「ラ」?「ラ」ね。
うーん、「ラ」が頭につく曲は豊富なので
あれこれ迷ってしまうのだけど
ここは一つ王道を題に取らせて頂こう。
「ラウンドロマット/ロリー・ギャラガー」
ええ、最近でこそ
「ミュージシャンズ・ミュージシャン」のような扱いになってしまい、
あまり話題に出す人もいませんが、
ブルースロック業界でトップクラスにブルース度が高い
そんなスーパーギタリストといえばこの人!
ロリー・ギャラガーですよ!
ボロボロのストラトをレンジマスター
(ギターのシグナルをブーストする機材)
を通して「ヴォックスAC30」アンプにプラグインし、
チャイミーなクリーンからアンプが限界を超えて鳴っている
そんなギャンギャンのドライヴサウンドまで
手元のコントロールだけで操りながら
歌とハーモニカまで見事にこなす、
まさにロックを王道的ブルーススタイルで乗りこなした
偉大なるアイリッシュ・ブルースマンであります!
(しかもスライドも上手けりゃ、マンドリンなんかも弾きこなす多才っぷり)
今回ご紹介の当曲「ラウンドロマット」は
大名盤「ライブ・イン・ヨーロッパ」のA2に収録。
観客の手拍子に応えるようなシャッフル・ビートにノって
ロリーの豪腕リフが火を吹くロケンローナンバーであります!
(個人的にヴァン・ヘイレンの「ホット・フォー・ティーチャー」の元ネタなんじゃないかと疑っているのですがどうでしょうねぇ?)
ロックンロールらしいサウンドの中でも
歌と呼応するよう細やかにギターのドライヴ感をコントロールする
ブルースフィールあふれるロリーのギターはもちろんながら、
ゲリー・マッカヴォイ(b)とウィルガー・キャンベル(dr)のリズム隊がすごい!
ロリーはデルタスタイルの影響が強いのか
割と曲中でも自分のタイム感に従って
テンポに対し突っ込んで弾いたりモタらせたりするのだけど、
二人ともバチッとロリーに合わせていく!
ときにはロリーと同じタイム感で。
ときにはロリーの奔放なプレイを支えるように
ジャストのタイムでバックアップし、見事に緩急をつけていく!
(正直ZEPのジョンジーとボンゾ並に息の合ったリズム隊だと思うが、残念ながら一般的な評価を聞いたことがないんだよなぁ)
クイーンのブライアン・メイが
ロリーに憧れて似た機材を使っていたり、
ミック・テイラー脱退後のストーンズに誘われたり(入らなかったけど)、
リッチー脱退後のパープルに誘われたり(入らなかったけど)、
デビュー前のボンゾがロリーの大ファンで
ZEP加入前にロリーと組みたがっていた為、
危うくZEPが結成されないところだったり(されたけど)、
と業界内人気の凄かったロリー・ギャラガー。
そりゃそうでしょう、これを聴けばその気持ち分かるもの(笑)。
(余談だがプライベートでは物静かな物腰の柔らかい人だったらしいので、そういう所も人に好かれた一因でしょうな。)
当曲収録の「ライブ・イン・ヨーロッパ」は
そんなロリー・ギャラガーの魅力がロッキンなバンドサウンドあり!
デルタ・スタイルでの弾き語りあり!
で満ち溢れた超名盤!
ぜひアナログでご一聴頂きたい次第であります。
というわけで次回は「ト」……
あれ?前回も「ト」だったな……
まぁいいか!名曲しりとりにお題切れはないでしょう!
というわけで編集長!
次回も「ト」で!よろしくお願いします!
《 ハウリンメガネ筆 》