北が核実験の準備する中、オバマ大統領が「慰安婦、重大な人権侵害」 日米韓を分断するな!
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7755
北朝鮮が、同国北東部・豊渓里(プンゲリ)の核実験場で、4度目の核実験に向けて準備を完了させたという見解を韓国政府関係者が明らかにしたことを、25日の各メディアが報じた。
だが一方で、同日、訪韓したオバマ米大統領は、韓国のプロパガンダである従軍慰安婦について「言語道断な人権侵害」と言及。日米韓が一致団結して、北朝鮮と対峙しなければいけない中で、逆に、日米韓を分断するような発言は、アメリカの大統領としての資質が問われる。
25日午後、韓国入りしたオバマ氏は、青瓦台で朴槿恵大統領との首脳会談に臨んだ。このタイミングで北が核実験の準備を完了させたことは、明らかに、米韓への揺さぶりと見ていいだろう。会談後の共同会見では、北朝鮮への追加制裁を検討する考えが示された。
だがその一方で、従軍慰安婦問題について、オバマ氏は「戦時中であったとしても、言語道断な人権侵害である。過去を誠実に、公正に認識されなければならない」などと語った。同氏が、この問題について見解を示したのは今回が初めてである。
なぜオバマ氏が、このタイミングで、このような発言をしたのか理解に苦しむが、いずれにしても、戦後にねつ造された「従軍慰安婦問題」について、同盟関係にある日本を堂々と批判するような振る舞いは許されない。
それを言うのであれば、オバマ氏は、先の大戦で、アメリカが明確な意図をもって一晩で市民10万人以上を焼き殺した東京大空襲、広島・長崎に相次いで原子爆弾を落とし、それぞれ11万人、7万人の市民を殺害したことに対して、謝罪すべきである。少なくとも、広島・長崎の被爆地を訪問し、世界中に先の大戦の誤りを詫びるべきだ。
オバマ氏の「戦時中であったとしても、言語道断な人権侵害である。過去を誠実に、公正に認識されなければならない」という言葉は、そっくりそのままお返ししたい。これまで本欄でも再三指摘してきたように、「従軍慰安婦」はウソであり、「東京大空襲や原爆投下」は事実である。
あまりこの件で、日本側が怒り出して、本当に日米韓の連携が乱れてしまうと、笑いが止まらないのは中国・北朝鮮ということになり、日本の国益も損なわれてしまう。
やはり、一刻も早く日本政府が、「従軍慰安婦」の存在を認めた「河野談話」や、自虐史観を象徴する「村山談話」を白紙撤回しなければならない。そして、国際舞台で堂々と「先の大戦で、日本は、欧米列強から、アジアの植民地を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、正当な自衛権の行使として戦ったのである」と宣言しなければならない。
日本の戦いの影響が、その後アジアからアフリカへと波及し、アフリカの各国が独立を果たしたことも歴史の事実である。日本が戦わなければ、アフリカ系のオバマ氏自身が、アメリカの大統領になることさえできなかっただろう。今後、オバマ氏には、そうした歴史の事実をしっかりと学んでいただきたい。(格/冨)
中国海洋調査船が沖縄県久米島沖で活動[HRPニュースファイル982]
http://hrp-newsfile.jp/2014/1414/
文/HS経塾一期生 彦川太志
◆隅々まで調査される日本の経済水域
4月23日付けの産経新聞1面で、中国の海洋調査船が沖縄県久米島沖で「過去最長」の活動を実施していることが取り上げられました。調査は潜水艦隊の活動を前提とした軍事目的のものとみられており、日本政府は再三の中止要請を出しています。
ところが中国側は2001年から日中間で運用を開始された「相互事前通報制度」を根拠に、中止要請に応じない姿勢をとっています。
日中間の「相互事前通報制度」とは、国連海洋法条約に基づき、中国の海洋調査船が自国の排他的経済水域(EEZ)内で調査活動をする場合、「純粋に科学的な調査」であることを前提として、2ヶ月前までに事前通報があれば、日本政府が活動を許可する取り決めとなっています。
◆海洋進出の軍事的意図を見抜けなかった日本政府
問題は、この中国海洋調査船の調査活動の「内容」について、「一般的な科学調査」であると中国側が説明すれば、どんな調査でも許可が出されてしまうという点にあります。中国側はまさにこの点を逆手にとって、日本側の中止要請を無視しているのです。
この点、「相互事前通報制度」創設を主導した外務省は、中国側の活動について、軍事的な意図に対して「見ないふり」をしていた可能性があります。
事実、中国による東シナ海での海洋調査がすでに問題となっていた1995年、当事の外務省アジア局長は中国の調査活動の意図について「一般的な科学調査」だと断定※しているのです。
2001年に運用が開始された「相互事前通報制度」も、このような解釈が前提にあるがために、中国の海洋調査活動を受け入れる制度となってしまっていることは明らかです。
(95年12月12日:参議院外務委員)
しかし、幸福実現党の立党以来、全国で中国政府の覇権主義的意図と、わが国の国防強化の必要性を訴え続けてきた結果、中国の海洋進出に対する日本政府・日本国民の警戒感も高まっています。
中国海軍が西太平洋での軍事演習を活発化させ、米軍に伍する外洋型海軍としての規模と能力の拡大をめざしていることは、世界的な問題となっているのです。
◆中国の海洋進出を助長させた村山・河野コンビ
ところで、東シナ海における中国の「自由な行動」を許した判断が積み重ねられていった重要な時期に、内閣で「村山・河野談話」が発表されていたことは偶然ではありません。
先ほど、外務省は中国の軍事的な意図について「見てみぬふり」をしていたと書きましたが、「日本は侵略国家であった」とする中国共産党の歴史観に迎合する内閣であればこそ、このような国難を招く制度を実施してしまったのではないでしょうか。
◆「相互事前通報」の枠組みを見直し、実効性のある領域警備を
去る4月22日、133,080筆を集めた「河野談話の白紙撤回を求める署名」の安倍首相への提出が幸福実現党によって行われましたが、河野洋平氏が外務大臣であった時期に実施された「相互事前通報制度」の見直しも、早急に行うべきであると考えます。
例えば、「相互事前通報」制度の前提として、「純粋に科学的な調査である」という条件がありますが、それ以外にも「事前に通報された区域で調査が実施されていること」等の条件があります。
中国側は過去すでに、これらの条件を破り、通告区域外での活動を実施するなどの違反行為を繰り返しています。今回の調査活動においても、海上保安庁が再三の中止要請を出していることをみると、「軍事目的ではないか」という疑いのほか、何らかの問題行為があることが想定されます。
こうした違反行為が現に行われ、軍事目的の調査が行われている可能性がある以上、日本政府は集団的自衛権の容認によって日米同盟を強化するとともに、南西諸島の防衛体制を固めた上で、「中国側に改善の意思が見られない限り、今後一切の中国側の調査要求に応じない」などの対抗手段をとるべきであると考えます。
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◎幸福実現党公式サイト http://hr-party.jp/
◆日米首脳会議 オバマ大統領「尖閣に日米安保を適用」 それでも日本は独自の備えを急げ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7751
安倍晋三首相とオバマ米大統領は24日、東京・元赤坂の迎賓館で会談。終了後の共同会見で両首脳は、日米同盟の強化や、沖縄県・尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用範囲であること、TPP、北朝鮮の核問題などについて言及した。この会見を受けて同日、幸福実現党が声明を発表。要旨は以下の通り。
・オバマ氏が、尖閣諸島を日米安保の対象と明言し、安倍首相が目指す集団的自衛権の行使容認を支持したことは、対中抑止の一環として評価する。
・TPPについては、わが国の成長力強化に資するのみならず、日米中心の自由貿易圏形成による対中牽制の側面もあるため、交渉の早期妥結を願う。
・安倍首相には、従来の対米追従一辺倒ではなく、戦略的な外交・防衛の取り組みが求められる。
・ウクライナ問題をめぐって、ロシアへの日米欧の対応次第では、ロシアの孤立化から中ロ接近を招き、国際秩序が揺るがされ、大きな危機が引き起こされかねない。日本は米国と協調しつつも、米ロの懸け橋となるような外交姿勢を取るべきである。
共同会見では、オバマ氏の「尖閣に日米安保を適用」と発言。各メディアが大々的に報じている。だが前出のように、幸福実現党が日本独自の外交を強調する背景には、これまでオバマ氏が唱えてきた「アジア重視」などが口約束に過ぎず、今回の「尖閣に日米安保を適用」という言葉も、額面通り受け止めることができないという思いがある。
オバマ氏来日直前の17日、大川隆法・幸福の科学総裁は、3度目となるオバマ氏の守護霊の霊言を収録。その「本心」を明らかにしたところ、日本としては心もとない実情が明らかになった。
オバマ氏守護霊は、東アジアで高まっている緊張の緩和について、超大国であるアメリカは、「対話」や「説得」で解決できるという楽観的な考えを示した。また、中国に対して、「米国債をたくさん買ってくれるので、平和的な関係が必要なのです」と、強硬な態度をとれない台所事情を明らかにした。
こうしたオバマ氏守護霊の言葉は、オバマ氏本人の共同会見での発言と、多くの部分で共通していた。
財政難のアメリカを唯一の"命綱"としての国防が成り立たない今、日本は日米同盟を強化しつつも、独自の外交を展開し、自主防衛の意識を高めなければならない。(居)
【関連記事】
2014年4月23日付本欄 23日夜、オバマ大統領が来日 「尖閣諸島は安保の適用内」では安心できない
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7715
Web記事 公開霊言抜粋レポート 来日直前 日米首脳会談前にオバマ大統領の本音を聞きだす
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7693
来日直前 日米首脳会談前にオバマ大統領の本音を聞きだす
公開霊言抜粋レポート
来日直前 日米首脳会談前にオバマ大統領の本音を聞きだす
"A New Message from the Guardian Spirit of President Obama"
(オバマ大統領の新・守護霊インタビュー ――来日の真意を語る――)
「米国債を買ってくれる中国とは平和的関係を築きたい」
2014年4月17日収録
守護霊とは
人間の魂は原則として六人のグループからなり、あの世に残っている「魂の兄弟」の一人が守護霊を務めている。つまり、守護霊は、実は自分自身の魂の一部である。したがって、「守護霊の霊言」とは、いわば本人の潜在意識にアクセスしたものであり、その内容は、その人が潜在意識で考えていること(本心)と考えてよい。
中国が沖縄県の尖閣諸島上空まで含む防空識別圏を設定し、朴槿惠韓国大統領が歴史問題で日本を糾弾し続け、アジアの緊張が高まっている。そうしたなか、4月23日にオバマ米大統領が来日して安倍晋三首相と日米首脳会談を行う。オバマ大統領はその後、韓国も訪れる予定だ。
来日直前の17日、大川隆法・幸福の科学総裁は三度目となるオバマ大統領の守護霊霊言を収録し、アジア歴訪の目的や今後の国際情勢の見通しなどについて、その本心を尋ねた。
大川隆法総裁による“A New Message from Barack Obama-Interviewing the Guardian Spirit of the President of the United States-"(オバマ大統領の新・守護霊インタビュー ―来日の真意を語る―)の映像は、18日から全国・全世界の幸福の科学の支部・精舎・拠点・布教所で拝聴できます(日本語字幕付は22日から)。なお、この内容を収めた書籍は近日中に全国の書店で発売されます。
※本霊言は英語で収録された。文中のメッセージは和訳※したもの。
「世界の警察」を続けられないのはお金がないから
今回の来日の目的を聞かれたオバマ守護霊は、「アメリカの威信をかけて、日本と韓国の紛争、中国による侵略の危機にかかわる問題を解決するため」と語った。
オバマ大統領は「アメリカは世界の警察官をやめる」と宣言した。だが、これは世界の紛争解決を放棄したわけではないので誤解しないでほしいとして、超大国であるアメリカは、対話によってすべての問題を解決できると主張した。
アメリカの同盟国である日本を守るつもりもあるが、問題はお金だという。「予算がなければ、どんな警察官も勤勉に働けない」「私を信用して、お金を貸してくれれば、あなたの敵と戦います。それが来週の交渉です」と、お金のある日本はアメリカを助けてほしいと迫った。
環太平洋経済連携協定(TPP)においても日本に譲歩を求め、農産物を中心にアメリカの製品を沢山買ってほしいと語り、「アメリカは農業国、日本は工業国」などと卑下してみせた。
オバマ大統領の本音からすれば、アメリカは世界の紛争解決において存在感を示すつもりではあるが、予算がないため、事実上「世界の警察官」は続けられないということになる。あくまでも「対話」や「説得」によって問題を解決できるというオバマ大統領の見通しの甘さが垣間見える守護霊の発言だ。
安倍首相はチャーチルとヒトラーの間に位置する「疑わしい人」
中国の習近平国家主席は、安倍首相が靖国神社に参拝したり、集団的自衛権の行使容認を進めたりしていることをあげつらい、「ヒトラー」呼ばわりしている。
安倍首相が軍国主義の道を歩んでいると喧伝することで、自国の軍拡を正当化しようとしているのだ。
そうした背景を知ってか知らずか、オバマ守護霊は、安倍首相を「疑わしい」「チャーチルとヒトラーの間に位置する人」と評した。
オバマ守護霊は、安倍首相に対し、「朴大統領の召使(Servant)になるべきだ」と、歴史問題などであまり韓国を刺激せず、仲良くする努力をしてほしいと求めた。
現在、日韓関係がきしんでいるように見えるのは、朴大統領が就任以来「反日」路線を掲げて、安倍首相との首脳会談を避け続けてきたからだ。オバマ大統領の発言は、安倍首相の言動が日韓関係悪化の原因であるという誤解に基づくものといえる。
テロや外交問題は「神に祈るしかない」
さらに、オバマ守護霊に幅広く国際情勢についての見解も聞いてみた。
まず、ロシアのプーチン大統領については、「悪魔の中の悪魔だ。第二次世界大戦後の世界平和の秩序を壊した」とした。ヒトラーは民主主義から生まれたが、プーチンは民主主義を破壊したとして、ヒトラーよりも危険人物なのだという。
また、ロシアは大きな国であり、1万発以上の核ミサイルを持っていることなどを危険なポイントとして挙げた。
それなら、宗教も民族も文化も異なる国を「自治区」として併合し、毎年二桁ずつ軍事費を増やし、核ミサイルをはじめ、たくさんの兵器を保有している中国の方がよほど危険であるように思われるが、どうなのか。
「中国は我々にお金をくれます。アメリカ国債をたくさん買ってくれているので、平和的な関係が必要なのです」
オバマ守護霊はこのように語り、財政面で支えてくれる中国との関係を重視する意向を示した。日本が中国を刺激しすぎると、アメリカ国債を買ってくれなくなり、オバマ政権が経済的に苦しい立場に追い込まれるので、安倍首相にはあまり余計なことを話さず「おとなしくしてほしい」という本音を述べた。
安倍首相の靖国神社参拝にも難色を示し、さらに踏み込んでいえばむしろ靖国神社を破壊してほしいとまで求めた。
イスラム過激派への対処については、神に祈るしかないとして、なるべくお金のかからない方法で平和を実現したいと切望しているようだった。
このように、何かとお金の問題を持ち出すオバマ大統領守護霊の発言から、財政問題で苦しんでいるアメリカの現状が明らかになった。
それと同時に、アジア情勢についてのオバマ大統領の見識不足が見えてきた。
プーチン氏のクリミア併合について、欧米メディアは「新たな冷戦」と位置づけるが、ウクライナ問題は経済問題に過ぎない。2012年に発刊されたプーチン氏の守護霊霊言では、「ロシアの未来として、今の日本、アメリカ、ヨーロッパの体制に近づけていくほうがよいと思っている」というプーチン氏の本音が明かされており、西側諸国との緊張を高めるつもりはないのだ。
一方、本年3月に収録されたチャーチル英元首相の霊言では、チャーチル霊はむしろ中国が脅威であり、フィリピンやベトナムのような日米を直接刺激しない場所で軍事紛争を起こす可能性があることを指摘した。
真の冷戦はロシアではなく、中国との間にあるとの認識を欧米諸国と共有することが必要である。その意味で、TPP交渉も単なる経済的利害関係を超えて、経済的対中包囲網の構築という観点から考えなくてはならないだろう。
民主党時代にアメリカは戦争に巻き込まれることが多い。アメリカが超大国としての力を行使しようとすることが、かえって世界を「平和」に導くことを知らねばならないだろう。
日本もアメリカに頼らない防衛体制の確立を急ぐとともに、これ以上アジアの緊張感を高めないよう、アメリカの軍事力を補っていく覚悟を決めねばならない。
本霊言は他にも、以下のような点について触れられている。
- アメリカのジャーナリズムの動向について
- 日本がトップセールスをかけているリニア新幹線は購入するのか
- キャロライン・ケネディをなぜ日本大使に指名したか
- 元CIA職員でロシアに亡命中のスノーデン氏の問題についての考え
- 北朝鮮問題への対処方法
- 慰安婦問題についてのスタンス
- 国内問題、特にオバマケアについてはこれからどうする?
- 残り二年の任期で成し遂げたいことと、引退後のビジョン
ウクライナ問題と日米首脳会談TPP合意見送り――日本の新・世界戦略の提言![HRPニュースファイル984]
http://hrp-newsfile.jp/2014/1418/
文/幸福実現党政務調査会 佐々木勝浩
◆クライナウ問題の本質はなにか
4月26日、日米欧とカナダの先進7カ国(G7)は、ロシアがウクライナでの暴力自制などを求めたジュネーブ合意を順守していないとして、ロシアに追加制裁を科すことで合意しました。
こうして世界の世論とマスコミのほとんどの論調は、「ロシア制裁」の方向に進んでいます。その理由は、ロシアのウクライナのクリミア併合が「東西冷戦の復活」につながるというものです。
しかし世界やマスコミが見落としている重要な視点が二つあることを指摘しておきましょう。
一つ目は、ウクライナ問題の本質は何かというと、「東西冷戦の復活」ではなく、あくまでも「ウクライナの経済がうまくいっていない」という点にあります。ウクライナの経済は、ソ連崩壊後から、独立してもほとんど成長していないのです。
そもそもウクライナのデモのきっかけは、親ロシア派のヤヌコービッチ政権がEU加盟を見送ったことにあります。またヤヌコービッチ政権はロシアでもないEUでもない第三の選択として、中国に経済支援を求めようとしていました。
EUは、経済がうまくいっていない諸国が多く、さらに経済が低迷しているウクライナが加盟すれば、EU自体がますます苦しくなります。
見方を変えれば、経済低迷で苦しむウクライナにロシアが手を差し伸べたと見ることもできます。それがプーチンのクリミア併合です。クリミアでは、ロシア軍を歓迎しG7が指摘するような暴力行使はありませんでした。
二つ目は、ウクライナ問題に中国が沈黙しているという点を見逃してはなりません。
中国にとって、ロシアのクリミア併合を批判すれば、チベット、ウイグル、南モンゴルへ行ってきた侵略行為に対する矛先が、今度は自分の国に向けられる可能性があります。ですから中国は沈黙しているのです。
つまり、今回のウクライナ問題の対応如何では、これまでの世界秩序を覆すような力学が働く可能性を秘めています。
◆ロシアを仲間に入れた日本の国家戦略
もし、G7がロシアへの経済制裁を行うことになればどうなるでしょう。ロシアと中国が接近し手を組む可能性が生まれます。それがさらに中国の覇権主義を勢いづかせるきっかけにもなります。
また、ロシアへの経済制裁は、今後ミサイル発射やさらなる核実験をほのめかす北朝鮮への制裁を行う場合、ロシアの協力が得られなくなるでしょう。
ウクライナ問題を日本は「冷戦の復活」と捉えるのではなく、「ウクライナの経済問題」として捉えるべきです。ウクライナは、2008年のリーマン・ショックの際にも欧米の外資がさっさと引き揚げたことで経済苦境に立たされました。
したがって今回はそれとは逆に、日本はアメリカをも説得し、ロシアと共に、ウクライナの経済救済に協力すればよいのです。
これは、ロシアを日米と共に中国包囲網の枠組みに組み込み、また北朝鮮の暴走を牽制する大きな力にすることができます。こうした国家戦略を日本はつくり上げるべきなのです。
◆TPPを国防から考える
ひるがえって今回の日米首脳会談でオバマ大統領が、「尖閣諸島も含め、日本の施政下にある領土はすべて、日米安保条約第5条の適用対象となる」と共同記者会見で発言しました。これは一定の評価ができます。
しかし一方で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉では、安倍政権が、農産品重要5項目について関税撤廃の例外扱いを求めていることから、交渉は難航し日米合意は得られませんでした。
選挙目当てに高い関税で小規模兼業農家などを保護し続けても、今後は従事者の高齢化で日本の農業は先細りとなるばかりです。
TPP合意をするとすれば、たとえば、関税撤廃をするにしても段階的に引き下げ時間的な余裕を作り出します。そして必要な範囲で農家に補助金を出しながら、企業の農業進出を後押しして生産から加工・流通販売までを手掛ける第六次産業化を図れば、農業は輸出産業に成長します。
国防面から考えてもTPPは、中国包囲網を形成する重要なカギです。日本は、こうした大局的な立場からTPP交渉の決着を急ぐべきです。
なぜなら優柔不断なオバマ大統領が、国内事情を優先し大量の米国債を中国が保有していることなどを鑑みて日本との関係を見限り対中融和へと傾く可能性も否定できません。
以上、述べてきたように、日本は「ウクライナ問題」をチャンスと捉え、また「日米首脳会談」の教訓を冷静に分析して、新たな国家戦略の構築を急がねばなりません。そして中国・北朝鮮包囲網を築くための一手を早急に打つべきです。
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◎幸福実現党公式サイト http://hr-party.jp/
◆東南アジアを囲い込む中国資本 日本はTPP早期妥結を目指せ
http://the-liberty.com/article.php?item_id=7758
中国の覇権拡張に対して、日本はアジア諸国と経済面での結びつきを強めていくことが急務になっている。
政府はこのほど、インドネシアに進出する日系企業が、現地通貨ルピアで投資に必要な資金を調達できる新たな制度をつくる。4月26日付、読売新聞が報じている。
日系企業はこれまでルピア建ての長期融資を現地の邦銀から受けることができず、一旦、円やドルで借りた後、国際協力銀行などでルピアに換えて投資を行っていた。そのため、返済する際にも、配当や事業収入を再び円やドルに戻す必要があり、通貨を交換するたびに、為替レートの変動による損失が発生する恐れがあった。
だが、本制度により、日系企業は邦銀の現地支店で、直接ルピア建てで融資を受けられるようになり、道路や発電所の建設などのインフラ整備が進めやすくなる。今回のような経済連携強化の取組みは、アジア諸国との間で進めていくべきだ。
一方、中国政府は先月、アジア諸国のインフラ建設を支援する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の設立準備に着手したと発表した。この銀行の設立構想は、習近平国家主席と李克強首相が昨年の東南アジア歴訪時に提唱したものであり、アジアにおける投資を拡大する意思を具体的に示したものだ。
中国は他にも、ベトナムの重要な交通インフラである3つの高速道路を、共同で着工することに合意を取り付けている。また、インドネシアでは、両国政府で総額282億ドルに上る21の投資・融資プロジェクトの覚書を取り交わしているなど、中国は経済的支援によって急速に東南アジア諸国を囲いこもうとしている。
このような事態に対し、日本はASEAN諸国をはじめとするアジア諸国と連携を強化し、対中国包囲網の確立を急がなくてはならない。そのためには、やはり、アメリカを始めとする12カ国との自由貿易協定であるTPPを早期に妥結すべきだ。24日にも、日米両首脳が「自由、民主主義、法の支配など普遍的価値を共有する国々と新たなルールを作り上げる」と表明したように、TPPは中国への抑止力となる。
中国からの脅威に対してASEAN諸国は日本がアジアをリードすることを望んでいる。日本は勇断するべき時だ。(HS政経塾 壹岐愛子)