本日4月11日は、富士山が噴火(延暦噴火)した日で、モヒの戦いでモンゴル帝国がハンガリー王国に圧勝した日で、スペイン継承戦争・アン女王戦争の講和条約「ユトレヒト条約」が締結された日で、清で農民による弥勒信仰結社・白蓮教徒が叛乱を起こした日で、フォンテーヌブロー宮殿でフランスとヨーロッパ諸国がフランス皇帝ナポレオンを退位させエルバ島に流刑とするフォンテーヌブロー条約に合意した日で、イギリス委任統治領パレスチナを分割して委任統治領トランスヨルダンを設置した日で、トルーマン米大統領がマッカーサー元帥の極東全指揮権を解任した日で、国共内戦で南日島戦役があった日で、中華人民共和国政府がチャーターしたインド航空機「カシミールプリンセス号」が空中爆発した日で、アインシュタインがラッセル=アインシュタイン宣言に署名した日で、アドルフ・アイヒマンに対する「アイヒマン裁判」がイスラエルで開始された日で、官公労など81単産600万人がゼネラル・ストライキを起こして国鉄が初の全面運休した日で、ウガンダ民族解放戦線が首都カンパラを占拠して独裁政治を行っていたアミン大統領が国外逃亡した日で、川崎市高津区の竹薮の中で現金1億4522万円が入ったバッグが捨てられているのが発見された日で、国際連合平和維持活動にあたっていたベルギー軍が駐留先の公立技術学校から撤退した後に学校がフツ族民兵に襲撃されて2000名の避難民の大半が虐殺された日で、アフリカ非核兵器地帯条約が調印された日で、池袋駅構内大学生殺人事件が起こった日で、ミンスク地下鉄でテロリストによる爆破事件発生して市民15人が死亡した日で、インドネシアのスマトラ島沖地震が発生した日です。
本日の倉敷は晴れでありました。
最高気温は十五度。最低気温は四度でありました。
明日も予報では倉敷は雨となっております。
本日の倉敷は晴れでありました。
最高気温は十五度。最低気温は四度でありました。
明日も予報では倉敷は雨となっております。
狐が知人の家の門を出る時、友人達は桜の樹の所に集まつてゐました。
其れは星祭に青い灯りを拵えて川へ流す烏瓜を取りに行く相談らしかつたのです。
けれども狐は手を大きく振つてとことこと知人の家の門を出ていきました。
藏屋敷が立ち並ぶ町の家々では銀河の祭りにいちゐの葉の玉を吊るしたり檜の枝に灯りをつけたりいろいろ仕度をしてゐました。
家へは帰らず狐が三つ曲つて或る大きな活版処に入つて直ぐ入口の計算台に居ただぶだぶの白い襯衣を着た人に御辞儀をして靴を脱いで上りますと、突き当りの大きな扉を開けました。
中は電燈が点いて沢山の輪転器がばたりばたりと回り、布で頭を縛つたりラムプシェードをかけたりした人達が何か歌ふやうに讀んだり数へたりしながら沢山働いて居りました。
狐は直ぐ入口から三番目の高い卓子に座つた人の所へ行つて御辞儀をしました。
其の人は暫らく棚を探してから「これだけ拾つて行けるかね?」と云ひながら一枚の紙切れを渡しました。
狐は其の人の卓子の足元から一つの小さな平たい函を取り出して向ふの電燈の沢山点いた立てかけてある壁の隅の所へ座り込むと小さなピンセットでまるで粟粒ぐらゐの活字を次から次と拾ひはじめました。
青い胸当をした人が狐の後ろを通りながら「お早う」と云ひますと、近くの四五人の人達が声もたてずこつちも向かずに冷く嗤ひました。
狐は何回も眼を拭ひながら活字をだんだん拾いました。
狐が拾う活字で組み立てられる文章はエロい文章です。
セクハラであります。
羞恥プレイであります。
狐は屈辱に身を震わせました。
でもお仕事であります。
狐は顔を真つ赫にして無言で活字を拾いました。
暫らくたつた頃。
狐は拾つた活字をいつぱい入れた平たい箱をもう一度手に持つた紙切れと引き合わせてからさつきの卓子の人へ持つて来ました。
其の人は黙つて其れを受け取つて微かに頷きました。
狐は御辞儀をすると扉を開けてさつきの計算台の處に来ました。
するとさつきの白服を着た人がやつぱり黙つて小さな木の葉を一枚狐に渡しました。
狐は俄かに顔色が良くなつて威勢良く御辞儀をすると台の下に置いた鞄を持つて表へ飛びだしました。
それから元気良く口笛を吹きながら麺麭屋さんへ寄つて麺麭の塊を一つと角砂糖を一袋買ひますと一目散に走りだしました。
其れは星祭に青い灯りを拵えて川へ流す烏瓜を取りに行く相談らしかつたのです。
けれども狐は手を大きく振つてとことこと知人の家の門を出ていきました。
藏屋敷が立ち並ぶ町の家々では銀河の祭りにいちゐの葉の玉を吊るしたり檜の枝に灯りをつけたりいろいろ仕度をしてゐました。
家へは帰らず狐が三つ曲つて或る大きな活版処に入つて直ぐ入口の計算台に居ただぶだぶの白い襯衣を着た人に御辞儀をして靴を脱いで上りますと、突き当りの大きな扉を開けました。
中は電燈が点いて沢山の輪転器がばたりばたりと回り、布で頭を縛つたりラムプシェードをかけたりした人達が何か歌ふやうに讀んだり数へたりしながら沢山働いて居りました。
狐は直ぐ入口から三番目の高い卓子に座つた人の所へ行つて御辞儀をしました。
其の人は暫らく棚を探してから「これだけ拾つて行けるかね?」と云ひながら一枚の紙切れを渡しました。
狐は其の人の卓子の足元から一つの小さな平たい函を取り出して向ふの電燈の沢山点いた立てかけてある壁の隅の所へ座り込むと小さなピンセットでまるで粟粒ぐらゐの活字を次から次と拾ひはじめました。
青い胸当をした人が狐の後ろを通りながら「お早う」と云ひますと、近くの四五人の人達が声もたてずこつちも向かずに冷く嗤ひました。
狐は何回も眼を拭ひながら活字をだんだん拾いました。
狐が拾う活字で組み立てられる文章はエロい文章です。
セクハラであります。
羞恥プレイであります。
狐は屈辱に身を震わせました。
でもお仕事であります。
狐は顔を真つ赫にして無言で活字を拾いました。
暫らくたつた頃。
狐は拾つた活字をいつぱい入れた平たい箱をもう一度手に持つた紙切れと引き合わせてからさつきの卓子の人へ持つて来ました。
其の人は黙つて其れを受け取つて微かに頷きました。
狐は御辞儀をすると扉を開けてさつきの計算台の處に来ました。
するとさつきの白服を着た人がやつぱり黙つて小さな木の葉を一枚狐に渡しました。
狐は俄かに顔色が良くなつて威勢良く御辞儀をすると台の下に置いた鞄を持つて表へ飛びだしました。
それから元気良く口笛を吹きながら麺麭屋さんへ寄つて麺麭の塊を一つと角砂糖を一袋買ひますと一目散に走りだしました。