まつや清の日記 マツキヨ通信

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桜ヶ丘病院及び清水都心めぐる諸問題 残念な「高台移転論は検討しない」答弁

2017年02月27日 | ニュース・関心事

 

ポイントはいくつかあるが、高台移転論にもう少し前向きな答弁を期待したが残念だ。桜ヶ丘病院の大内新田建設放棄の社会的責任を問う意味で、購入した3haの土地処分は自らの責任で行うべきであるし静岡市の購入はありえない。

 それどころか約束した未購入の土地4000㎡2億6000万余は引き取ってもらうべしという質問趣旨に、「JACOHと地元と協議しながら未購入も含めた土地の公的整備含め最適利用を検討していく」との答弁にはいささか驚いた。

※※

≪桜ヶ丘病院及び清水都心をめぐる諸問題について≫

2月6日、10日の桜丘高校、清水庁舎でのタウンミーティングに参加しました。住民パワーと田辺市長執行部との全面対決の様相ではありましたが論点多きタウンミーティングでした。市長が所信表明で引用されたマックスウエーバーの「それにも関わらず」が、タウンミーティングでの市長の「聞いてください」繰り返し発言と重なり直接民主主義の力強さと、清水市民と市長の今後の対話に大きな希望を感じました。一方での「アセットメント研究会」の「清水庁舎の将来計画に対する提言書」の筋書き通りの展開であるのか、という疑念も強く湧きました。

<1回目>

「1」        清水都心構想

1、      市長に伺います。2箇所での住民パワーの臨場感は、1995年の阪神淡路大震災後に国交省の肝いりで進められようとした駿河区中田防災公園・区画整理事業での住民と当時の小嶋市長執行部との対立を思い起こさせてくれました。今回の市民との対話について直接民主主義の観点からどのように感じたか、所管を伺います。

<2回目>

「1」        清水都心構想

 中田防災公園区画整理事業は、当時の国交省から派遣の川島助役が先頭に立った直接対話が何回も行われ最終的には白紙撤回されました。田辺市長には、市民との意見交換を庁舎立替検討委員会に任せず直接対話を何回も繰り返すことを期待しておきたいと考えます。 

本来は、「桜ヶ丘病院の移転が決まったから清水庁舎建設を検討する」でなく、まさに東日本大震災を経験した今日、「清水庁舎をどこに置くか」「清水区の顔はどこがふさわしいのか」を最初に議論すべきだった、わけです。市長の深謀遠慮の政治姿勢なのか、副市長はじめとしたサポート役の策略なのか、財界のいいなりなのか、その手法は清水区だけでなく多くの市民から批判の声があがっています。県内においても焼津市長選挙、下田市長選挙において示された高台移転論への住民の関心を考えるなら、清水区でも同様の議論が必要でありコンパクトシティ論も多面的な議論が求められます。

1、      タウンミーティングで参加者から「清水庁舎の高台移転の必要性」や「清水都心はJRによって分断されており東口公園への庁舎移転は疑問」との意見が出たが、どのように受け止めているのか。

「2」        いくつかの問題

1、      タウンミーティングで田辺市長は桜ヶ丘病院の代弁者のような発言を繰り返しました。大内新田を自ら放棄したことの独立行政法人としての社会的責任、13万人の署名があるとは言え「緊張感ある関係」が求められます。一独立行政法人である病院との関係をどう認識されているのか。

2、      市長は既に破綻したと評価されているアベノミクスになぞらえてタナベノミクスという成長戦略を描いています。静岡アセットメント研究会の提言書にある145億の民間投資、38億円の借地権収入、併せて180億の民間投資は、実現可能と考えているのか、伺います。

<3回目>

「1」        都心構想

復興庁経験を持つ美濃部副市長は津波浸水区域の危険性についての認識を持つものの高台移転論より都市の集積を軸にした都心構想を選択したと発言しました。例えば、陸前髙田市での当初は浸水区域内での庁舎建設は、2013年住民アンケートを経て高台移転に変わり、現在4案の庁舎建設案が住民に示されています。

同様に、桜ヶ丘病院の庁舎跡地移転、庁舎の東口公園移転の議論の前に市民討議が必要であった「清水区の顔をどこにするか」という観点に立てば、これからでも十分間に合いますが、高台含め複数案を示す必要があります。

1、      清水庁舎建替えの検討委員会で、庁舎の規模、機能の他、高台移転についても検討項目とする必要についてどのように考えるか、伺います。

「2」        住民合意プロセス

 清水庁舎の議論とLNG火力発電、桜ヶ丘病院、海洋文化拠点の議論が絡み合うことは民主主義の熟度を高めてくれます。

1、      清水庁舎の移転先については、最終的に合意プロセスとして住民投票という直接民主主義的な手法で決定される必要性があるが、どのように考えるか、伺います。

「3」        いくつかの問題

1、      医療施策上の「土地の斡旋」で代理人ではない、との答弁です。ただ危惧するのは、病院計画を反故にした経緯からして約3ヘクタールの大内新田の土地は病院の責任で処分することの前提が薄くなってはいないかという点です。地元からの公的施設要望があるとしても静岡市がこの土地を購入することには疑問があります。その責任を明確にするために伺っておきたい点は、20年前の土地購入の際の一部の土地、約4000㎡、2億6000万余が未購入のまま、塩漬け土地として静岡市土地開発公社の所有となっています。この土地の引取りを求める必要がありますが、今後どうしていくのか。

2、      タウンミーティングにおいて静岡市は現庁舎の建替え費用120億円を示しました。アセットメント研究会の提案書にある清水庁舎建設費は40億円です。財界は本庁機能を静岡庁舎内に移すことを前提として考えていることになりますが、どうなのか。