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水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

世相ユーモア短編集 -23- 日本語

2024年12月14日 00時00分00秒 | #小説

 最近の世相を観れば、日本語の乱れが目につくように思える。会話文の中に和製英語が含まれ、時折り、理解出来なくなる場合も生じている。本人は、さも分かった積もりで話しているのだろうが、聞き手からすれば、外見的には愛想笑いで誤魔化しこそすれ、内心は? なのである。^^
 とあるサッカーの試合がテレビ中継されている。解説席にはアナウンサーとゲスト解説者が長閑にペチャペチャと話をしている。
『かなりプレスが激しいですが…』
『いやぁ~、フィジカル面ではかなりきつい筈(はず)なんですが、そこを個人のテクニックでアゲインストぎみに補ってますからね…』
 このテレビ中継を観ている孫に、今年、卒寿を迎えた曾祖母が声をかけた。
「何ね? ヒジキば油で揚げりゃぁ~お美味しゅうなるかと? そげんして個人の調理で補いよるんかっ?」
「おおばあちゃん、ヒジキじゃなかよ、フィジカルばい」
「そげな? 私ゃ、よう分からんが…」
 孫は曾祖母の顔を見ながら、おおばあちゃんが言いよるヒジキが、僕にゃよう分からんが…とは思ったが、とても口には出せず思うにとどめた。゜
 このお話は一礼ですが、日本語が日本人に理解出来ないのは困りものですよね。^^

                   完


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