世の中には明暗を分ける様々な出来事がある。これから綴(つづ)る百のお話は、それらの出来事の数々である。古くは虚無僧(こむそう)が明暗と書かれた袋を首からかけ、尺八を吹きながら行脚(あんぎゃ)したという。明暗はその頃から世に問われた世界だが、今の殺伐(さつばつ)とした社会でも問われるのだろう…。と、思いながら、私は草餅を食べるのである。これがないと、明るい祭礼が生じないから暗くなる。^^
二人の男が話している。
「最近は暗いニュースが多いねぇ~」
「だな…。明るい出来事が少ねぇ~からなっ!」
「少ねぇ~なら、多くすりゃいいじゃねぇ~かっ!」
「まっ! そりゃ、そういうことだがなっ!」
「これは理屈じゃねぇ~ぞっ! だろっ!?」
「ああ、まあな…。だから菅(すが)ちゃんが頑張ってんだろっ!?」
「菅ちゃんなぁ~。菅ちゃんは菅ちゃんだけのことはある、さすがだっ! なんて言われて欲しいもんだっ!」
「一に努力、二に努力。三四が無くて、五に努力っ!!」
「三、四がなくちゃ、いけねぇ~だろっ!!」
「ああ、そうそう…」
「三、四が明暗の分かれ道ってとこかっ!?」
「だなっ!」
二人の話は尽きない。
明暗は努力によって分かれるようだ。^^
完