「ペシャワール城塞まであと少しだといのにッ!」アルスラーンはダリューン、ファランギース、ギーヴ、エラムと共に峠の道を馬で駆けていた。城塞はもう見えている!「目的地に近付く程、待ち伏せする方は容易い訳だ」ボヤくギーヴ。「いくら包囲網が的確であろうと!」追い縋った追手を槍で谷に突き落とすダリューン。「おわぁああッ!」兵は谷底に消えた。「あっ! 待ち伏せか」『あっ!』が色っぽいファランギースは前方のルシタニアの兵団に気付いた。「我が隊の手柄にしろ!」「おおーッ!!」ルシタニア兵団は指揮官の檄に突進し始めた! その先頭の騎兵の顔面目掛け、一羽の鷹が矢の様に急降下し、目元を爪で引き裂いた!「ぬぁッ?!」負傷した兵は後ろの兵諸とも転倒した。「アズライール!」アルスラーンは鷹、アズライールの姿を認めた!
アズライールは上空を旋回し、崖の上の主、キシュワードの腕に止まった。側にはナルサスとペシャワール兵団がいる!「王太子殿下を守り参らせよ! ヤシャスィーンッ!!」「おおうあああッ!!!」ペシャワール兵団は崖を馬で駆け降り出した! 崖下のルシタニア兵団に先制で槍を投げ付ける!「キシュワード!!」「アルスラーン殿下ッ!」アルスラーンの呼び声に応え、キシュワードは双剣を抜いた。「よくぞ御無事でぇッ!!」キシュワードは鐙の扱い等、下半身だけで馬を操り、崖を駆け降り出した!!「うかつに俺の領地に入ったことを後悔するがいいッ!!」キシュワードはアルスラーン達と交錯後、その背後に迫った追手達を双剣で次々斬り捨てていった!『領地』とは、『俺の陣地』といった意味であると思われる。「引け! 引けぇッ!」追手達は退散し始めた。キシュワードは一瞬逡巡する様子を見せたが、「追う必要は無い!」ナルサスが崖上からそろそろと馬で降りてきた。「お主らの蛮勇を伝え聞かせ、
2に続く
アズライールは上空を旋回し、崖の上の主、キシュワードの腕に止まった。側にはナルサスとペシャワール兵団がいる!「王太子殿下を守り参らせよ! ヤシャスィーンッ!!」「おおうあああッ!!!」ペシャワール兵団は崖を馬で駆け降り出した! 崖下のルシタニア兵団に先制で槍を投げ付ける!「キシュワード!!」「アルスラーン殿下ッ!」アルスラーンの呼び声に応え、キシュワードは双剣を抜いた。「よくぞ御無事でぇッ!!」キシュワードは鐙の扱い等、下半身だけで馬を操り、崖を駆け降り出した!!「うかつに俺の領地に入ったことを後悔するがいいッ!!」キシュワードはアルスラーン達と交錯後、その背後に迫った追手達を双剣で次々斬り捨てていった!『領地』とは、『俺の陣地』といった意味であると思われる。「引け! 引けぇッ!」追手達は退散し始めた。キシュワードは一瞬逡巡する様子を見せたが、「追う必要は無い!」ナルサスが崖上からそろそろと馬で降りてきた。「お主らの蛮勇を伝え聞かせ、
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