今年も多くの本を読んだが、なぜか
以前に読んだ本を又読んだ本が二冊ある。
新渡戸稲造の武士道と井上靖の孔子である。
今年はわが子を放置し死に至らしめる
悲しい事件を代表とし、無差別殺人、
や親子間の悲しい事件が多く、
家族の絆が失われた事件が多くあり、
又、高齢者の所在不明事件は家族制度の
崩壊そのものである。
かってわが国には武士道という伝統精神が
あった、
今から約100年前に新渡戸稲造は、日本の
精神文化を国際社会にむけ、英文で書いたのが
この本である。
井上靖の孔子は今から2500年前の
中国の春秋時代の戦乱の中での亡命と放浪の
中での孔子の思想がいかにして、生まれてきたかを
物語として書いている、
両者とも仁は相手を思う慈悲の心であると
云う。
新渡戸稲造は礼の最高の形態は愛であるといい
礼は寛容にして慈悲深く、人を憎まず、
自慢せず、高ぶらず、相手を不愉快にさせない
ばかりか、自己の利益を求めず,いき憤らず、恨みを
抱かない。
仁の心があれば、おのずと徳が備わる
又、日本人の礼儀のよさは、礼であるといっている。
今日本人のアイデンテイテイが失われている
ように思う。
今一度日本人の倫理観と道徳観を見直すべき
であると思う。