塩野七生著 ローマ人の物語シリーズ ローマは
一日にして成らず~賢帝の世紀まで全26巻を
読み終える。
1千余年続いたローマ帝国の歴史がよく解り
興味深く読むことができた。
なぜローマ帝国が1千年も続いたのか
それはローマ人が誰よりも先に、そして誰よりも
強く法の必要性に目覚めて、1千年前に現代の
法律の原点であるローマ法を完成させたことが
長くローマ市民に安全と食の保障を与えたことに
尽きるように思う。
著者は古代の人間の行動原則の正し手を
ユダヤ人は宗教に求め
ギリシャ人は哲学に求め
ローマ人は法に求めた と言う。
宗教はそれを共有しない人との間では効力を
発揮しないが、法は人種や文化、価値観を
共有しない人との間でも効力を発揮できる。
ギリシャ人は倫理道徳の正し手を神に求めず
哲学に求めた。
現代の中東紛争や民族紛争をみていると
古代ローマ人の哲学や法の精神が失われて
しまたかのようである。
全人類の安全と食の保障はいつになったら
実現するのか?
人間はこの地球上では平和はこないのか?
巨大な人工衛星が第二の地球となる日が
来るのかも知れない。
窓辺に梅雨の足音を聞きながらせめて
及ばぬ夢を