小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原市内には150ちかくのお寺が点在している。お寺が集まった一角は寺町の地名も残っているし、早川から浜町までの海岸付近にはお寺が連なっている。150ちかくあるお寺の中には住職が途絶え、他のお寺の住職が兼任しているところがいくつかある。久野の来光寺もそのようなお寺のひとつだ。小田原市久野、山王川沿いの道路の小田厚ガード近くに来光寺がある。道路からはお寺の青い屋根が見える。お米屋さんの看板先の脇道を入るとそこが来光寺だ。お寺の隣は宮本公民館と広場になっている。質素な佇まいの御堂。錆びの浮き出た屋根が歴史を感じさせる。正面の火灯窓が良い雰囲気を作り出している。来光寺は江戸時代に非常に賑わっていて遠方からの参拝者も多かったとのこと。虹梁には参拝者の千社札が何枚か貼られている。向拝柱の木鼻には獅子の彫刻。来光寺は文禄二年(1593年)に創建の伝承。もともとこの周辺に今は存在しない薬師堂があり、そのお世話役として修験者がこの地に堂を建てたのが来光寺の始まりとのこと。そのためか、お寺の境内には檀家の墓所は無く代々祈祷寺であったようだ。今は米神の正寿院が管轄しており、管理は宮下・川端自治会。来光寺も今のままの姿でこれからも残って欲しい建物の一つだ。

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