平成25年2月25日
仕事退職して暇を持て余していた父、糖尿病も患っていて、やる気をなくしていた。
新聞を読んでいたが、「この会社に面接受けに行ってくる」と。 私も運転手役でついていくことに。
その会社は自宅兼会社のたたずまいで、玄関はうす暗かった。あいさつすると、社長さんが出てきて応接間に通された。
中型の室内犬が父にまとわるついて離れない。それをみていた社長さんは、床にねっ転がって足で犬をはさみ、一回転して犬を部屋の外に投げ出した。
瞬時にシャレをかます父。
一同大笑い。 父の就職が決まった。
社長さんは、「作業服をもってくるから待ってて」と言い残し、道路の向こう側のパチンコ店に入るとすぐに紙袋を持って帰ってきた。
紙袋の中の作業服は、中国服だったが、あまりにも父にピッタリだったので、みんな満足した。
こうして父は謎の会社に勤めることになったのだった。
亡くなって2年半。
会いに来てくれたのだろうか。