お悔(くや)みを言う場合は確認が必要である。当人が死んでもいないのに勝手に殺してはいけないだろう。^^ 明るく生きておられる方を殺しては、世の中が暗くなる・・というものである。
とある町の喫茶店である。二人の男がコーヒーを飲みながら話をしている。
「コロナで死んだそうだよ、お隣りの爺さんっ!」
「お隣の爺さんって、豚川(ぶたかわ)さんかいっ!?」
「そう! 豚川さんっ!」
「妙だなぁ~。豚川さんなら昨日(きのう)、映画館で見たよ?」
「ええっ!? これからお悔やみに行こうと思ってたんだが…」
「昨日の今日だっ! まあ、急死ってことも、あるにはあるが…」
その二日後である。
「おいっ! お悔やみに行かなくてよかったよっ! お亡くなりになったのは、反対隣の蓋革(ふたかわ)さんだったよっ!」
「ふぅ~~ん、そうなのか…」
話した男は軽く流した。
お悔やみは間違えば先々の明暗を分けるから、十分に確認してからにしましょう。^^
完