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水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

愉快なユーモア短編集-36- 昔の子供遊び 10> 落とし

2018年09月28日 00時00分00秒 | #小説

 他にも玩具(おもちゃ)屋で買って遊ぶ駒(こま)回しやメンコ[丸や四角形の絵が描かれた小さな紙]、模型作りの紙ヒコーキなど、いろいろとあるが、切りがないので最後に道具を必要としない10>落としを紹介(しょうかい)して終わりとしたい。例によって、知っているから紹介する必要はないっ! あるいは、まったく興味がないっ! とお思いの方は、気持がいい秋風が戦(そよ)ぐ郊外でも散歩していただいていればいい。^^
 落としは昭和35年頃、お菓子のチューインガムの外包みの紙を利用して遊んだ。たくさん集めて札束のように輪ゴムで括(くく)っては箱に保管し、密(ひそ)かに北叟笑(ほくそえ)んだものだ。この遊びは実に簡単で、10cm~1mくらいの高低差がある場所を選び、上から少し出したガムの紙を人差し指で落とし[ちょうど、崖(がけ)の上から谷へ落とすような感じで]、下に落ちたガムの紙の上へ上手(うま)く乗せられれば下のガムの紙を自分のものに出来るというものだ。取られた紙は返してもらえないから、子供ながらも真剣勝負となる。^^ 私の記憶では、初期はメンコでやっていたが、メンコは買う必要があって高くつくから、後期はガムの包み紙になった・・という記憶がある。
 二人の子供が落としで遊んでいる。
「フフフ…これで今日は、4万の稼(かせ)ぎだっ!」
 と息巻いてはいるが、その実、子供が手にしているのはガムの包み紙が40枚だ。
「チェッ!! 今日は大損だっ!」
「破産かっ?」
「なかなかどうして…。明日、またやろう!」
 夕暮れが迫り、二人の子供は遊びをやめ、家へと帰っていった。
 今の時代のようにバーチャル[仮想]ではなく、安くて実感で楽しめた昔の子供の遊びの数々である。^^

                                 

 ※ 大人の遊びのパチンコも、昔は釘(くぎ)の開きを見て台を選んで打つ、愉快な一発打ちや自動台があり、バ-チャルではなく実感で楽しめたものだ。^^


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