羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

俺物語!! 1

2015-07-30 21:13:49 | 日記
チーマー(死語?)風の連中をビビらせつつ、猛男は大和と待ち合わせた。季節はもう冬だった。「皆、クリスマス暇みたいなんだぁ」大和は夏、海で遊んだように、猛男の仲間達と短髪達も合わせてクリスマス遊ぼうと誘ってきた。「よし、そうしよう!」猛男が断る理由は無かった。「えーっ?! 女子とクリスマス会!!」アフロ達は燃えた!「大和さん万歳ッ!!」沸き立つアフロ達は猛男を胴上げして受け切れずそのまま潰れたりして大騒ぎだった。騒動を離れ、諦め顔の砂川を猛男が来るよう誘っていると、同じく騒動を抜けたアフロが来た。「俺さぁ、クリスマスに菜々子ちゃんに告っていいかい?」短髪のことだ。「何がだ?」「付き合ってくれませんかって告白!」意外に思いつつ、了解した猛男。(がんばれよ!)猛男は応援することにした。
話が具体化すると、短髪も大和に相談してきた。女子トイレで協議する二人。短髪は1度アフロと映画を観に行った際、手を握られたがどうもはっきりしないという。「言われたら付き合ってもいい」とその気がある風の短髪に、大和は応援する気、満々になった!! 後、猛男と大和は設備のしっかりしたカラオケボックスにクリスマスイヴの予約をしに行った。店の中庭には大きなクリスマスツリーがあった。店員から、ツリーの上部の他と違う形の星の飾りを取って告白すると恋が叶うと教えられたが、「俺にはもう必要ねーから」と答える猛男だった。
そしてクリスマスイヴ会当日! 男子と女子はそれぞれプレゼントを持ち寄り、待ち合わせた。猛男と大和は短髪とアフロの仲を取り持つことを事前に申し合わせてあった。「ナハハ、菜々子ちゃん生足?! 寒そう!」出会い頭にアフロは短髪に一撃入れ、少し機嫌を損ねた。短髪は襟元のモコモコしたコートを着ていたがスカートは短く、気合いで生足で来ていた。かなり広いカラオケ室からは
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俺物語!! 2

2015-07-30 21:13:40 | 日記
中庭のツリーが見えた。大和は店員からの受け売りの恋が上手くゆく星の話を皆に聞かせた。
「あんなの取れるの猛男しかいねーよ」などと言ってまた短髪を引かせるアフロ。短髪が几帳面そうにソファに座ると別の女子が隣に座ろうとしたが、大和が素早くカットに入り、遠くに座っていたアフロは猛男がグイグイ背中で押して、短髪の隣に移動させた! 困惑する短髪。普通の高校生にしてはそこそこの価格帯と思われる料理が並び、「メリークリスマス!!」乾杯となった。ほぼ顔馴染みでもあり、盛り上がる一同。猛男が、大和が辛過ぎて食べられなかった料理を食べてやっているのを見て、羨ましそうする短髪にアフロが彼氏の理想は高いでしょう? と連発しだしたりもした。微妙にかする感じはあるが、告白する気配無し。「ツリー見に行かない?!」大和がテコ入れを試みた!
「綺麗!」「うおぉッ!」盛り上がる男子と女子達。写メの撮り合いが始まると、壁際の短髪の手をアフロが握った! 驚く短髪。が、すぐ離し仲間の輪に戻るアフロ! ちゅ、中途半端なことをッ! 一同が寒いと中に戻り出すと、拳を握って立っている短髪に「菜々子ちゃんもおいでよ」と急かすアフロ。「あたしって、栗原のなんなの?!」栗原とはアフロのことである。「え? 友達? みたいな?」へらへらするアフロ。短髪は傷付いた様子だった。
カラオケ室に戻り、プレゼント交換が行われた。大和が袋に色違いの紙帯で繋いだそれぞれのプレゼントを入れ、帯を引いてプレゼントを選ぶ仕組み。砂川は猛男の熊の木彫り。次の女子が短髪のプレゼントを引こうとすると、大和は全力で回避した! アフロが引こうとすると、猛男が直球で短髪の帯を差し出した! 中身はニット帽だったが、アフロの頭に乗せると河童の皿のようになり、おどけるアフロに短髪はややガッカリしていた。
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俺物語!! 3

2015-07-30 21:13:32 | 日記
短髪が大和から無理から引かされたアフロからのプレゼントは筋トレ用のラバーチューブだった。ここまでの経緯もあり、イラッとくる短髪。プレゼント交換が終わり、カラオケが再開された。アフロの持ち歌が入る。「女子、一緒に歌ってぇ!」軽いノリのアフロ。さらに苛立つ短髪!「菜々子もこれ、上手いよねぇ」大和の一言で一緒に歌う流れになり、アフロと歌うことになる短髪。歌いながらスマホで『友達』として写メを撮られるアフロと短髪。アフロははしゃいだが、短髪は我慢の限界だった。短髪はマイクを置き、荷物を取ると黙って足早にカラオケ室を出て行った。唖然とする一同。大和は後を追い、猛男に促されアフロも遅れて追った!
「あれぇ? 女の子だ」「何してんのぉ?」別のカラオケ室から出てきた冒頭のチーマー(死語?)風の男達に絡まれる短髪と大和! 短髪は対応できそうにない大和をフォローするように傍に寄ったが、ちょうど通路の向こうに遅れてアフロが現れた。「あっ」アフロは即、通路を走って引き返した! ショックを受ける短髪。絡まれ、大和を庇う短髪。そこへ、「こっち! 早く早く!」アフロの手引きで猛男が駆け付けると、不良達は素早く退散して行った。「猛男君!」猛男にすがり付く大和。「菜々子ちゃん大丈夫?」「なんで自分で助けてくんないの?!」声を掛けたアフロに短髪は激怒した! 短髪は駆け出し、「菜々子?!」大和は後を追った。アフロは茫然と見送るしかない。
カラオケ店の出入り口で大和は短髪に追い付いた。「凛子に言うんじゃなかった! 変にくっつけようとしないでよ! 皆が皆、凛子と凛彼みたく、わ~い大好き、わ~い両想いって訳にはいかないんだって!!」「ごめん」短髪は走り去った。大和が追えずにいると、猛男が来て肩に手を置いた。「俺達は黙って
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俺物語!! 4

2015-07-30 21:13:22 | 日記
見守ることを覚えなきゃいけなーなぁ」「そうだね」そのまま中に引き返すと、アフロは通路でしゃがみ込み、落ち込んでいた。砂川が近くで黙って様子を見ていた。「だってさぁ、俺一人で三人に勝てる訳ねーしさぁ。菜々子ちゃん、危ない目に合ったりしたらさぁとか思うじゃん?」正論的ではあるが、ぶつぶつ言い訳とも自己嫌悪ともつかないことを言い出すアフロ。(何もしない優しさ、黙って見守る暖かさ)愚痴が続くアフロ。(何もしない優しさ! 黙って見守る暖かさ!)まだまだ続きそうな愚痴! 猛男は前言を撤回した!「それでもお前に助けてほしかったんじゃねーのかぁッ!! 男だろうがぁッ?!」猛男に襟首掴まれ、アフロは腹を決めたようだった!
アフロは中庭のツリーに登り出した! 星を取るつもりだ。落ちる度に猛男に木に投げ返されている。「何やってんの栗原?!」大和に電話で呼ばれ、短髪は戻ってきた。「俺は猛男みたいに強くねーけど!」アフロは星の飾りを取った。速攻で落下したが、猛男が「ふんッ!」とキャッチする。「俺の彼女になって下さい!!」星の飾りを差し出すアフロ。「結構性格キツいけど、いいの?」「そこも好きだ!」「あたしも栗原のヘタレなところも好き!!」周囲の客も今日カラオケに来たメンバーも告白成功を祝した。安心した大和も猛男に作ってきていたシュトレンを渡した。
それから、終業式の後になると、「もっしー! どっかで見てんじゃね?」「えへっ、もう、違うぅッ!」と、デレデレした様子で電話を掛け合うアフロと短髪なのだった。
・・・ヤンキートラブルは概ねアフロの対応でいいはずだが、そこまでに相当怒らせてたかんね。進学を機会に別れそうなカップルではある。短髪は将来仕事もできるだろうしな、アフロではちょっと、なぁ。