普段、映画館で映画を見ることはあまりないんですが、「のぼうの城」に行ってきました。
映画にしては長い(多分
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)2時間半ぐらいの上映でしたが、本当にあっという間という感じでかなり面白かったです。
この物語が、フィクションでなく史実に基づいているというのもとても興味深かった。
小説は読んでいたので流れや登場人物の特徴がわかっているのも好印象に繋がったのかもしれないですが、役者さんひとりひとりが無理なく演じておられるのが良かったと感じました。
小説を読んだイメージと重なる丹波役の佐藤浩市さん、和泉役の山口智充さん、靭負役の成宮寛貴さんはもちろんですが、個人的にはご本人のイメージとは違うのではと思っていた長親役の野村萬斎さんや三成役の上地雄輔さんも見事に人物像を描き出しておられて違和感がありませんでした。
少ない出番ながら大谷吉継役の山田孝之さんも印象的でしたし・・・。
こんな感じでどの役者さんも素晴らしかったのですが、私が一番印象に残ったのは丹波役の佐藤さん。
監督の犬童さんがフィルムの編集をしている時に佐藤さんの泳ぐ目が印象的だったと何かで話しておられたのですが、騎乗姿の美しさ、恰好良さとは反対に、長親の発言に翻弄される表情がその目には表れていたように感じました。
そこには男の友情があり、少しの嫉妬もあったりする、そんな印象でした。
印象に残っているシーンはやはり、野村萬斎さん演じる長親の田楽踊りの場面。
さすがの身体能力と技術のある踊りで、どんどん人を引き込んでゆく。
監督のお2人が、のうぼが萬斎さんで良かった、萬斎さんでなければ表現できないシーンだったと口を揃えておっしゃるのが体感できる場面でした。
このシーン、水に浮かべた舟の上で実際に踊って撮影されたのですが、この舟は固定されているとか、誰かが下で支えているとかはしていないとの事なので、よほどバランス感覚が良い方でないと出来ないと思います。
実際、支えましょうかと監督さんは言われたのだそうですが(衣装が一着しかないので
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)、萬斎さんは大丈夫ですと言われたそうです。
振付もすべて萬斎さんが考えられたもので、野村家の狂言師の方々も協力されていたようで、エンドロールにお名前が見えました。
そして、ラストに三成と長親が対話する場面も、心が通じ合っているようで清々しい。
2人の笑顔が素敵でした。
戦いは悲惨で、忍城の人たちは皆、バラバラになってしまうのだけど、その行く手はどこか明るさを感じるそんな映画でした。
余談ですが、豊臣軍との戦いが始まり、軍師の報告を受ける長親の場面は映画のために作られたシーンだったそうで、脚本の和田さんは神妙に報告を聞く場面を想定して書かれたのだそうですが、出来上がったシーンをご覧になり、萬斎さんの演技に驚きながらも、素晴らしいとTVでおっしゃっておられました。