王位リーグ紅組プレーオフ対佐藤(康)棋聖戦。

2006-06-09 | 対局

プレーオフということで掲載上の都合か観戦記はなし。いつもより詳しめに紹介します。

振り駒で後手番になり相矢倉の出だし。今日は積極的に指そうと思っていたのでいつになく序盤から時間を使って考えました。

              

図の前までに31分使っていてこの手に11分。全くの思い付きですが、一応狙いはありました。この後▲同歩△4四銀左から歩交換して△5四銀△4四銀と銀が並ぶ米長流急戦矢倉なのですが角ではなくて銀で交換することによって▲5六歩を打たせるということです。ちょっと難しいですね

              

△8五歩▲4五歩△5三銀▲7九角△7三桂が普通ですが欲張って単に△7三桂。これには先手も▲7五歩と反発する一手で(△8五桂があるので▲7九角とは引きにくい)△6三銀▲7四歩△同銀▲7五歩△6三銀▲7六銀。双方不満のない分かれでしょうか。

              

3筋の歩は数手前からぶつかっていてお互いに取れません。▲3四歩と取り込むと△3六歩。△3五歩と取ると▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛で▲7四歩と▲3五飛を見られて嫌な感じです。

図から△4四角▲1五歩△同歩▲5五歩△同角▲1三歩△同香▲2五桂△8六歩▲同角△6五桂と戦いに突入しました。

              

▲5六香と打った局面。二枚並んでいる銀と攻めに使えそうな香の交換なので打ってこないと思っていたのですが・・・。ここでの大局観が明暗を分けました。△4四角▲5四香△5七桂成▲同金△8五歩▲7七角△5四銀▲7三銀。

              

△5二飛が間接的に▲5七金に当たるので打ちにくいと思っていたのですが△5二飛▲6四銀成の時にうまい受けが見当たりませんでした。△5三銀打が普通ですが▲同成銀△同飛▲3四歩で1歩取られた上に飛を8筋から5筋に移動させられた計算です。(8筋のほうが△8六桂の狙いがあり利いている)△6五銀の筋はありますが後手玉のほうが薄いので勝てません。

実戦は▲6四銀成に△8四桂▲6七金寄△6五歩と無理な攻め合いに出てしまい▲3四桂が厳しく負け。△8四桂ではまだしも△2三金と辛抱するべきでした。

昨年と同じく準決勝で敗退。無念です

負けておいて言うのも何ですがこんな思い付きの序盤戦術でも勝負にできるんです。久々に将棋の自由さと楽しさを確認できたという大きな収穫がありました。

敗因ははっきりしていて読み負け。これは今後の努力で埋まるものだと思うので頑張ろうと思います。

終了後、棋士&記者の方々と近くで3時間程飲んで帰宅。

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