私が大学生だった頃、林学や森林生態学を学ぶ学生にとって四手井綱英教授や吉良龍夫教授と言ったら雲の上の人で、その講義を聞いたり、本を読んだりすることは憧れでした。
四手井先生も98歳の高齢になられ自宅介護の日々を戦っておられるようですが、その先生が「これからの日本の森林づくり」のことを言い遺しておきたいと書かれた原稿に加え、門下の研究生たちが「21世紀の森林づくりについて」や「これからの日本のあるべき森林をどうつくっていくのか」について書き込みを加えて貴重な提言を示したのがこの本です。
林学~森林科学~森林生態学へと変わってきた時代に大学で学んだ私にとって四手井綱英氏の考え方を再認識させられた本でした。
【目次】
はじめに・・・余生を駆り立てた山と森
第Ⅰ部:望ましい「もり」や「はやし」の姿
1日本の「もり」と「はやし」
2近畿の「もり」
3琵琶湖の山や川
4東北地方の「もり」
5ブナの「もり」
6天然の巨木は取り戻せないか
7外来種をどう扱うか―センペルセコイア
8紅葉は北半球に多い
9極北の国フィンランド
第Ⅱ部:これからの森林づくり
1森林の働き
2自然にまかせるか、手を加えるか
3都市景観と自然
4孤立化したブナ林の復元
5亜高山帯林の取り扱い方
6大風害を受けたトドマツ林―層雲峡の森
7私の経験した20世紀の日本林業
8ブナ天然林の危機
9四手井家の庭の生き物たち
第Ⅲ部:四手井綱英という人
1探検部長として
2梅里雪山の遭難
3四手井綱英を語る
出版社: ナカニシヤ出版 、定価:本体1,700円+消費税
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