狩人の道東放浪記 Ⅱ

定年後道東に移住しました。
しかし2年後、都合により帰郷しました。徳不孤必有隣の旗印は同じです。

奈良市・下下味亭

2013年09月06日 | 内地の紹介
昭和40年代奈良市に住んでいた。非番のある職場は他の町にあり、奈良交通の特急バスで通勤していた。大仏前が終点であったが、一つ手前の博物館前で下車していた。理由は「下下味亭(かがみてい)」で昼食を頂くためだ。
民家の一間に籐の敷物が敷いてあり、火鉢とちゃぶ台と小さな座布団があるだけの質素な部屋だ。上がり框の横には竃があった。メニューはなく定食(一種類)だけであった。人数を確認すると女将さんが御櫃を持ってきた。ご飯は薪で炊いていた。拙は青菜とアゲの煮物が好きだった。カヤクごはんも良く出されていた。
ごく普通の家庭で出されるオカズが出された。
観光客はほとんどなく、バスガイドさんらが常連客だった。

満腹の腹をさすりながら、隣の日吉館を眺め、道を隔てた写真屋で仏像を鑑賞した。
登大路の坂道をブラブラ帰るのは至福のひと時であった。近鉄も油阪からは路面を走っておりパンタグラフの火花を見ると芥川龍之介を思い出した。
残念ながら下下味亭の写真はない。あまりにも日常すぎて撮影しなかった。この頃撮影した二月堂への道を添付した。当時の雰囲気が伝われば幸いである。


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