新型コロナウイルスもオミクロン株に変異し世界的に感染者数が増加しつつある中で、年末年始を故郷で過ごそうという人の数はコロナ前に復しつつあるという。お目出度いというべきか、怖さ知らずというべきか、子供にも感染しやすいという変異株が流行りつつあるのに、スーパーなどは子連れの人で満員だ。テレビをつければお笑などの年末年始の番組だらけでうんざりする。かといって、高齢者はうかつに外出した時のコロナ感染リスクが怖い。
選挙対策なのか、はたまたコロナ対策なのか、政府は、大胆なバラマキ財政で歳出を増大させているが、子どもが減っていく5倍近いスピードで高齢者が増えている現実があり、出生率の減少だけではなく非婚化も進み、人口減少が急速に進む社会では、現役世代が高齢者等を支えるという社会福祉制度の限界がすぐそこに見えてきている。
更に、最近、全国で相次ぐ地震活動は、南海トラフ巨大地震などの大災害が近づいている気配を強く感じさせる。台湾有事が日本に及ぼす安全保障危機も懸念されるが、戦後77年間、平和に慣れて親しんで来た日本人にとって、自然災害はともかく、戦争危機などは遠い世界のことになってしまっている。しかし、いざ、そのような事態が発生すれば、日本中で、流通がストップし、物資が欠乏し、多くの人命が失われることが普通になるという悲惨な事態になる可能性がある。これは、自己利益しか考えない政治家に政治を委ねて来た我々の責任でもあるし、平和憲法の名の元、米国に安全保障を丸投げにしてきた戦後政治のつけであるとも言えるだろう。
労働人口の減少については、70年代には既に予測されていたことであるが、日本は、人件費の安い中国などに余りにも安易に生産拠点を移し、国内での3k職場などには研修生の名目で外国から低賃金労働者を招き入れ、日系人の派遣労働者も増加させた。その為、国内でのサラリーマンの賃金は、過去30年間大部分の業種で増加しないことになった。アベノミクスなどは、経済統計の誤魔化しであって、購買力平価では、日本は、台湾、韓国などの下の33位に落ちてしまっているのが現実ではないか。女性労働者の増加にしても、非正規労働者の増加につながってきたが、経営者は、あくまで非正規労働者を正規社員の雇用の調整弁としか見ていない。我が国では、大部分の人々がサラリーマン化してしまった結果、益々、お上の方針に逆らおうという人が少なくなり、企業内労働組合は経営と一体化して、本来の機能を喪失してしまった。
ここに至って、我が日本は、世襲政治家の指導の元、老害国家、衰退国家となりつつあり、農林水産業などの担い手も減少した上、経済的には、先進国の地位さえ失おうとしている。これに対して、学歴社会で選別されたエリート達は、その責任を果たすことなく、自己保身に走り、海外へ移住しようとする人も増えている。こんな日本に誰がしたのだろうか。