江戸時代中期の儒学者に滝鶴台(たきかくだい)がいました。
彼の言葉に
「善い事と努力が
人生を創る」があります。
妻の「たけ」はこの言葉を実践していたといいます。
たけがある日、着物の袂(たもと)から紅白の糸で巻かれた鞠(まり)を落としました。
「たけよ、鞠を何のために持っておるのか?」
「あら、お恥ずかしいです。
実は毎日何かの善いことをすれば、白い糸を鞠に巻き、善くないと思う事があれば、赤い糸を巻いております。
最近は白い糸が赤い糸と同じ位になりました。
白い糸をもっと増やしたいのです。」
鶴台は毎日自分の行いを自己採点するたけの
純粋な行いに恐れ入ったという。
この「たけ」には面白いエピソードがあります。
正直いってとても醜い顔したハイミスだったといいます。
彼女が有名な学者になっていた滝鶴台の妻になりたい!
と宣言しました。
封建時代の女性の言葉としては思い切った発言だったので世間が驚いた。
それを伝え聞いた鶴台は、「ああ、それこそわたしが妻にしたい女性だと」結婚を申し込んだという。
内助の功の鏡として語り継がれたといいます。言葉に出せば望みは叶うものです。