、あるとき息子の悲鳴を聞く。血を流して倒れる夫と取り乱す息子を発見した
サンドラは救助を要請するが、夫は死亡。ところが唯一現場にいたことや、
前日に夫とけんかをしていたことなどから、サンドラは夫殺害の容疑で法廷に
立たされることとなり、証人として息子が召喚される。

<感想>
カンヌ映画祭でパルムドールを獲得した、ということで鑑賞。


事故死か?他殺か?自殺か?が問われる法廷劇がメインのサスペンスだが
事件の真相というよりは、裁判が進むにつれて家族の内情、夫婦の内情
母と子の心情の方を重きに置いているように感じた。


BGMはほとんどなく、冒頭のスティールパンの曲と息子が練習していた
アルベニスの「アストゥリアス」、ショパンの「Prelude, Op. 28, No. 4」
(アレンジしているが)の3曲のみ。
音楽の少なさが作品全体に緊張感をもたらして、この点はうまいなぁと
思った。あと、犬のスヌープの演技は感動もの。

憶測だけで裁判にもっていく検察側の態度が腹正しく感じたのと
裁判に勝っても得るものがない、というのはもやっとします。

行間を読むような作り方で、見る人によって感想や評価が違うでしょう。
フランス映画らしい作品で、2時間半強のわりには眠くなりません
でしたが疲れたわ(笑)

点数:7点/10

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「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」

2024年02月11日 | 洋画

~ヴェルサイユ史上最大のスキャンダルな愛~

2023年  フランス/ベルギー/ロシア/サウジアラビア合作 (2024.02.02公開)
配給:ロングライド  上映時間:112分
監督:マイウェン
脚本:テディ・ルッシ=モデスト/ニコラ・リヴェッチ/マイウェン
衣装:ユルゲン・ドーリング
音楽:スティーヴン・ウォーベック
出演:マイウェン/ジョニー・デップ/バンジャマン・ラヴェルネ/ピエール・リシャール
   メルヴィル・プポー/パスカル・グレゴリー

<見どころ>
フランス国王ルイ15世の愛人であったデュ・バリー夫人ことジャンヌ・デュ・バリーの
生涯に迫る歴史ドラマ。18世紀のフランス・ベルサイユの宮廷を舞台に、庶民階級出身の
女性が、自身の才覚を発揮して権力の座へと上り詰めていく。監督・脚本に加え
主人公を演じるのは『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』などのマイウェン。
『MINAMATA-ミナマタ-』などのジョニー・デップのほか、バンジャマン・ラヴェルネ
ピエール・リシャール、メルヴィル・プポーらがキャストに名を連ねる。

<ストーリー>
貧しい家庭に生まれたジャンヌ(マイウェン)は、その美貌と知性を武器に
社交界へと入り込む。貴族の男性たちをとりこにしながらのし上がってきた彼女は、
ついにベルサイユ宮殿にも足を踏み入れ、国王ルイ15世(ジョニー・デップ)との
面会を果たす。二人は一瞬で恋に落ち、ジャンヌは国王の愛人となるものの、
貴族階級ではない出自や、宮廷のマナーを無視したことなどから彼女は周囲に疎まれる。

<感想>
離婚裁判で注目を集めたジョニー・デップ勝訴後の復帰作。


「ベルばら」世代の私には、この話は非常に興味深かった。
衣装はCHANELがデザイン協力で参加し、ベルサイユ宮殿の鏡の間で
実際に撮影していたシーンは圧巻。18世紀にタイムスリップしたかのよう。
ただ、主演演じたマイウェンが貧相に見えていまいち魅力に感じない。
あれなら、「べルばら」で描かれたデュ・バリー夫人の方がよっぽど
肖像画に似ていて魅力的。


愛妾は、既婚者であるのが決まりで。公に認められた愛人は生活面での
保証は保たれ、社交界にも堂々と出られる為、普通の愛人より格が上
だったんですよね。ただ、アントワネットの母であるマリア・テレジアは
愛人や妾の存在を快く思っていない考え方の持ち主で、その教えを受けた
アントワネットもまたデュ・バリー夫人を快く思っていなかったところに
ルイ15世の娘たちが焚きつけた経緯があって、あのような騒動に。
史実では、あの一言が最初で最後で、二度とアントワネットが彼女に声を
かけることはなかったそうです。

ナレーションのみでの解説で終わっていましたが、デュ・バリー夫人も
アントワネット同様、最後はギロチン刑にかけられます。
ただ、革命後イギリスに逃げたのですが、どういうわけかフランスに帰国して
捕まり刑に処されたのですが、なぜ帰国してしまったのか?
ここが知りたかったです。

主演演じたマイウェンの魅力がいまいちなのと、最後長々と説明シーンで
その後がすっ飛ばされたのは大きな不満。
当時の絢爛豪華な宮廷シーンや衣装はとても見ごたえありました。
一番のプラスは側近のラ・ボルト。このキャラクターのおかげで
浅掘り気味の映画を、ぐっと味わい深くしてくれたように感じました。

フランスらしい作品。ベルばらファンは必見かと思います。

点数:6点/10

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「哀れなるものたち」

2024年02月01日 | 洋画

~ランティモス&エマ・ストーンが描く未知の感動~

2023年  イギリス/アメリカ/アイルランド合作  R18⁺ (2024.01.26公開)
第80回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞
第81回ゴールデングローブ受賞(作品賞&主演女優賞)
第96回アカデミー賞11部門ノミネート
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン   上映時間:142分
監督:ヨルゴス・ランティモス
原作:アラスター・グレイ  「哀れなるものたち」(早川書房)
製作:ヨル・ギニー/ヨルゴス・ランティモス/アンドリュー・ロウ/エマ・ストーン
脚本:トニー・マクナマラ
衣装デザイン:ホリー・ワディントン
音楽:イェルスキン・ヘンドリックス
出演:エマ・ストーン/マーク・ラファロ/ウィレム・デフォー/ラミー・ユセフ
   クリストファー・アボット/スージー・ベンバ/ジェロッド・カーマイケル
   キャスリン・ハンター/ヴィッキー・ペッパーダイン/マーガレット・クアリー
   ハンナ・シグラ

<見どころ>
『女王陛下のお気に入り』などのヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが
再び組み、スコットランドの作家アラスター・グレイによる小説を映画化。
天才外科医の手により不幸な死からよみがえった若い女性が、世界を知るための
冒険の旅を通じて成長していく。エマふんするヒロインと共に旅する弁護士を
『スポットライト 世紀のスクープ』などのマーク・ラファロ、外科医を
ウィレム・デフォーが演じる。

<ストーリー>
若い女性ベラ(エマ・ストーン)は自ら命を絶つが、天才外科医ゴッドウィン・
バクスター(ウィレム・デフォー)によって胎児の脳を移植され、奇跡的に生き返る。
「世界を自分の目で見たい」という思いに突き動かされた彼女は、放蕩者の弁護士
ダンカン(マーク・ラファロ)に誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体でありながら、
新生児の目線で物事を見つめるベラは、貪欲に多くのことを学んでいく中で平等や
自由を知り、時代の偏見から解放され成長していく。

<感想>
今年数々の映画祭で受賞し、R18指定にも関わらずアカデミー賞でも
11部門ノミネートされている作品なので、公開が楽しみでした。


奇想天外なダーク?ファンタジーの世界は、万人受けしないが
ランティモスの世界観炸裂。主人公ベラを演じたエマ・ストーンの
体当たり演技は必見。難役を見事に演じきったと思います。
お見事というしかない。


脳みそを移植の描き方は、楳図かずおの「洗礼」を思いおこさせますし
R18なので、リアルな解剖シーンはかなりのグロさ。セックスシーンは
予想通り多かったが、官能的ではなくもはや作業的な印象(笑)

映像はモノクロとカラーと交互に出てくるのはベラの心に併せているのかな?
あと、今作も「音」が非常に印象的。
音楽というより効果音に近く、全体的どこか不協和音でしかも不安定な
音形で浮遊した感じ。それがラスト不協和音が解除され落ち着く形に
落ち着いたという映像と音がマッチしたラストはうまいなぁと感じました。

独特な世界観で万人受けしないが、観て良かったと思います。
(再度見ようとはおもわないけど^^;)
アカデミー賞、今から楽しみです。

点数:8点/10

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「マエストロ:その音楽と愛と」

2023年12月22日 | 洋画

~音楽家レナード・バーンスタインの生涯を音楽とともに~

2023年 アメリカ映画  (2023.12.08公開)
配給:Netflix   上映時間:129分
監督・プロデューサー:ブラッドリー・クーパー
脚本:ジョシュ・シンガー/ブラッドリー・クーパー
音楽:レナード・バーンスタイン
衣装デザイン:マーク・ブリッジス
特殊メイク:カズ・ヒロ
出演:ブラッドリー・クーパー/キャリー・マリガン/マット・ボマー
   マヤ・ホーク/サラ・シルヴァーマン/ジョシュ・ハミルトン
   スコット・エリス/ギデオン・グリック/サム・ニヴォラ
   アレクサ・スウィントン/ミリアム・ショア

<見どころ>
『アリー/スター誕生』などのブラッドリー・クーパーが監督と脚本、主演などを
務めた伝記ドラマ。ミュージカル「ウエスト・サイド物語」などの音楽を手掛けた
指揮者・作曲家のレナード・バーンスタインが、女優でピアニストの妻フェリシア・
モンテアレグレ・コーン・バーンスタインと共に人生を歩む。
妻をキャリー・マリガンが演じ、マット・ボマーやマヤ・ホークが共演。
プロデューサーにマーティン・スコセッシとスティーヴン・スピルバーグらが名を連ねる。

<感想>
20世紀のクラシック音楽業界代表するバーンスタイン。
彼の名前は知らなくても「ウエストサイド物語」の音楽を作曲した人と言えば
わかるでしょう。小澤征爾や佐渡裕が愛弟子ということでも有名です。


監督でもあるクーパーが、バーンスタインの人生から夫婦のことを
フォーカスしたかったと話していたとおり、彼の音楽キャリアの様子より
夫婦でのシーンが多かったです。バーンスタインがバイセクシャルとは
知っていましたが、ここまで明け透けとは思っていなくてそこに驚き^^;

 
特殊メイクは、オスカーを2度受賞したカズ・ヒロが担当しただけあって
クーパーの顔とわかっていても、バーンスタインの風貌にそっくり。
背格好や仕草も似ていて、クーパーの熱演に拍手。
それ以上にお見事だったのが、キャリー・マリガン。エンドクレジットでは
クーパーより先に名前が出てましたが、納得の演技でした。

音楽家バーンスタインというよりは、一人の人間バーンスタインを
描いた、そんな印象を受けた映画でした。

音楽は全編バーンスタインの名曲がかかり、それだけでもワクワク。
映画館で公開されていますが、Netflixでも20日から配信されていますので
気になる方はぜひ!

点数:7点/10

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「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」

2023年12月15日 | 洋画

~夢見ることからすべては始まる~

2023年 アメリカ/イギリス映画  (2023.12.08公開)
配給:ワーナー・ブラザース映画   上映時間:116分
監督:ポール・キング
原案:ポール・キング
脚本:サイモン・ファーナビー/ポール・キング
衣装デザイン:リンディ・ヘミング
音楽:ジョビィ・タルボット
出演:ティモシー・シャラメ/クララ・レイン/キーガン=マイケル・キー
   パターソン・ジョセフ/マット・ルーカス/マシュー・ベイントン
   サリー・ホーキンス/ローワン・アトキンソン/オリヴィア・コールマン
   ヒュー・グラント

<見どころ>
ロアルド・ダールの児童小説を映画化した『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚。
同作に登場する工場長ウィリー・ウォンカがチョコレート工場を作るまでを描く。
監督・脚本は『パディントン』シリーズなどのポール・キング。若き日のウォンカを
『君の名前で僕を呼んで』などのティモシー・シャラメが演じ、『ラブ・アクチュアリー』
などのヒュー・グラント、オスカー女優オリヴィア・コールマン、
『シェイプ・オブ・ウォーター』などのサリー・ホーキンス、『ビーン』シリーズなどの
ローワン・アトキンソンらが共演する。

<ストーリー>
幼いころから世界一のチョコレート店を持つことを夢見ていたウィリー・ウォンカ
(ティモシー・シャラメ)は、一流の職人が集まるチョコレートの町へやって来る。
彼が作るチョコレートは瞬く間に人々を魅了するが、町を牛耳る「チョコレート組合
3人組」にねたまれ、何かと邪魔をされてしまう。この町は夢見ることを禁じられた
町だった。さらに、ある因縁からウォンカを付け狙うウンパルンパという謎の人物
(ヒュー・グラント)が現れる。

<感想>
まず思ったのが、2005年の「チャーリーとチョコレート工場」の前日譚という
宣伝をしたのが間違いのような気がするんですけど。
なぜなら、ティモシー演じるチャーリーがあまりにも良い子だから(笑)


こんな素直な子が、ティム・バートン版ではひねくれ人間になっているから
バートン版の前日譚と思って観ず、これはこれ単体で楽しんだ方がいいと思います。


ティモシーは、とても美しく衣装も似合っていたし、歌も透明感ある声で
聴きやすく、冒頭からああいう登場だとワクワクしますね。
ファンの心わしづかみ!でしょう♪♪

チャーリーの衣装やウンパ・ルンパの風貌は、1971年の
「夢のチョコレート工場」に出ているのとそっくりなので、
今作は71年版の方に寄せているように思いました。

テイモシーを主役にもってきたのは大正解。
映像もきれいだし、素直に楽しめます。

ただ、宣伝に騙されないように。バートン版とは別物としてご覧ください。

点数:7点/10

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「ナポレオン」

2023年12月10日 | 洋画

~英雄か、悪魔か~

2023年  アメリカ/イギリス映画  (2023.12.01公開)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間:158分
監督:リドリー・スコット
脚本:デヴィッド・スカルパ
衣装デザイン:ジャンティ・イェーツ/デイヴ・クロスマン
音楽:マーティン・フィップス
出演:ホアキン・フェニックス/ヴァネッサ・カービー/タハール・ラヒム
   ベン・マイルズ/リュディヴィーヌ・サニエ/ジョン・ホリングワース
   ユーセフ・カーコア/フィル・コーンウェル/ルパート・エヴェレット
   ポール・リス/キャサリン・ウォーカー/マーク・ボナー/サム・クレイン

<見どころ>
『グラディエーター』のリドリー・スコット監督とホアキン・フェニックスが
同作以来再び組み、フランスの皇帝ナポレオンの生涯に迫る歴史ドラマ。
フランス革命後の混乱が続く国内で、彼がいかにして皇帝の座へと上り詰めた
のかを、妻・ジョゼフィーヌとの関係も交えて映し出す。『私というパズル』
などのヴァネッサ・カービー、『あさがくるまえに』などのタハール・ラヒムらが
キャストに名を連ねる。『ゲティ家の身代金』でもスコット監督と組んだ
デヴィッド・スカルパが脚本を担当する

<ストーリー>
1789年、自由と平等を求めた市民らによってフランス革命が起こり、絶対王政が
崩壊する。フランス国内が大きく揺れ動く中、軍人ナポレオン(ホアキン・
フェニックス)は目覚ましい活躍を見せ、皇帝へと上り詰めていくが、妻の
ジョゼフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)との関係はもつれたままだった。
その一方でナポレオンは軍を率いて次々と戦争を繰り返し、ヨーロッパ大陸を
手中に収めていく。

<感想>
ナポレオンについては、伝記や池田理代子さんの漫画で予備知識があったので
よかったが、フランス革命からセントヘレナ流島までサクサク話が進むので
事前学習は必須でしょう。


冒頭、いきなりのアントワネットの処刑シーンは、かなりリアルで
そこに自分もいるかのような臨場感がありました。
でも、史実ではアントワネットは処刑前に髪の毛バッサリ切られて
しまうんですけどそこはなかったな~。
衣装も、特に戴冠式でのシーンは絵画からそのまま出てきたような
絢爛豪華な衣装でため息が出るほど。
また、戦闘シーンも有名な「アウステルリッツの戦い」や
「ワーテルローの戦い」などが、エキストラの数が膨大で迫力満点。

話は少しそれますが、イギリスの音楽家アンダーソンが作曲したピアノ曲
「ウォータールーの戦い」があるのですが、これはワーテルローの戦いで
イギリスが勝利した視点で描いた曲であります。この曲のおもしろいところは
曲中に戦闘シーンの注釈が書かれていることです。
「イギリス軍騎士兵がフランス軍攻撃のために前進」なんて具体的な
書き方もしてあるので、興味ある方は聞いてみてください


ホアキン・フェニックスは、ナポレオンのイメージに合っているが
やはり若かりし頃から演じるのは無理でしょう(ーー;)
年上のジョゼフィーヌなのに、ホアキンの風貌ではちっとも歳の差夫婦に
見えないのよ。せめて若い年代の時は、若手俳優を起用してほしかったな・・・。

戦争で300万人の犠牲者を出し、皇帝になったナポレオンですが
税制改革をはじめ、教育やフランス民法典を定めるなど政治的功績も
大きかったと感じました。

戦闘シーンは見事でしたが、ナポレオンの戦いの流れからみると
トラファルガー海戦・スペイン遠征などが抜けているのが残念。

戦いで名声をあげてきた人物ですから、映画で一気にというよりは
ドラマでじっくりやった方がよかったようにも感じました。
ナポレオンを知る初心者向けとして観るのにはいい作品だと思います。

点数:6点/10

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「リアリティ」

2023年11月25日 | 洋画

~正義感は、悪なのか~

2023年  アメリカ映画  (2023.11.18公開)
配給:トランスフォーマー  上映時間:82分
監督:ティナ・サッター
原作戯曲:ティナ・サッター
脚本:ジェームズ・ポール・ダラス/ティナ・サッター
音楽:ネイサン・ミカイ
出演:シドニー・スウィーニー/ジョシュ・ハミルトン/マーチャント・ディヴィス
   ベニー・エレッジ/ジョン・ウェイ

<見どころ>
国家機密を漏えいしたとして逮捕された、アメリカ国家安全保障局(NSA)の
契約社員リアリティ・ウィナーに対するFBI捜査官の尋問記録を忠実に再現した
心理ドラマ。「第2のスノーデン」として注目された、25歳の彼女が起こした事件の
てん末を描く。監督などを手掛けるのはティナ・サッター。『観察者』などの
シドニー・スウィーニー、『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』
などのジョシュ・ハミルトン、『オレたちの聖戦』などのマーチャント・デイヴィス
らがキャストに名を連ねる。

<ストーリー>
2017年、アメリカ。買い物から帰宅したリアリティ・ウィナーは、見知らぬ二人の
男性に声をかけられる。彼らはFBI捜査官だと名乗り、ある事件の捜査をしている
ことを彼女に告げる。気さくで穏やかな口調のまま、二人は何げない質問を
リアリティに投げかけていたが、やがて会話はある驚がくの事実に迫り始める。

<感想>
2017年アメリカで、国家機密をリークして逮捕された25歳の女性
リアリティ・ターナーが逮捕される際にFBIから聴取された実際の音声テープから
再現した作品。


音源そのままを再現しているので、ドキュメンタリーというより
見ている観客も実際その場に立ち会って聞いているような感覚に陥る
なんとも不思議な時間でした。

令状をすぐに見せずに真綿で首を絞めるようにして追い込んでいく
捜査官のやり方が怖かった・・・。すぐに令状を見せないのは
アメリカのやり方なんだろうか?

今の時代、情報の機密性は大事。彼女はなんとも思慮が足りない行動を
とってしまいました。それにしても、一緒に暮らしていた猫ちゃんは家族が
引き取り、ワンちゃんはシェルターへ・・というセリフがあったが
シェルターってどんなどころなんだろう?彼女のことより
ワンちゃんのことが気になって仕方なかった(笑)

正直、予備知識がないとよくわからない作品。
エンタメ性は全くないので、万人受けはしないと思います。

点数:6点/10

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