朝ボケではない。朝ぼらけである。^^ あんたは朝から何を言ってるんだっ!! とお怒りの方もおられようが、今日のお話は、[朝ぼらけ]なのである。^^ [朝ぼらけ]といえば、百人一首で詠まれた二首の短歌が思い出される。
━ 朝ぼらけ 有明の月と見るまでに 吉野の里に 触れる白雪 ━
━ 朝ぼらけ 宇治の川霧たえだえに 現れ渡る 瀬々(せぜ)の網代木(あじろぎ) ━
の二首である。カルタ大会だと、♪朝ぼらけぇ~~♪ と詠まれただけではどちらの札か分からず、二人の対峙する取り手は手を出せない訳だ。枕詞の次の[あ]か[う]で、サッ!! と瞬間に腕が伸びる訳である。このような分からない現象が政治の世界にも見られる。一時は同じ民主党だったものが立憲と国民という二つの政策集団[議席数により単独では政権を作れない組織]に生まれ変わり、他の政策集団とともに残念ながら政府与党に取って代われない組織となってしまっている訳だ。
とある不正報道が流れた直後の国会の委員会室である。後方席の委員二人が、どうたらこうたら[どうのこうの]と小声で話し合っている。
「朝ぼらけ、だろ…」
「ああ、朝ぼらけだ…。関係ないのに関係者にされちゃ堪(たま)らんっ! 私はもう派閥から手を引くよ…」
「それがいい、それがいい。私は無派閥だからいいが、特捜部に痛くもない腹を探られちゃ、お前も堪(たま)ったもんじゃないだろ。そうしろ…」
「あの店で美味いステーキ食えなくなるのは困る。ははは…」
「ああ、アレだけが俺達の楽しみだからな、ははは…。お前はコレステロールと戦ってんだから大したもんだ…」
「…静粛にっ!!」
委員長に一喝され、二人は子ネズミになり、押し黙った。
善か悪か分からず、[朝ぼらけ]で一括(ひとくく)りにされちゃ嫌ですよね。^^
完