水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

助かるユーモア短編集 (46)病気

2019年08月03日 00時00分00秒 | #小説

 なんといっても人を困らせる究極の妨害行為は病気である。先天性の寿命が後天性の病気によって変化するのは、なんとも嘆(なげ)かわしい事態だから、なんとかしたいっ! とは思うが、お医者でもなく医学の知識も乏(とぼ)しい私では、思うだけでどうしようもない。^^ だから、病気から全世界の人々が開放され、助かることを希(こいねが)うのみ・・などと偉(えら)そうに思う次第である。^^
 二人の男がとある病院の待合室で話し合っている。
「どこかお悪いんで?」
「いや、そうでもないんですが…。そう言われるあなたは?」
「私ですか? ははは…私もそんなところで」
「病気はいやですなっ!」
「そうそう! 特に金欠病!!」
「確かにっ! 実は…それ、なんです」
「ははは…私もですっ! 病気は病気でも金欠病! …余り、大きな声では言えませんが…」
「恋の病(やまい)と金欠病・・これは病院でも治(なお)せんでしょうな」
「確かに…。ただ病気は治せんでしょうが、ここには涼しさがあります」
「ははは…金欠病の者は、ここですか?」
「ははは…その病気は治ります、100%」
「ですなっ!」
 病は気から・・とも言うが、病気にはいろいろとあり、100%助かる病気でない病気もある・・という猛暑の馬鹿馬鹿しいお話である。^^

                                


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする