我が国は、経済を優先する為にコロナに関する様々な規制緩和を進めているが、愈々、国産のコロナ治療薬の薬事承認をし、感染法上の二類から五類への区分移行の検討もなされようとしている。確かに、冬季になって感染者は増加しているものの、ワクチンの効果なのか致死率は低下傾向にはある。また、百年前のスペイン風邪の時に比べて、現時点での推定での死者数は遥かに少ないとも考えられる。諸外国がウイズコロナに踏み切り、マスク着用義務も緩和されていることから、我が国でもインフルエンザと同様の扱いを求める声も大きいのだろう。それに加えて、厳格なコロナ封じ込め政策を続けてきた中国でも、規制に反対するデモが起きていると伝えられている。中国政府が規制緩和政策に転じるのが先か、それとも、封じ込め政策にも関わらずコロナ感染が広まってどうしようもなくなるのが先かわからないが、大躍進運動、文化大革命、天安門事件など、自らの政権を守るためには国民の命を犠牲にしても厭わないという、共産主義専制国家の中国でのこの動きは、その背景について注目すべきだろう。
これらの動きを見ていると、スペイン風邪も約三年を過ぎて普通の風邪となったように、コロナも、そろそろ世界的には普通の流行り病と見なされようとしているのではなかろうか。もっとも、それだからといって、この伝染病を軽視すべきではない。主に飛沫・空気感染で伝染することから、密閉した場所や、密集した集団の中にいれば感染リスクは高いし、その場所としては、トイレやレストラン、満員電車、イベント会場なども想定されるし、マスクをしていても、目からウイルスを含んだ飛沫が入るということもある。しかも、感染者に無症状や軽症の人が多いといっても、高齢者や持病のある人には依然として重症化する危険性があり、後遺症も長期化するとも言われている。コロナ前でも、私の知っていた人はインフルエンザ肺炎から回復した後、自己免疫が自分の身体を攻撃する症状を起こして死亡したが、この新型コロナでは、そのようなことが多数起こっているのではなかろうか。それでも、人類が生き延びて繁栄を続けていく為には、多少の犠牲を払ってもウイズコロナで行く以外には無いのだろう。後は、自民党・政府などから聞くことの多い、「自己責任」ということになるんだろう。世の中は冷酷なのが普通で、弱者は疎んじられるのが世の中の常なんだろう。