「久し振り。元気、だった?」「まあ、あかりは? 大丈夫だった?」「うん、なんとか」レストランでぎこちない葵とあかり。『彼氏』の翔太もいる。「あ、最悪!」葵は何の着信も無いスマホを取り出し、仕事の用ができたと適当に札を置いてそそくさと退散してしまった。「ホント、訳わかんねぇ!」葵は公平に電話を掛け、愚痴りながら自宅マンションの前まで帰ったが、家の前で公平があれこれ荷物を持って自分と電話で話していた。「何してんの?」「来ちゃった!」公平は実家の豆腐屋に夏休みを貰い、夏の間居候させてくれという! 戸惑っていると妹が帰って来た。別人の様に美しくなった妹に最初は葵の彼女と勘違いしたが、妹の七海と知ると「運命だ。1度離れ離れになった男女がだよ、こうして再会するなんて!」と一人で盛り上がり、うやむやに葵と七海の家に居座ることになった。
葵が帰った後、翔太と食事を終え翔太に葵と引き合わされたことに戸惑いながら帰宅したあかりが気持ちを落ち着けていると、同居人の太めの体型の高梨恵里香が浴衣で帰って来た。祭デートしてきたという。「あんなに金魚掬うの下手な男、見たことない」と恵里香は一匹だけ持ち帰った金魚を水槽に入れた。水槽には元々二匹の金魚がいたが、一匹増えて三匹になった。
公平が同窓会を開くと意気込む翌日、翔太が研修医として優秀に働く病院にその公平が前触れも無く現れた。「来ちゃった」「公平」少なからず驚く翔太。その日、葵は建築事務所で始めて設計を任された。幼稚園の兎小屋だった。明日までに仕上げろという。「ほんっと水臭いよなぁ」病院では公平が何も知らせてこなかった翔太に文句を言っていた。「あかり、皆と顔合わせ辛いんじゃないかと思って」翔太はそう言ったが、公平は7年経ち、誰も気にしない、同窓会来いと誘った。夜、同窓会の時間になったが、
2に続く
葵が帰った後、翔太と食事を終え翔太に葵と引き合わされたことに戸惑いながら帰宅したあかりが気持ちを落ち着けていると、同居人の太めの体型の高梨恵里香が浴衣で帰って来た。祭デートしてきたという。「あんなに金魚掬うの下手な男、見たことない」と恵里香は一匹だけ持ち帰った金魚を水槽に入れた。水槽には元々二匹の金魚がいたが、一匹増えて三匹になった。
公平が同窓会を開くと意気込む翌日、翔太が研修医として優秀に働く病院にその公平が前触れも無く現れた。「来ちゃった」「公平」少なからず驚く翔太。その日、葵は建築事務所で始めて設計を任された。幼稚園の兎小屋だった。明日までに仕上げろという。「ほんっと水臭いよなぁ」病院では公平が何も知らせてこなかった翔太に文句を言っていた。「あかり、皆と顔合わせ辛いんじゃないかと思って」翔太はそう言ったが、公平は7年経ち、誰も気にしない、同窓会来いと誘った。夜、同窓会の時間になったが、
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