羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

花咲舞が黙ってない 1

2015-07-30 21:14:34 | 日記
「仕事中は私服なので、好感を持って頂けるよう、常に! 気を配ってます」花咲は物凄いカマトトぶりで社内報の女性行員特集の取材に答え、相馬を呆れさせていた。ロビーで写真撮影が始まると昭和のアイドルのようなポーズを連発する花咲! そこへ真藤常務が児玉次長や取り巻きを引き連れ現れると相馬は慌て、知らせようとしたが、よく伝わらないままぶりっ子ポーズで真藤と鉢合わせする花咲!「ぬぅあおおっ?! おはようございます。真藤、常務!」ビビったがなんとか取り繕う花咲。「中々活躍しているようだね」真藤は笑顔を作って立ち去ったが、花咲達と離れると即、真顔に戻った。
社内報の取材が片付くと、花咲達は町田支店へ向かった。どうもストーカー事案が発生したらしい。犯人は行員である可能性があり、内々に処理するというのが本部の意向だった。「青天の霹靂ですよ。頼みたくなかったんですが、ウチの行員が騒ぐから」支店長の春日が事なかれ主義だった。もう一人、被害の出た融資課の課長小見山も厄介そうだった。「だから! 私は融資課に女を入れるのは反対だったんですよ!!」小見山は春日より年上でイライラした様子で、『女』にかなり拘っている風だった。
被害を受けたという融資課の前原美樹にも話を聞いた。「始まったのは3ヶ月くらい前です」最初は無言電話、次に尾行、先日はとうとういない間に部屋に侵入されていたという。目につく物は特には盗られていなかった。前原は侵入のあった当日、家の鍵をなくしていた。鍵を入れた鞄は融資課の自分の机の下に置いていた。この為、前原は融資課の同僚の中にストーカーがいるのではと疑っているのだった。
単純な花咲はすぐに融資課の課長を除く男性行員9名にストーカーなのか直接聞く構えを見せた! これに、
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花咲舞が黙ってない 2

2015-07-30 21:14:26 | 日記
「何言ってんのお前? 何言ってんの?」大事なことなので2回警告する相馬! 結局二人は一計を案じ、臨店班ではなく『人事部』の職場改善の為のヒヤリングという設定で9名全員と個別に面談することになった。「問題無いです」最初に面談した和田は当たり障り無い様子。次の北野は「同期はそれなりに出世しているのに!」と恨みがましく、ストーカー云々の話どころではなかった。そして、古橋に面談を行うと前原の仕事ぶりを評価しているようだった。その後も面談を続けたが、目立った収穫は無かった。
「君もこれで気が済んだでしょう?!」面談の報告に、春日はさっさと幕引きをしようとした。小見山も追い打ちを掛けてきた。「よくあるだろ? 自意識過剰な女が電車の中で痴漢されたって騒ぐパターンが」花咲は異論を述べようとしたが相馬に止められ、前原もそれ以上は訴えられず、ストーカー騒動に対する町田支店としての対応はこれで打ち止めとされてしまった。
花咲と相馬は前原を連れ、花咲の実家の居酒屋を訪れた。花咲の父は美人の前原にやたらサービスだと料理を差し出した。「調査は続けるつもりですから」勝手に決める花咲に相馬はゲンナリした。前原は町田支店に配属された時から小見山に目を付けられていたという。また前原は倒産した青山建業の融資を担当していた為、責任を取らされ近々飛ばされる見通しだという。回収不能額は2億円に上った。暫く酒を呑み、話がストーカー騒動に戻ると、尾行されるのは銀行の水曜のNO残業デーが多いという。「張り込みましょう!」「また刑事みたいなことするつもりかよ!」と言いつつ花咲に付き合うことになる相馬だった。
水曜日、花咲と相馬は前原の自宅マンション近くで張り込みを行い、昔刑事に憧れていたという芝崎次長も町田支店の前で
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花咲舞が黙ってない 3

2015-07-30 21:14:19 | 日記
張り込みに協力していた。「こちら芝崎、配置に付いた。どうぞ」電話でノリノリの芝崎。前原が駅から出ると餡パン片手にその後に続く芝崎! しかし、女子高生数名にぶつかり、一人の持っていた鏡を割ってしまいモメだす芝崎! 気が付くと前原も先へ行ってしまった!「ごめん見失った! ちょっと今、手が離せないから、後はそっちで頼む!」怒った女子高生達に囲まれた芝崎は電話を切ってしまった。「え? 切れちゃいました」「まあ、期待はしていなかったけどな」やはり花咲と相馬だけで対応することになった。
自宅マンション近くの駅から出た前原とメールで連絡を取り、さらにストーカーらしい前原の後をつける背広の男の姿を認める花咲達! 連絡を取り前原を無事、自宅マンションに入れるとマンションの前までつけてきていた男に「ちょっといいですか?」相馬が声を掛けると、マスクに眼鏡姿だった男は相馬と花咲を突き飛ばし逃げ出した! 追う花咲! 相馬は機転を利かせ花咲とは別方向から回り込みに掛かった。結構足が早い花咲!「待ちなさい!!」男の進行方向に相馬が回り込んだ! 後ろには花咲! 男は道の脇のフェンスをよじ登りだした! 花咲は近くのゴミ捨て場のゴミ袋を掴み上げ、「んがぁッ!」男に投げ付けた! ゴミ袋は男の頭部に当たり、男は落下した。落ちた拍子に眼鏡は吹き飛んだ。前原も駆け付ける。マスクを取ると、「古橋君?!」融資課の、面談で前原を誉めていた男だった。
古橋は町田支店に引っ立てられた、御用!!「ずっと、前原さんのことご好きでした。でも相手にしてもらえなくて、すいません」古橋は春日と小見山を前に土下座した。「部屋にまで入るなんて、最低ですよ?!」花咲に言われ戸惑う古橋。「そんなことしてません!」部屋への侵入のみ否認する古橋。「この期に及んで
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花咲舞が黙ってない 4

2015-07-30 21:14:08 | 日記
シラを切るのか?!」一喝する小見山。古橋はなお部屋への侵入を否定したが、春日に本部の沙汰が下りるまで自宅待機を申し渡された。
「わざわざありがとうございました」さすがに支店まではついて来ず、自宅で待っていた前原に直接顛末を伝えにきた花咲と相馬。花咲は古橋の申し開きの違和感を述べたが、相馬に嗜められ、引き上げようとしたが、ふと机の上の資料に目を止めた。「青山建業の残務資料です」資料の持ち出しは違反だが、コピーだという。前原は青山建業の倒産を計画倒産ではないかと疑っていたのだが、春日や小見山にはね除けられていた経緯があり、独自に調べていたのだった。相馬が資料を確認すると、破り取られたページがあった。破られたのは振込先リスト。最後に見たのは部屋に人が入る前だった。「この部屋に入ったのは古橋君じゃないかもしれないぞ」相馬は隠蔽の可能性を指摘。花咲達はこの件に関しても調査を始めた。
相馬と花咲は本部の債権回収部にうるさがられながらも青山建業の資料を入手したが、振込先リストは提出された時点で抜かれていた。相馬と花咲が青山建業の残務資料を持っていたことを知っていた人間を前原に確認すると、融資課で小見山にその事を叱責されており、少なくとも融資課の9名と小見山は確実に知っていた。リストに関し、相馬は青山建業にも当たったが、「個別の債権者に資料は渡せないとさ」と空振り。「こうなったら地道な方法でいくしかないかぁ」「方法があるんですか?」「無い、ことも無い」相馬は花咲と本部に戻った。
相馬は臨店オフィスに大量の資料を持ってきた!「青山建業のここ一年の振込データだ」「これ、ぜーんぶチェックするんですか?」「地道な作業だって言わなかったか?」花咲は髪を纏め、相馬と資料チェックを始めた。データベースとの照合作業は徹夜で行われ、
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花咲舞が黙ってない 5

2015-07-30 21:13:59 | 日記
翌朝、ついに、一つの振込先を見付けた!
前原にあらましを伝え、諸々の手筈を整えた相馬と花咲は、町田支店に現れた! 前原のいる前で春日と小見山が対応する。相馬は古橋の処分が異動を伴う戒告と伝えると春日は拍子抜けし、小見山は動揺した。「住居侵入の件は勿論、刑事事件にします」相馬は硬く言った。「前原さんの部屋に侵入したのは古橋さんではありません。あなたです、小見山課長」「デタラメを言うな!!」花咲に言われ、猛然と反論する小見山だったが、相馬が花咲と二人で大量の資料から見付けた、経営実態の無い小見山の妻が代表となっているコンサルタント会社に青山建業から500万円の振込があった記録を提示されると、「クソォッ! お前らなんかに何がわかる?! いつになったら支店長にしてくれんだよぉッ!!」小見山は同期の女性にも追い越されていた。「たかが500万貰ったくらいで」と言い出すと、「お言葉を返すようですが、あなたが与えようとした損害は2億を超えます! 信用に傷をつけるところだったのです!! それを救ったのは前原さんです」「黙れ!!」「黙りません! 一番責任を取らなければならないのは、あなたです!!」小見山は観念し、床に腰を落とした。
小見山は懲戒解雇、春日は地方に飛ばされたが、前原は処分を受けなかった。騒動後、芝崎が冒頭花咲が取材を受けていた社内報を持ってきた。早速見てみると、「小っさっ」突っ込む相馬。花咲は奇妙なポーズで誌面の端に小さく載っており、インタビューもわずか数行だった。「なんでぇ~」花咲は悔しがり、相馬と芝崎はウケるのだった。
・・・いっけいの上着の脱ぎ方は笑かしにきてたな。相馬が優秀だから油断すると一人で全部解決しそうになるぜ。