2024年12月29日(日)
血液の闇
船瀬俊介・内海聡 著
2014年8月6日 初版発行
㈱三五館 発行
を、読んでメモ
① 昭和天皇
(公表された症状)
様態が悪化してから、下血⇒輸血⇒下血⇒輸血・・・
輸血には屈強な自衛隊員の血液が使われ、その総量は31,000㏄に及んだ。
死因は、当初は十二指腸乳頭周囲腫瘍と発表されたがその後、心筋梗塞と改めらえた。
(本当の死因は何か、推測)
輸血された血液に拒否反応をおこした一種のショック症状(※)ではないか
※「移植片対宿症状(GVHD)」
→輸血した血液中のリンパ球が増殖して、患者のリンパ球や細胞内皮系(免疫細胞)をしたときに起こる症状。
発症すると100%助からない。
『輸血するほど出血する』・『治療法はない』・『1月以内に死亡』
→別人のリンパ球は、たいてい異物として排除される。
しかし、患者のリンパ球と似た血球型の血液(親族など)が輸血された場合や免疫が結わっている場合、
リンパ球は排除されずに生き残り、患者の体のあちこちを攻撃する。
②エホバの証人輸血拒否事件
(状況)
A君が自電車でガードレールとダンプカーの間を抜ける際に転倒したところをダンプカーにひかれる。運ばれた病院では当初、意識もはっきりしていて受け答えもできた。また出血量は500㏄と推定され、一刻も早い輸血が必要と判断された。
しかし、父親が宗教上の理由で輸血を拒否。父親の説得を試みているうちにA君の意識がもうろうとしはじめ人工呼吸用チューブが取り付けられもA君は死亡した。
(鑑定結果)
事故そのものによるケガが大きくて、挫滅症候群(クラッシュシンドローム)を起こしていた。それが急性腎不全の併発につながり死因となった。
(一つの考え方)
「説得」に4時間もかけ、手術に踏み切らなかったことが腎機能などの臓器を悪化させ、血圧が低下し、事故から5時間後の死亡につながった可能性が高い。無輸血手術の可能性もあったのではないか。
実際、このとき、エホバの証人の父親は、海外の最先端治療ガイドラインや考え方にも通じる「無輸血で手術してほしい」という決意書をだしていた。これは結果的に救命にもっとも正しい方針を主張したわけだが、医師たちは無知ゆえにそれを受け入れることができなかった。当時の治療ガイドラインでは、どんなときでも輸血ありのものだったが、500㏄の出血は現代のガイドラインでは輸血にはならない。
(この事件の意義)
「無輸血手術」をする医師が出てきた
③ 悪さをするリンパ球を除去する方法
(以 前)リンパ球除去フィルター
(H10年以降)放射線照射を義務づけ
・輸血に対して照射されている放射線量は15グレイ~50グレイ
・ちなみに米国では24グレイ
・実際、放射線線量が5グレイ以上になるとリンパ球の反応増殖性がなくなるという研究報告があり、
その報告に基づいて放射線照射は行われている。また、照射後1週間以上経過すると赤血球が壊れる事が指摘されている。
(放射線照射することの考えられる弊害)
JOC臨界事故で亡くなった大内さん(推定16~20シーベルト=16~20グレイ)は、
骨髄細胞の染色体が黒くバラバラに散らばっていた。
つまり、生命の設計図がなくなり今後新しい細胞が作られないことを意味していた。
ここから推測すると、これよりはるかに高い放射線照射を受けた血液や血液製剤を体に入れることにより、
それらは1週間ほど経ってバラけて死んでいく。その死骸は他人の血液等の異物であり人体で様々な悪さをする。
各組織や腎臓や肺胞などの抹消血管を詰まらせるリスクもある。
④ 輸血が体に悪いなら、それに代わるものはないのか
(A)リンゲル液
(B)海水
リンゲル液よりも海水の方が効果が高い。しかし、海水は汚染の問題がある。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
以下、(A)と(B)の説明
シドニー・リンガー
(今まで)実験で動物の心臓を、生理食塩水に浸していた。
→やがて心室の収縮は弱まりいずれ止まる
(偶 然)水道水に浸したら、心臓は4時間以上も動いていた。
この水道水には様々な天然イオンが含まれていて、それに0.75%の塩を加えたものだった。
リンガーは、イオンの割合などの研究を行った後に1882年、リンゲル液を発明する。
『カルシウムとカリウムが正しい割合で存在することで心室の収縮がはじめて正確に維持でき、
しかもカルシウムが少なすぎたり、カリウムが多すぎると収縮は不規則で弱まり、
更にカリウムを増やしすぎると心臓は止まってしまう』
カントンの犬(仏の生物学者、ルネ・カントン)
1904年 「有機体の環境としての海水」
(第1の実験)
体重5キロの犬の血液の一部を抜き取り、血液の濃度と同じミネラル濃度に薄めて調整した同量の海水を血管に注入。実験の時間は90分。注入した海水は3.5ℓに達し、犬はグッタリとし、体温は下がり、腎臓の排泄機能も弱まった。
しかし、すぐに体温が上がりはじめ生理作用は復活した。5日後には、犬はすっかり回復し、元気に尻尾をふり体重も元に戻った。実験前より生き生きとして活発になった。
(第2の実験)
体重10キロの犬の大腿静脈から425g(体重の約1/20)の瀉血を4分にわたって実施。犬は角膜反応が消滅。もはや血を抜き取るのが不可能な状態となり、海水の注入を開始。11分間に海水532㏄
を注入。角膜反応を再び確認。
注入後に犬を休ませたが、「呼吸は極めて短く、荒い」しかし、5日を過ぎるころから急速に回復。8日目、「元気あふれる様子をみせる。旺盛な活力は、引き続き数日にわたり確認された」この犬は5年後にバスにはねられて死んだ。
→証明されたこと
① 急速な活力回復 ②赤血球の急速再生 ③白血球の増加 ④感染に対する抵抗
(第3の実験)
【目的】白血球(極めて繊細な細胞)が海水中で生きることの証明
【使われた白血球】①哺乳類(犬・ウサギ) ②両生類(カエル) ③爬虫類(トカゲ) ④魚類(ドクターフィッシュ)
カントンは、血液を各動物から採取し、それを海水で希釈して、白血球の動向を顕微鏡で注視したところ、白血球は、血中と同じように自然にふるまっていた。
血液の闇
船瀬俊介・内海聡 著
2014年8月6日 初版発行
㈱三五館 発行
を、読んでメモ
① 昭和天皇
(公表された症状)
様態が悪化してから、下血⇒輸血⇒下血⇒輸血・・・
輸血には屈強な自衛隊員の血液が使われ、その総量は31,000㏄に及んだ。
死因は、当初は十二指腸乳頭周囲腫瘍と発表されたがその後、心筋梗塞と改めらえた。
(本当の死因は何か、推測)
輸血された血液に拒否反応をおこした一種のショック症状(※)ではないか
※「移植片対宿症状(GVHD)」
→輸血した血液中のリンパ球が増殖して、患者のリンパ球や細胞内皮系(免疫細胞)をしたときに起こる症状。
発症すると100%助からない。
『輸血するほど出血する』・『治療法はない』・『1月以内に死亡』
→別人のリンパ球は、たいてい異物として排除される。
しかし、患者のリンパ球と似た血球型の血液(親族など)が輸血された場合や免疫が結わっている場合、
リンパ球は排除されずに生き残り、患者の体のあちこちを攻撃する。
②エホバの証人輸血拒否事件
(状況)
A君が自電車でガードレールとダンプカーの間を抜ける際に転倒したところをダンプカーにひかれる。運ばれた病院では当初、意識もはっきりしていて受け答えもできた。また出血量は500㏄と推定され、一刻も早い輸血が必要と判断された。
しかし、父親が宗教上の理由で輸血を拒否。父親の説得を試みているうちにA君の意識がもうろうとしはじめ人工呼吸用チューブが取り付けられもA君は死亡した。
(鑑定結果)
事故そのものによるケガが大きくて、挫滅症候群(クラッシュシンドローム)を起こしていた。それが急性腎不全の併発につながり死因となった。
(一つの考え方)
「説得」に4時間もかけ、手術に踏み切らなかったことが腎機能などの臓器を悪化させ、血圧が低下し、事故から5時間後の死亡につながった可能性が高い。無輸血手術の可能性もあったのではないか。
実際、このとき、エホバの証人の父親は、海外の最先端治療ガイドラインや考え方にも通じる「無輸血で手術してほしい」という決意書をだしていた。これは結果的に救命にもっとも正しい方針を主張したわけだが、医師たちは無知ゆえにそれを受け入れることができなかった。当時の治療ガイドラインでは、どんなときでも輸血ありのものだったが、500㏄の出血は現代のガイドラインでは輸血にはならない。
(この事件の意義)
「無輸血手術」をする医師が出てきた
③ 悪さをするリンパ球を除去する方法
(以 前)リンパ球除去フィルター
(H10年以降)放射線照射を義務づけ
・輸血に対して照射されている放射線量は15グレイ~50グレイ
・ちなみに米国では24グレイ
・実際、放射線線量が5グレイ以上になるとリンパ球の反応増殖性がなくなるという研究報告があり、
その報告に基づいて放射線照射は行われている。また、照射後1週間以上経過すると赤血球が壊れる事が指摘されている。
(放射線照射することの考えられる弊害)
JOC臨界事故で亡くなった大内さん(推定16~20シーベルト=16~20グレイ)は、
骨髄細胞の染色体が黒くバラバラに散らばっていた。
つまり、生命の設計図がなくなり今後新しい細胞が作られないことを意味していた。
ここから推測すると、これよりはるかに高い放射線照射を受けた血液や血液製剤を体に入れることにより、
それらは1週間ほど経ってバラけて死んでいく。その死骸は他人の血液等の異物であり人体で様々な悪さをする。
各組織や腎臓や肺胞などの抹消血管を詰まらせるリスクもある。
④ 輸血が体に悪いなら、それに代わるものはないのか
(A)リンゲル液
(B)海水
リンゲル液よりも海水の方が効果が高い。しかし、海水は汚染の問題がある。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
以下、(A)と(B)の説明
シドニー・リンガー
(今まで)実験で動物の心臓を、生理食塩水に浸していた。
→やがて心室の収縮は弱まりいずれ止まる
(偶 然)水道水に浸したら、心臓は4時間以上も動いていた。
この水道水には様々な天然イオンが含まれていて、それに0.75%の塩を加えたものだった。
リンガーは、イオンの割合などの研究を行った後に1882年、リンゲル液を発明する。
『カルシウムとカリウムが正しい割合で存在することで心室の収縮がはじめて正確に維持でき、
しかもカルシウムが少なすぎたり、カリウムが多すぎると収縮は不規則で弱まり、
更にカリウムを増やしすぎると心臓は止まってしまう』
カントンの犬(仏の生物学者、ルネ・カントン)
1904年 「有機体の環境としての海水」
(第1の実験)
体重5キロの犬の血液の一部を抜き取り、血液の濃度と同じミネラル濃度に薄めて調整した同量の海水を血管に注入。実験の時間は90分。注入した海水は3.5ℓに達し、犬はグッタリとし、体温は下がり、腎臓の排泄機能も弱まった。
しかし、すぐに体温が上がりはじめ生理作用は復活した。5日後には、犬はすっかり回復し、元気に尻尾をふり体重も元に戻った。実験前より生き生きとして活発になった。
(第2の実験)
体重10キロの犬の大腿静脈から425g(体重の約1/20)の瀉血を4分にわたって実施。犬は角膜反応が消滅。もはや血を抜き取るのが不可能な状態となり、海水の注入を開始。11分間に海水532㏄
を注入。角膜反応を再び確認。
注入後に犬を休ませたが、「呼吸は極めて短く、荒い」しかし、5日を過ぎるころから急速に回復。8日目、「元気あふれる様子をみせる。旺盛な活力は、引き続き数日にわたり確認された」この犬は5年後にバスにはねられて死んだ。
→証明されたこと
① 急速な活力回復 ②赤血球の急速再生 ③白血球の増加 ④感染に対する抵抗
(第3の実験)
【目的】白血球(極めて繊細な細胞)が海水中で生きることの証明
【使われた白血球】①哺乳類(犬・ウサギ) ②両生類(カエル) ③爬虫類(トカゲ) ④魚類(ドクターフィッシュ)
カントンは、血液を各動物から採取し、それを海水で希釈して、白血球の動向を顕微鏡で注視したところ、白血球は、血中と同じように自然にふるまっていた。