2013年のラスト観劇は金剛能楽堂。
今年3度目の金剛さんでの公演は茂山家の毎年この時期に行われている「HANAGATA」。
これまでは古典狂言ではなくて狂言の手法を使ったお芝居っぽいものが多かったのですが、今年は古典。
狂言師の修行は「猿に始まり狐に終わる」とよく言われますが、その過程を昼夜公演で上演する企画でした。
昼夜2回を通しで観るとすべてが観られるんですが時間的に夜を観るのは無理だったのでお昼だけに行きました。
お昼は「靱猿」「口真似」「那須語」「蝸牛」の4曲。
これだけでもかなり豪華。
私的には「那須語」が出るのが凄く嬉しい。
この曲、普段はほとんど出会えない。多分、生で観るのは2、3回目ぐらい。
まあ、狂言師というよりは能楽師としての部分なので、演能をあまり観ないから仕方がないですけどね。
さて、この日の舞台。
「靱猿」。この曲は長めの上演時間なのですが、良くまとまっていて何度観ても楽しめるし、猿と猿曳きの関係がほほえましい。
今回は宗彦さんと茂さんが猿曳きと大名をされたのですが、宗彦さんの猿曳きがしっくりとはまっていたが意外というか時の流れを感じました。
2曲目の「口真似」。
この曲は若い人で見る事が多い印象なのですが、今回はHANAGATAの中の最年長者の正邦さんが太郎冠者をされたのでこれまでの「口真似」とはどこか違う落ち着いた中の笑いという感じでした。
そして私にとってのメイン。「那須語」。
逸平さんの語りだったのですが、あっという間に終わってしまって、那須語ってこんなに短かった?と思ったほど。
声の通りも良くて抑揚もメリハリがあって気持ち良かったです。
ラストは「蝸牛」。
これは何度観ても笑える狂言。
何しろ、カタツムリを知らないなんて普通じゃ考えられないですから。
そんな不思議な設定も笑いで包んでしまうのが狂言という所でしょうか。
2013年の観劇納めは気持ち良い笑いの中でした。
やっぱり狂言楽しい。
名古屋の能楽堂には今年1度しか行けてないのに金剛さんには3度もお邪魔しました。
でも、実は今回の狂言会。同じ時期に大阪で観てみたいミュージカルがあってどうしようかとかなり迷いました。
演目によっては見送ろうかなとも思ったのですが、決め手は「那須語」。
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これが出るなら絶対にこちらだなと思いました。
どっちにしようかなと天秤にかけたりしてるとそれを知ってるかのような場面に出くわす事がよくあるのですが、今回もそんな感じでしたね。
来年の観劇はどんな感じになるのかな。でも、又、名古屋には観たい作品は来ないんだろうな。