マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、日笠町子どもの涅槃

2009年05月22日 08時01分12秒 | 奈良市(東部)へ
<涅槃の膳>

一時間余り熱中していたゲームにも飽きてきた。

丁度そのころは昼どき。

持参してきた飯碗にはイロゴハン(炊き込みご飯)。

サンカクアゲ、ジャガイモ、センギリキリボシダイコンを煮もの椀。

汁椀はトーフとカマボコのすまし汁。

これは昔から献立が決まっているという。

大皿盛りにはいろんな種類がある。

エビフライ、カラアゲ、ポテトフライ、チキンナゲットの揚げ物にソーセージと野菜の盛り合わせ、タコの刺身、ホウレンソウのゴマ和え、コンニャクやオタフク豆の甘煮、ポテトサラダと豪華にヤドの料理が並ぶ。

イロゴハンはアゲ、ゴボウ、シメジ、シイタケ、ニンジンにカシワ肉。

肉の出しが利いているのだろう美味しくておかわりする。

いつも最後に残るのはお豆さんやと口を揃えていう。

ヤドの人のご好意で私も御馳走。

イロゴハンもすまし汁もたいへんおいしゅうございます。

食べ終わった二人は暖かい日差しがこぼれるお外へ出ていった。

夜の膳はイロゴハンがカレーライスに替わり、持ち帰るサエラ(サンマ)の開き、デザートが膳にだされる。

お母さんが呼びにくる夜9時ごろまで遊ぶ涅槃の日。

来年の対象者は二人になるといい、その二人は息子たち。

それでも続けていきたいと翌々年のヤドのご婦人は仰った。

(H21. 3.30 Kiss Digtal N撮影)

日笠町子どもの涅槃

2009年05月22日 07時57分16秒 | 奈良市(東部)へ
早朝から「涅槃講の集金に来ました」と言って集落26軒を巡ってきた子どもたち。

当番のヤド家に戻ってくると涅槃の掛け図を掲げる座敷に上がった。

今日は日笠町で毎年行われている子ども涅槃の日。

十年ほど前までは15人(幼児5人含む)もおったという子どもたち。

(幼稚園児)小学一年生から中学三年生の男女が対象で今年は三人。

続行することが困難になってきたことから中止しようとする意見もあったが今日の日を迎えた。

現在はお金集めに変わっているが、かつてはゴク(御供)集め。

一軒、一軒巡ってお米をもらう。

それを現金化して子どもたちのこずかいにする。

年長者はようけ取って年少の子には文房具に替えて分けたという。

いつの頃か思い出せないがお金集めになったのだと涅槃のヤドのご婦人は仰る。

風呂敷に包んで持ってきたお盆に飯碗、煮椀、汁椀、皿に箸。

二つの椀を預かったヤドは昼ご飯の支度に忙しい。

それができるまでは持ってきたゲームに熱中する二人。

一人は部活クラブで昼過ぎに参集するので二人だけの遊びタイム。

子どもの涅槃の日はヤドと呼ばれている当番の家で一日中遊びほうける。

大勢おったらそれはもう賑やかで外で走り回っていたという。

そのころは上の地区、下の地区、それぞれ日にちを替えて行っていた。

それだけ沢山の子どもがおったからそうしてきたがこれだけ少のうなったんだからと数年前から両地区合同となった。

(H21. 3.30 Kiss Digtal N撮影)