つまがリズム

きままな、ひとりごと

バナナと日本人 を読んでメモ

2024年07月19日 | 読書感想
2024年7月19日㈮

バナナと日本人
 ~フィリピン農園と食卓のあいだ~
 鶴見良行 著
 ㈱岩波書店 発行
 1982年8月20日 第1刷発行
 を、読んでメモ



私がフィリピン産バナナを食べるまでにかかわった人
 ①もともとの先住民バゴボ族ら(土地を奪われた)
 ②もともとの先住民を追い出して地主になった人(入植したクリスチャン・フィリピーノら)
 ③デルモンテなどの多国籍企業
    多国籍企業は、②の地主から土地を借りてバナナ農園を展開した。
      A)多国籍企業は土地を借りて、多国籍企業が農園経営する形態
         ⇒安い賃金で働かせ、労働者を借金づけにした
      B) 地主がバナナ農園を経営して、多国籍企業に出荷する形態
         ⇒地主(契約農家)は、化学肥料や農薬をセットで買わされて、
          また、商品としてのバナナの買取価格も多国籍企業の事実上の言いなりになった。
          地主(契約農家)は借金づけになり、不利な状況でバナナ栽培を続けるしかなくなった。
          地主(契約農家)に雇われている労働者は、さらに厳しい状況。
          その状況に耐えかねて、逃げ出すものもいるが帰る故郷がなければスラムの住人となるしかない。
 ④日本での関係者
    輸入元 ⇒ 問屋集団 ⇒加工・配荷業者 ⇒小売業者 ⇒消費者

□弱い人から搾取する手段は、多国籍企業は容赦ないというイメージ。
□ミンダナオ島がバナナ農園になる前(戦前)は、日本人が先住民から不法に土地を取り上げ、
 麻農園を行っていたものもいた。そのため、住民との関係性は悪く、時折、日本人が殺害される事件もあった。
 そのようなことがあっても、日本人社会では、事を大きくすることなく、皆で「気をつけよう」と
 いい合うにとどめた。
□多国籍企業も、日本人入植者も、弱いものから搾取する構図は同じ。
 しかし、その搾取の程度は、あきらかに違うと思った。

    


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