水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

世相ユーモア短編集 -35- 物価

2024年12月26日 00時00分00秒 | #小説

 最近(2024/01現在)の世相を見れば、数年前より物価が高くなったことに気づかされる。政府は低所得者層に対し生活支援金を交付している。私も大層、助かっている訳です。^^
 鳥餅は正月の残り餅を焼いて食べていた。
「これがあるから随分、助かる…」
 鳥餅が助かるとは、食費が助かる・・という意味である。家計の総支出に占める飲食費の割合を示す数値にエンゲル係数というのがあるが、世相は激しくエンゲル係数が高い鳥餅の家計を攻め続けていた。それでも負けまいと、土俵際の徳俵でしぶとく鳥餅は残っていた。その鳥餅に有り難い生活支援金が振り込まれた。年金生活者支援給付金の支給に関する法律に基づき市町村に交付する事務費に関する政令によってである。こんな令はいいな…と思う鳥餅としては、地獄に仏さま・・の気分である。^^
『これで今月は、なんとか…』
 退職後、年金暮らしの慎(つつ)ましい暮らしを続ける鳥餅は、心底そう思った。
 心から助かる…と思えるほど、低所得者の暮らしは辛(つら)い世相になっている訳です。ああ、辛いっ!^^

                   完


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