落ちつきが足らないと何事によらず不首尾(ふしゅび)となる。
治療法の確立やウイルス治療薬が開発されたことで、久しぶりに満員御礼の垂れ幕が国技館に掛けられている。土俵上は小結、表彰龍と関脇、海老錦の取り組みの真っただ中である。時計係が制限時間一杯を行事に告げる。
「待ったなしっ! 手をついてっ!」
行事が偉(えら)そうに両力士に告げる。
「手をついてっ!!」
そこまで言わなくても…と、両力士は思う。表彰龍はさほどは思わなかったが、海老錦は思い過ぎて落ちつきをなくす。そして、立ち合いとともに軽く表彰龍にいなされ、網打ちで表彰龍に敗れ去った。
風呂場前でのアナウンサーの問いかけに答える海老錦のコメントである。
「落ちつきが足らないとダメっすねぇ~! 網にかかりました…」
海老だけに・・という意味が込められたダジャレだ。^^
落ちつきが足らないと失敗する一例である。^^
完