狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

遅れ咲きの茎に輝けるただ一輪、千紫万紅を償いて余れり。

2020年04月06日 23時37分03秒 | VSの日記
 本日4月25日は、アテネがスパルタに降伏してペロポネソス戦争が終結した日で、暗殺されそうになった所を脱出したローマ教皇レオ3世がフランク王カール1世に保護を求めた日で、壇ノ浦の戦いで平氏一門が滅亡した日で、征夷大将軍を辞した徳川家康が駿府城に移り住んだ日で、李自成が率いる叛乱軍が北京を占領して明が滅亡した日で、フランスのモンゴルフィエ兄弟が熱気球の実験に成功した日で、ジョゼフ・ギヨタンの提案により「単なる機械装置の作用(ギロチン)」による死刑の執行がフランス国民議会で採択された日で、廷臣八十八卿列参事件が起こった日で、連合国50か国代表が参加するサンフランシスコ会議が始まった日で、イタリア社会共和国が崩壊した日で、『ネイチャー』誌にフランシス・クリックとジェームズ・ワトソンのDNAの二重らせん構造を発表する論文が掲載された日で、ポルトガルで国軍運動が軍事クーデターを起こして市内の要所を占拠してエスタド・ノヴォが終焉した日で、一億円拾得事件があった日で、日本政府が日本オリンピック委員会にモスクワオリンピックに参加しないよう通告した日で、イスラエル下級裁が元ナチス・ドイツ強制収容所の看守ジョン・デミャニュクに収容所で残虐行為をしていたとして死刑判決を出した日で、竹下登内閣総理大臣がリクルート事件よる政治不信の責任を取って予算成立後の辞任を表明した日で、細川護煕内閣が在任260日で総辞職した日で、兵庫県尼崎市の福知山線で脱線事故が発生した日です。

 本日も倉敷は晴れていましたよ。
 最高気温は十五度。最低気温は四度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。







 狐はやつとのことで十階の床を踏んで汗を払つた。
 其処の天井は途方もなく高かつた。
 全體その天井や壁が灰色の陰影だけで出來てゐるのか、冷たい漆喰で固めあげられてゐるのか分からなかつた。
 さうだ。この巨きな室に先輩はいるのだ。
 狐は一寸胸の何処かが熱くなつたか熔けたかのやうな氣がした。

 高さ二丈ばかりの大きな扉が半分開いてゐた。
 狐はするりと入って行つた。
 室の中はがらんとして冷たく、背の高い先輩が手を額に翳してそこの巨きな窓から西の空をぢつと眺めてゐた。
 先輩は灰色の外套をまとってゐた。
 そしてぢつと動かなかつた。
 窓の向ふにはくしやくしやに縮れた雲が痛々しく白く光つてゐた。
 先輩が俄かに冷たい透き通つた聲で呟いた。


  私は薔薇の定めに生まれた
  華やかに激しく生きろと生まれた
  薔薇は薔薇は気高く咲いて
  薔薇は薔薇は美しく散る


 狐は空の向ふにある氷河の棒を思つてゐた。
 先輩は又ぢつと額に手を翳したまま動かなかった。
 狐は堪へかねて一足そつちへ進んで言った。
 「又何かやらかして落ち込んでいるのですね。話は聞きますよ? こんな所で黄昏ていないで降りませう」

 先輩は振り向いて冷ややかに笑つて云つた。「お肉食べたい……」





 其の夜。
 狐と先輩は牛の肉を供するお店に行つて鱈腹牛の肉を食らつた。
 狐と先輩は一切言葉を交わすことなく只管に牛の肉を食らつた。
 旨い肉を食すと、其れだけで幸せになれるし悩みもなくなるのだ。



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『アンドロメダ・ストーリーズ』/原作・光瀬龍 作画・竹宮惠子

2020年04月06日 23時24分32秒 | 漫画・ゲームに関する日記
 昨日の夜は、原作・光瀬龍 作画・竹宮惠子の漫画『アンドロメダ・ストーリーズ』を読み返していました。

 舞台は、アンドロメダ星雲の片隅に位置する惑星アストゥリアス。
 コスモラリア王家の皇太子イタカは王に即位してアストラルタ3世となる。
 即位と同時にアヨドーヤ王家のリリア姫と結婚式を挙げた。
 コスモラリア王家とアヨドーヤ王家という大国の王家の婚姻は大国の結びつきに繋がりより強固な平和が訪れると多くの人達が喜び祝った。

 数日後。惑星アストゥリアスに流星が降る。
 無数の蝙蝠がコスモラリア王家の王宮内に入り込む。
 王宮内で働く人達は知らぬ間に不審な言動を見せるようになる。
 聡明で気性の良かったイタカ王も残虐で残忍な行動をするようになり、嫁いだばかりのリリア王妃は不安を覚える。

 王宮は自立機械を生む工場に密かに変貌していた。
 機械の蜘蛛がコスモラリアの大臣達の体に入って大臣達の心身を支配していく……。

 やがてリリア王妃は妊娠して出産する。
 生まれたのは不吉だとされる双子だった。
 その為、双子の1人は密かに剣闘士のバルガに託された。
 バルガは赤ん坊を娼婦に預ける。

 機械に支配されたイタカ王は都を機械都市へと変え、国中が荒れていった。
 アヨドーヤ王家は、コスモラリアが変質してコスモラリアの国が荒れているという情報に神経を尖らせていた。
 アヨドーヤの王子であるミランは妹であるリリア王妃を案じてコスモラリアに出向く。
 そこへ機械達がミラン一行に襲い掛かりミランは窮地に陥る。
 リリア王妃とリリアの息子である王子ジムサと合流し、謎の女剣士の助けもあって一旦逃げ延びたミラン一行は船で脱出を図る……。
 のだけれども……。

 SF漫画であります。





 このお話は非常にゆっくりと丁寧に始まるのです。
 中盤まではじっくりと細かく描写がなされてお話を広げていくのです。
 しかし、終盤に入ると一気に駆け足で収束していくのです。
 おそらくは中盤の部分までが本来ならば最序盤のつもりでお話を作っていたのでしょう。
 最初の構成ではもっともっと長大なお話として考えられていたのでしょう。
 終盤で駆け足で物語を畳んでいるのは何か大人の事情があったのだろうと推察できます。
 スケールの大きなお話なので、きちんとお話を作ってほしかったのです。
 東洋風でもなく西洋風でもない不思議な不思議な雰囲気のある世界観。
 長大な時間の不思議さを想起させるラスト。
 スケールの大きなドラマ性とテーマ性があり。
 それだけに終盤の駆け足で物語が収束してしまったのは残念。
 しかし大人の事情があったのならば是非も無し。

 面白いですよ。
 お勧めであります。



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「分散化」とは、問題に関わるあらゆる者を能力と自主性に基づいて意思決定に参加させることを意味する。

2020年04月06日 19時30分17秒 | その他の日記
 「憲法を守れ」と主張していた人達が「根回しをせずに超法規処置でも構わないから独断即決しろ」と述べはじめた。
 我が国は法治国家なので法との整合性が必要。
 独断で即決しても実務面での全く打ち合わせがないと即決してもシステムが全く動かない。
 何をするにしても準備が必要なわけですよ。
 そして我が国は非常時であっても国家の権限が著しく小さいのです。
 非常事態宣言も地方自治体や各部署との打ち合わせ無しで勝手に出すわけにはいきません。
 そんなことをすれば混乱が起こるだけです。
 日本という国家のシステムは独裁体制が生まれないよう混乱時でも手続きが正式に行われないと動かないようになっているのです。
 いわゆる左派勢力の努力の結晶が結実していると述べてもよいはずです。
 日本は戦争を行うことは出来ませんよ。
 総力戦を行うことが出来ないシステムになっているのですから。
 徹底して権力は分散されているシステムになっているのです。
 これは良いことではないですか。誇るべきことですよ? 
 そして我が国は元々古くから権力が分散するシステムを採用してきたので、権力が分散した状態で力を発揮することは可能です。
 権力が分散したシステムには短所はあるけど長所もあるのです。
 その強みを生かすべきです。

 怖いのは本物の有事の際につまり他国から日本が攻められるという形で戦争が始まった際に、憲法改正による私権の制限に反対してきた人達はどのような発言をするのだろうか? ということ。
 今回、憲法改正による私権の制限に反対してきた人達の中で私権の制限に賛成に回った人達は、本物の戦争が起こった際に何を言い出すのだろう? 
 その程度でしか考えを練ってこなかった人達は何を言い出すのだろう? 

 我が国は民主主義国家なので世論で政治が動いてしまう。
 正確な情報に触れることなく(正確な情報は簡単に見つかる場所にあるにもかかわらず)現場の人間の意見を無視して恐怖心に駆られた人達がパニックに陥ったまま声高に叫ぶことで生まれる世論で政治が動く。
 今回、今迄述べていたことと真逆のことを述べている人は、さらに過酷な有事の際は何を言い出すか分からない。
 戦前の世論もこのようにして形成されていったのかもしれない……。

 現場の人達は一般の人に対してすごく早い段階で要望を出しています。
 しかし恐怖心に駆られた人達が現場の人達の要望を尽く無視していく……。
 それが今の状況だと言えるでしょう。

 それでも現場の人達は懸命に頑張っています。
 不安なのはわかりますが、まずは彼等彼女等に敬意を示しましょう。
 そしてエールを送りましょう。
 彼等彼女等こそが今の状況を支えているのです。
 そしてできるならば彼等彼女等の負担を出来るだけ軽減させていきましょう! 
 医療体制の組み替え作業は急ピッチで進んでいます。
 私達の社会は信頼できる社会です。
 私達一般人がやるべきことはもう既に遥か以前から提示されています。
 現場の人達の声はほぼ一致しています。
 私達はやるべきことをきちんとやればよいのですよ。


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右手が駄目になったら左手を使え。手が駄目になったら右足を使え。右足が駄目になったら左足を使え。それが駄目になったら頭を使えよ。それでも駄目だったら呪ってでも倒せ。それが極真だよ!

2020年04月06日 16時29分23秒 | VSの日記
今は昔。
魔殺しの異名を持つ娘あり。
大富豪の娘也。
形ち美麗なる事、殊に比する者無し。 
而るに、此の娘、常に憂いを煩ひ給ければ、屋敷に籠り臥せにけり。
憂い病に様々の御祈祷有けり。
世の験し有る聖者をば召し集て、験者修法有ども、其の中に露の験し無し。 
而る間。或る山の頂に、一人の貴き聖人住けり。
年来、此の所に行て、鉢を飛して食を継ぎ、瓶を遣て水を汲む。
此の如く行ひ居たる程に、験並無し。 
然れば、其の聞え高く成にければ、娘の親、此の由を聞食して、「彼れを召して、此の御病を祈らしめむ」と思食して、召すべき由、仰下されぬ。
使、聖人の許に行き、此の由を仰するに、聖人、度度辞び申すと云へども遂に参ぬ。 
御前に召て、加持を参するに、其の験し新たにして、娘の一人の侍女、忽に狂て、哭き嘲る。
侍女、神託て走り叫ぶ。
聖人、弥よ此れを加持するに、女、縛られて打ち責めらるる間、女の懐の中より一の妖魔出て転て倒れ臥て走り行事能からす。
其の時に、聖、人を以て妖魔を繋がしめて此れを教ふ。
娘の母、此れを見て喜給ふ事限無し。
娘の病、一両日の間に止給ひぬ。 
娘の父、此れを喜給て、聖人暫く候ふべき由を仰せ給へば、仰に随て暫く候ふ。
夏の事にて、娘、御単衣許を着給て御ける。
風、御几帳の帳を吹き返したる迫より、聖人、髴に娘を見奉けり。
見も習はぬ心地に、此の端正美麗の御姿を見て、聖人、忽に心迷ひ肝砕て深く娘に愛欲劣情の心を発しつ。
然れども、為べき方無き事なれば、思ひ煩て有るに、胸に火を焼くが如にして、片時も思ひ過ぐべくも思えざりければ、遂に、心澆て狂て人間を量て御帳の内に入て、娘の臥され給へる御腰に抱付ぬ。
娘、驚き迷て汗水に成て恐ぢ給ふ。
然し乍ら娘、格闘技の類稀なる才有り。
侍女達、此れを見て騒ぎ喤る合間に、娘、泣き乍ら聖を蹴り倒し組み伏せ捕へて、父親に此の由を奏す。 
父、大きに怒給て、聖を搦て獄に禁められぬ。
聖、獄に禁められたりと云へども更に云ふ事無して、天に仰て泣々く誓て云く、「我れ、忽に死て鬼と成て此の娘の世に在まさむ時に本意の如く娘に睦びむ」と。
獄の司の者、此れを聞て娘の父母に此の事を申す。
娘の母、此れを聞驚給て聖人を免して本の山に返し給ひつ。 
然れば、聖人、本の山に返て、此の思ひに堪へずして、娘に馴れ近付き奉るべき事を強に願て、憑む所の三宝に祈請すと云へども、現世に其の事や難かりけむ、「本の願の如く、鬼と成らむ」と思ひ入りて、物も食はざりければ、十余日を経て、餓へ死にけり。 
其の後、忽に鬼と成ぬ。
其の形、身裸にして、頭は禿也。
長け八尺許にして、筋骨隆々。
肌の黒き事漆を塗れるが如し。
眼は鋺を入たるが如くして、口広く開て、釼の如くなる歯生たり。
上下に牙を食ひ出したり。
赤き裕衣を掻て、槌を腰に差したり。 
此の鬼、俄に娘の御ます御几帳の喬に立たり。
人、現はに此れを見て、皆魂を失ひ、心を迷はして、倒れ迷て逃ぬ。
侍女などは、此を見て、或は絶入り、或は衣を被て臥ぬ。
此の鬼、御帳の内に入り娘と対峙し裸形を娘に晒し娘に裸体を誇示したり。
娘、泣き乍ら鬼の顔面に掌底を叩き込み鬼の脇腹を蹴り鬼の喉に渾身の突きを入れ鬼を組み伏せて鬼の腕を折り鬼の背骨に肘を入れて鬼の背骨を叩き折り鬼の首を絞めにけり。
哀れ。鬼、劣情を果たせず娘の抵抗に力尽き滅す。
此の事故に娘、魔殺しの異名を持つ。

止事無なからむ女人は、此の事を聞て、専に然るべし。有らむ男人をば、近付くべからず。男人は皆、すけべえである。
然らずんば武術の心得を会得しておくべし。
男人は、此の事を聞て、專に然るべし。劣情に身を任すべからず。
此の事、極て便無く、憚り有る事也と云へども、末の世の人に見しめて、女人が男人に近付かむ事を強に誡めむが為に、此くなむ語り伝へたるとや。 





 元ネタを読んで非常にむしゃくしゃしたので心を静める為に元ネタを改変してしまいました。
 元ネタは悲しいお話なのです。
 機会があったら是非読んでみてください。


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