昨日の夜はスージー・ベッカー著、谷川俊太郎翻訳の絵本『大事なことはみーんな猫に教わった』を読んだ後に、、幸村 誠の漫画『ヴィンランド・サガ』の第20巻を読んでいました。
北海最強の戦闘集団ヨーム戦士団は、空白となった団長の座を巡り二つの勢力が争っていた。
ヨーム戦士団の4人の大隊長の一人で「ヨームの戦鬼」と呼ばれたトールズ・スノーレソンとヨーム戦士団の首領シグヴァルディの娘であるヘルガとの間に生まれたトルフィンも、有力な団長候補。
ヨーム戦士団の幹部であるフローキと反フローキ派であるヴァグンはそれぞれにトルフィンの意思に関わりなくトルフィンを利用しようとし或いは旗頭にしようとしていた。
その動きはデンマーク王国のクヌート王の思惑も絡んでいた。
フローキの要請でヴァグン討伐に赴いていたトルケルは、ヴァグンが潜入していたヨーム戦士団のガルムに殺されたことを知って獲物を横取りされたことに激怒し、ヴァグン大隊を取り込んでフローキ打倒を目指す。
エイナルとグズリーズとレイフはガルムに捕らわれてフローキの陣営に連れていかれた。
そのことを知ったトルフィンは……。
『ヴィンランド・サーガ』の最新刊です。
争いがなぜ無くならないのか戦争がなぜ無くならないのかを描きつつ、復讐の連鎖や争いを無くすことについて描いています。
人間の負の部分・恨みや嫉妬や欲望や破壊衝動を明け透けに描いて無くならないとし、理想や誤解から戦争になることも描いて、それでもそこからどのように脱出するかその困難さを描いています。
このお話はヴァイキングの北米大陸の入植の歴史からどのような終結を迎えるのかある程度は分かるのですが、どのようにそこに向かっていくのか楽しみです。
不戦を望み不殺を誓うトルフィンなのだけれども、「そんなことは知ったことではないよ」と殺し合いを望む者達が現れてトルフィンは戦争に巻き込まれていきます。
話し合いをする気がない人達もいます。
そして過去や血筋は無視できない。否、他者が無視しない。
話しても躱しても逃げても殺し合いを望む者達は追いかけてきます。
不戦を誓っても「そんなことは知らんもんね」と殺し合いを望む者は存在していて、そのような者にどのように対峙するのか?
何も決断しなければ自分が或いは親しい者が死ぬことになる……。
今巻も面白かったですよ。
次巻が楽しみです。