9月 10日 (日)

のち
5:00 起床。
北岳山荘の朝。標高3000mにある山小屋の朝は寒い。
5:40 朝食🍚今朝は、フレンチナイスガイの姿はない。
外へ出ると、富士山が雲の向こうに うっすらとみえる🗻
2日目のルート。長い道のりだ。
中白根山〜間ノ岳〜西農鳥岳〜農鳥岳と、4つの山を越え、大門沢小屋まで歩く。
幸い筋肉痛はない。
よし!今日も行くぞ!
6:25北岳山荘を出発
行く手にガスがかかって来る💧
ほう〜〜♡八ヶ岳だ⛰
いつか、主峰「赤岳」も極めなければ💪
と、間ノ岳からフレンチナイスガイが走って帰ってきた。朝早くから、間ノ岳へピストンして来たそうだ。若いね〜。
7:05 ひとつ目の山「中白峰岳」3055m 山頂🙌
もう、ガスガス💦
だんだん辺り一面ガスに覆われて来た。
ケルン
ガスで岩も濡れている。
ヤバいヤバい!(◎_◎;)!ホワイトアウト!
そして、寒いっ!😨
気温1度。北の風、風速8m。
鼻がもげそうだ!指先の空いた手袋なので指先の感覚がなくなる。マンパカのポケットに突っ込んだ手はグー✊のまま。
フードを被り、ファスナーを顎まで上げる。
「いい事ばかりじゃないぞ!」と、3000m級の山の洗礼を受ける。
みんな無口になる。
黙々と登り続けて・・・
8:25 「間ノ岳」山頂 🙌標高3190m。日本で3番目に高い山⛰
三等三角点には「相ノ岳」とある。
富士山は、mareが小学校 六年生の時に、市が主催する「親子登山」で登った。
これで日本の高い山、トップスリーを制覇した事になる
10分ほど休憩し、次は二百名山「農鳥岳」へ向かう。今日は、忙しいのだ。霧が晴れるのを待ち、山頂からの景色を楽しむ余裕もない。
間ノ岳から農鳥岳方面へは、山人の数がグッと減る。
北岳山荘にザックをデポして間ノ岳をピストンする人がほとんどだ。
霧に濡れたチングルマのピンクの綿毛と、チシマギキョウ。愛おしいねぇ
9時を過ぎる頃、次第に霧が晴れて来て、農鳥小屋が見えて来た。
目指す農鳥岳も見えてくる⛰(AR山ナビ)
アカモノ
左の三角ピークが農鳥岳⛰農鳥小屋も近くなる。
10:00 農鳥小屋 着。
名物 農鳥オヤジが、このドラム缶に座り双眼鏡で訪れる山人を見て、歩き方を指南すると言われている。
以前、TVで見たけれど、なかなかの頑固オヤジ。
小屋を利用しない者は、さっさと行けと言うらしい。
私たちが到着した時、チラリとこちらを見たけれど、知らん顔して自分の小屋の中へ入って行った。
売店を覗くと閉まっているが、北岳山荘で売り切れていた北岳のバッジがある👀
恐る恐る、でも愛想よく「こんにちはぁ〜。バッジを頂きたいんですけどぉ〜」と、声をかけてみる。
「はいよ。何番のバッジ?」と、テカテカに日焼けした山男は、ニコニコして見本のバッジを持って出て来た。
小屋の中には、3匹の黒系の甲斐犬がおとなしく寝そべり、ダルマストーブが焚かれている。
そうそう、農鳥オヤジは、女性には優しいと聞いている(笑)
温かい物を飲みたいと言うと、
「インスタントコーヒー、500円だけどね。何杯飲んでもいいよ。向こうの小屋の中にあるから自分のコップを使って自分で入れて。ゆっくりしてきな。」だって。
農鳥オヤジは、機嫌がいい。
農鳥オヤジと肩を組む(苦笑)
農鳥オヤジの「山の鉄則」
15:00までに小屋に着かないと泊めてくれないと言う。山小屋は基本、避難小屋だから断っちゃいけないのにね。
インスタントコーヒーを一杯飲んで、出かけようとすると、「なんだ、もう行くのか?もっとゆっくりしてきな。」と、言う。
私たちは、大門沢小屋まで行くんだよ。
「早発ち、早着」が山の鉄則でしょ?笑っちゃうよ、まったく
でも、名物 農鳥オヤジと話ができたのは、愉快な思い出になる。
10:25 農鳥小屋を出発。
次は西農鳥岳へ。
振り返ると農鳥小屋が小さく見える。今夜、泊まる山人はいるのかなぁ?頑固オヤジ、淋しいんじゃないの?
だんだん天気が回復してくる

体も温かくなってくる♡
歩くのが楽になってくる
11:25 「西農鳥岳 」3051m 山頂🙌
背後には、間ノ岳と、その奥に北岳⛰
北岳は、鋭く尖って槍ヶ岳の様だ。
西農鳥岳で、鳥になる∧( 'Θ' )∧
西農鳥岳って、眺望のいい山だ。一度来て見て♡
さぁ、まだ道のりは長いですよ。
足場を確認しながら慎重に歩く。
12:25 農鳥岳 山頂🙌 3026m。日本二百名山の最高峰。
⤵︎この左下に写りこんでいるオバサンが、後に厄介な事になる💧
大町桂月の碑
「酒呑みて 高嶺の上に吐く息は 散りて下界の霧となるらん」
あ〜〜ビールでも呑みたぁ〜い〜🍺
塩見岳、赤石岳もよく見える⛰
農鳥岳でランチタイム🍱
北岳山荘で作ってもらったお弁当(1000円)は、ちらし寿司。疲れたときは、お酢がいいね♡
13:00 農鳥岳を出発。
起伏の多い岩稜を超えていく。
大門沢下降点への標識を、
すこし過ぎた所で、上記のオバサンに呼び止められる。
「大門沢下降点は、どこやろか?さっき標識があったけど分からへんのや。」
大阪のオバチャンだ。1人で来ているという。
下降点は、少し先である事を知らせる。
今夜は、同じ大門沢小屋へ泊まるというので下降点まで一緒に行きましょうという事になる。
悲劇の始まりは、その数分後・・・
ギャーという悲鳴と共に、大阪のオバチャンは、ハイマツの上を一回転半転がり、下にいたタマちゃんが押さえて止まった。
「痛い〜、痛い〜〜!」と、泣き叫ぶ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)!
骨折?と思わせるような泣きっぷり。でも、あのくらいで折れるかなぁ?
膝を打ったと言うので、靴を脱がせ、踵と膝を押さえてゆっくり曲げ伸ばししてみた。何回も曲がるから大丈夫、折れてはいない様だ。
「でも、痛いねん。」と、まだメガネを外し涙を流して泣いている。
アナタ、その歳で泣く?
しょーがないから、私のザムストを取り出して巻いてあげる事にしたが、ザムストはSサイズ。
大阪のオバチャンの足はLサイズ(笑)
ザムストをおもいっきり引っ張って、なんとか装着。
どうですか?と聞くと、「あら、大丈夫や。歩けるわ。」と、立ち上がる。
さっきの泣きは、なんやねんっ‼️
ストックが短いから、下りは長くした方がいいですよと言うと、「これでええねん。」と、言う事を聞かない。
下りだというのに、足首の靴ひもは、ユルユル。
もう、勝手にせいっ‼️
13:45 大門沢下降点。標高2820m。
もちろん 大阪のオバチャンも一緒。
オバチャン、ここから大門沢小屋まで、約1000mの急降下を下れるのだろうか?
見捨てるわけにも行かず、一緒にスローペースで下って行く。
ザレ場あり、ロープありのキビシイ下り道。
オバチャンは、段差のある所に来ると、「ギャー」とか、「ヒャー」とか騒ぐので、いちいち止まって確認しなければならない。
かと思えば、ペラペラとおしゃべりが止まらず、アナタ、ホントに膝が痛いの?って聞きたくなる。
私たちだって、自分が安全に下るのに精一杯だ。かんべんしてくれよぉ〜💦
14:25 広い所に出たから休憩。
富士山、私たちを見守って下さい🙏厄介なオバチャンと道連れです。
と、富士山に願いが届いたか?1人で東京から来たオジサンが、大阪のオバチャンの面倒を見てくれるようになった。
とても優しいオジサンで、段差のある所ではストックを持ってあげたり、足場を教えてあげたり。
自然と私たちパーティと離れる様になった。後は、東京の優しいオジサンに任せよう。
やれやれ💧だいぶ遅れてしまった💧
約400mほど下って来た。大門沢小屋まで、後600m下る。まだ半分も下ってないじゃないか。
役立たずのハシゴ。
長いハシゴは、後ろ向きで下る。
とにかく荒れた山道だ。
16:15 やっと大門沢が見えてきた。
今度は、ドコモに乗り換えようか?
これでは予約した大門沢小屋の5時の夕食に間に合わないので、「後ろの2人を頼むよ。」と、リーダーがひと足先に下る事にする。
後ろの2人を確認しながら、危ない所は注意を呼びかけながら下る。
あと200mちょっと。
また、役立たずの橋。仕方ないから沢を歩く。
またまた、文字通り 間抜けの橋。
下から、山小屋のチェックインを済ませたリーダーが、私たちを迎えて来てくれて、ホッとする
林の向こうに大門沢小屋の赤い屋根が見えた♡
17:35 「大門沢小屋」標高1776m着 🙌
個室が空いていたので、個室に泊まる。
1000m下り、力尽きた後のザンネンな夕食💧
鮎の甘露煮、ワラビのおひたし、柴漬け、ご飯、味噌汁。味噌汁は、お代わり自由。
歯磨きに行くと、大阪のオバチャンがいてニコニコしてる。が、お礼も言われない。
ザムストを返してもらえないんじゃないかと不安がよぎる。
と、リーダーが、「無事に下れて良かったですね。明日は、お会いできるか分からないので、サポーター、いいですか?」と、話してくれた。
大阪のオバチャンの汗がしみたザムストが無事に帰ってきた(笑)
大門沢小屋・・・
トイレは、便器がなく、トイレットペーパーもなく、板を2枚 渡してあるだけ。恐怖のトイレ💧
ビールや飲み物は、ひとり1缶。
スマホの充電は、500円。
期待していた温水シャワーは、ボイラー故障で使用不可。
今日は、農鳥岳までは、とても楽しかった
でも、大門沢下降点から長く荒れた道を歩き、厄介な大阪のオバチャンと関わって、オマケにザンネンな山小屋で、どっと疲れが増す(-_-;)
寝よっ!💤
*翌日も、大阪のオバチャンの武勇伝は、まだ続く(苦笑)
⛰ つづく ⛰