まつや清の日記 マツキヨ通信

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リニア導水路トンネルやるならまず環境影響評価手続きにのせるべし

2015年04月14日 | ニュース・関心事

本日、県庁本館で静岡県中央新幹線第2回水資源部会が開催され、4月2日にJR東海内の水資源検討委員会での大井川の水減量対策として示された導水路トンネル方式を決定したとJR東海から説明がありました。

これは、環境大臣意見にある「大きな自然環境の改変に」あたるので単にJRの独自調査や環境保全連絡会議への報告事項でなく環境影響評価条例に基づく環境影響評価を行うべしと県知事に申し入れしました。

緊急だったため、市民ネットの皆さんとネットで連絡し合い、申し入れは私一人でした。対応は池谷廣くらし・環境部長で単に報告事項ではないとの認識は持っていました。以下は、申し入れ文書になります。

※※
川勝平太静岡県知事様              2015年4月14日

リニア中新幹線の導水路トンネル計画の「新たな自然環境改変」についての申し入れ

          南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク静岡
               (共同代表 松谷 清 他4名)
            連絡先 静岡市葵区鷹匠3-3-1地球ハウス
                  ℡ 054-209-5676
                  Fax 054-209-5675

 本日、静岡県中央新幹線環境保全連絡会議第2回水資源部会が開催されJR東海より4月2日開催された同社内の大井川水資源検討委員会において大井川の水減量対策として3案の中から導水路トンネル案を採用していきたいとの報告がなされました。内容としては「導水路トンネルは、恒久的かつ確実に大井川に水を戻すことができ、必要に応じて導水路トンネル取付位置までトンネル湧水をポンプアップすることを付加することにより、多くの方々が利用される中下流域の水資源利用への影響は生じないと考えます」とされました。

 委員より「本線における毎秒2t減量するといわれる水系や断層、導水路トンネルについても同様にデータの公表を求める」「全体の工事スケジュールはどうなっているのか。導水路トンネルは本線工事より先になるのか」「関係する地域住民への直接の説明会や議会への説明をどのように考えているか」「導水路トンネルによる大井川、沢の水や生態系への影響はないのか」など質問や意見が出されました。

 導水路トンネルは説明によれば12キロという本線より長く大幅な「新たに自然環境の改変」を伴うもので、昨年の環境影響評価手続きにおいてはまったく審議されて来なかった対策です。許可された中央新幹線工事計画の一部としてJR東海による独自調査や環境保全連絡会議への報告だけで済まされるものではありません。

昨年の環境大臣意見の総論部分(2)追加的な調査、予測及び評価の実施にお
いて「本事業は工事期間が長期にわたるものであることから、事業実施区域の社会環境、生活環境又は自然環境の変化があり、予測しえなかった変化が見込まれる場合は、その変化の状況を踏まえ、工事中及び供用後における評価項目を再検討した上で、改めて環境影響について、調査、予測及び評価を行い、適切な環境保全措置を講じること。また、新たに自然環境の改変を行う場合、工事実施中に新たに環境影響に係る知見が判明した場合等、本評価書における予測の前提条件が変化した場合にも、同様の取扱いとすること。」と示されています。

 この導水路トンネルは「新たに自然環境の改変」に関わるものであり、静岡県の環境影響評価条例手続きにもとづく専門家会議での検討、更に手続きに従って、担当域である静岡市長の意見を聞いたうえで知事意見を提出する必要があると考えられます。

 よって
1、 静岡県知事は、環境大臣に対してJR東海が環境影響評価法に基づく静岡県に関する環境影響評価を行う勧告を求める申し入れをすること。

2、 静岡県は、「新たに自然環境の改変」となる導水路トンネルについて、JR東海の独自調査、環境保全会議への報告事項レベルでなく、環境影響評価条例に基づく専門家会議意見、静岡市長意見をもとに、知事意見の提出手続の準備を開始すること。

3、 この問題への対処について、静岡県知事と静岡市長の緊急の協議を行うこと。