ベストを尽くすなどと言うが、百年前には遣(つか)わなかった和製英語を混用した言い方である。英語goodの比較級であるbetter、そして最大級のbest、すなわちベストが日本語に馴染んで遣われるようになった・・ということだ。では、いつ頃からか? そんなことは、国語学者の先生方に任せておけばよい話なのだが…。^^ ということで、今日の四方山話(よもやまばなし)はベストにスポットを当ててお話させていただく。勝手に話せばっ! という方もおられようが、そこはそれ、美味しい湯豆腐などを食べながら我慢してお読みいただきたい。売り物ではないので、お金はいりません。^^
新型コロナで行き場を失った、とある二人の男の会話である。
「ベストを尽くしてるのかねぇ~?」
「そりゃ、尽くしてるだろう」
「いや、俺にはより良きベターくらいに映るんだが…」
「グッドの比較級だな?」
「ああ、そう。せめて、ベリーグッドくらいでないとっ!」
「ベターってことかっ!?」
「ああ、そう。ベリーベリーグッドがベストだからなっ!」
「それは、まあそうだが、ベストを尽くせない事情もあるんじゃないか?」
「どんなっ!?」
「ははは…一市民には分からない話さっ!」
「なるほどっ! 俺達ゃ、一市民だからなっ! ははは…」
語り合う二人の前を、木枯らしが『当たり前だろっ!』と嗤(わら)いながら吹き抜けていった。
ベストは一市民には分からない・・という四方山話でした。^^
完