フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

異邦人

2006-11-24 09:45:21 | Weblog
蒸気機関車が走っている 朝早く起き出して近くの踏切まで見に行った懐かしくて。そしたらやはりそんな仲間がカメラ片手にやってきてたじいさん5人ばぁさん2人みんなカメラ小僧のようにはしゃいでいた アングルポジションをさがしたり危険を顧みずぐっと寄ったりほほえましいというか冷や水だね そんなこと気にしてないけど。蒸気機関車が走り去った後は煙とコークスの匂いがいっぱいだった。コークスの匂いに遠い異国を思った。イスタンブールとか西アジアの見知らぬ国。ターキッシュブルーの空の下賑わう駅に降り立った髪が黒い東洋人を想像した。大きな旅行鞄をかかえてたどたどしい現地語を操りながらアフリカの方まで行くんだなんて話をしている。小さなカップに入ったドロっとしたトルココーヒーを啜って旅の疲れを少しでも取ろうとしてカフェに腰を下ろした男。初めは好奇の目で見られた彼もいつしか雑踏に飲み込まれて町の風景に溶け込んでいく。自分だけが異邦人であると言う思いを抱きつづけて重い足を運ぶ。帽子にケープ、髭も必要かなと遠い異国に思いをはせるフェンネル氏でした。

コメント
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