中さん

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日記(5.25)コラム「司法取引」

2018-05-25 14:51:04 | 日常
5月25日  (金曜日)   晴れ
コラム
司法取引
 身に覚えのない罪をかぶせられることを、ぬれぎぬという。
 諸説あるが、
 今は昔、先妻の美しい娘をねたんだ継母が、
 娘の枕元に海水にぬれた漁師の衣を置いたとか。


 実父は娘が漁師の衣を盗んだと、また漁師との関係を誤解して殺してしまった、
 というから哀れだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ▼ぬれぎぬの温床になりかねないとの懸念が付きまとう司法取引が、
  来月1日から日本でも始まる。
  海外の法廷ドラマなどにも出てくる
  罪を認めれば、刑を軽くしてやるぞ
という制度だ。

 ▼導入されるのは共犯者らの悪事を密告する「捜査協力型」。
  見返りに、検察官は協力者の起訴見送りや軽い罪での起訴などさじ加減できる。
  捜査当局が取り調べの録画(可視化)と引き換えに導入を強く求めた▼。
  より重要な犯罪を解明し、
  真に処罰すべき首謀者らを裁きの場に引きずり出すには役立つかもしれない。
  一方で虚偽の供述により関係のない人を巻き込み、
  罪をなすり付ける恐れはないか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ▼可視化は大阪地検特捜部が女性官僚を犯罪者にでっち上げた
  事件を教訓にした捜査・公判改革の一環で、冤罪を防ぐのが主眼だった。
  無実の罪を生んでは本末転倒だ。

 ▼捜査現場にとって、司法取引は切れ味鋭い「もろ刃の剣」に違いない。
  使いこなせるのだろうか
  万が一にも無実の人にぬれぎぬを着せることがあってはならない。
[京都新聞25日掲載]
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日記(5.25)万引き家族

2018-05-25 09:27:23 | 日常
5月25日  (金曜日)  晴れ

コラム

映画監督、是枝裕和さんの作品にはホームドラマが多い。
特別な事件は何も起こらない。
どこにでもいる家族の取るに足りない日常の中に時折、
人間の心のひだが顔をのぞかせる。

 「歩いても 歩いても」(2008年)では、
  老いた両親の元に家族が集まった夏の一日を描いた。
  母親はいそいそと手料理を振る舞う。
  この日は長男の命日。15年前、海で溺れた子どもを助けようとして亡くなった。
  助かった子は成人した後も毎年、線香を上げに来る。

  もうそろそろ呼ばなくてもいいのではと言う家族に、
  母親は「10年やそこらで忘れてもらっちゃ困るのよ。
  憎む相手がいないだけ、余計こっちはつらいんだから…」。
 
  どんな人間にだって「毒」はある。

  家族の絆を大切に思う半面
 「家族って面倒だな」 
 「厄介な関係から逃げ出したい」と感じる時もあろう。
  普段は心の奥底にしまい込んでいる複雑な感情に
  是枝作品は気付かせてくれる。

 最新作「万引き家族」がカンヌ映画祭で
 最高賞の「パルムドール」に輝いた。

 年金を頼りにしながら、足りない分を子どもに万引させて
 暮らす一家の日常と秘密がテーマだ。
 特異な物語のように聞こえるが、そうではあるまい。

 格差社会の片隅に追いやられた家族の姿はどこの国にもある。
 カンヌの観客もそれぞれに思い当たる人生の真実を、
 スクリーンに見いだしたのではないか。
 日本公開は来月。
 今から待ち遠しい。
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『万引き家族』は、
東京の下町を舞台に、犯罪でしかつながれなかった一家の姿を通して
人と人の絆を描く人間ドラマ。

日本映画がカンヌ映画祭でパルムドールを受賞するのは
●今村昌平監督の『うなぎ』(97)以来、21年ぶりのこと。
 是枝監督作品としては、カンヌ映画祭への参加は7回目。
 コンペティション部門では『海街diary』(15)以来3年ぶり5回目の出品にして、
 初めてのパルムドール受賞​となった​。
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★パルムドール
 カンヌ国際映画祭で、最優秀作品に与えられる賞。
 [補説]多く「金のシュロ」と訳されるが、
 日本原産のシュロ(ワジュロ)ではなく、
 ヤシ科のナ ツメヤシがモチーフとなっている。
 ナツメヤシは、西洋では勝利・栄誉の象徴とされ、
 カンヌ市 章にも使われている。

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会見場に是枝監督が足を踏み入れるや、たくさんのフラッシュがたかれ、
まぶしそうな表情を見せた是枝監督。
「ちょっと実感が沸いてきた」と笑顔を見せつつも、
「公開がまだなので、宣伝活動を始めなければ。
 あまりゆるんだ笑顔を見せている場合でもないので、
 気合いを入れて公開に向けて走りたいと思います」と帰国後、
 さっそく気合を注入した。

 カンヌの上映について「深夜の上映にも関わらず熱い拍手が沸き起こった」と振り返り、
 取材に来る記者たちが「タッチ」や「ラブ」という言葉を使って
 本作の感想を語るのを聞くにつれ、「きちんと届いたなと思った。
 取材の数が増えていくという状況で、いい手応えなんだなと実感してきた」という。

 「パルムドール受賞の理由はなんだと思う?」と自己分析を求められると
 「自慢げに話していると思われるとイヤだな」と苦笑いしつつ、

 「審査委員長のケイト・ブランシェットさんが安藤サクラさんの
  お芝居について熱く語っていた。
 『彼女の泣くシーンのお芝居がすごくて、
  今後もし審査員の中でこの泣き方をしたら、安藤サクラの真似をしたと思ってください』と。  それくらい審査員の女優たちを虜にしたのだなと思った」と告白。
  さらに「どの瞬間もみなさんのお芝居に惚れ惚れするくらい。
  役者のアンサンブルがとてもうまくいった」とたたえた是枝監督。
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