悠翠徒然

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競書漢字課題『空』

2017-09-04 11:51:35 | Weblog
先日blogにアップした『空翠落庭陰』の意味は、ご覧になられましたでしょうか。

意味、深いですね〜

感動ものです。

さて、まずは『空』から私的解説をしてまいりましょう。



墨をたっぷりと筆に含ませて書いていますね。

『空』らしく、空間に何か深い意味を持たせるかのような不思議なバランスです。

1画目より、3画目のはらいの方がボリュームがありますね。

本来ここにだけ目がいってしまうのですが、そうさせないのは、5画目がその払いのエネルギーをしっかり受け止めている形である事と、最終画の起筆を少し左側から書いてそこにボリュームを持たせて、バランスをとっているからでしょう。

実に絶妙なバランス感覚です。

この『空』の決め手は、バランス感覚と空間にあり、です。


ちなみに、『空』の部首はウ冠ではなく、穴冠です。

虚しくぽっかりと穴が空いたような感じも、空にはありますからね〜

さて、次回は『翠』です。

和翠塾の『翠』ですから、ここは軽くは扱えませんね〜(笑)







漢字の書き順

2017-09-04 06:59:46 | Weblog
とめはねと同じぐらい難しいののがこの書き順です。

外国人にはなおさらでしょうね。

それでも、お手本の起筆に数字を書いておけば、スムーズに書くことができます。

小学校の時にも、そのように記載された教科書やドリルをやってきましたよね。

それでも、『馬』の書き順を間違わずに書ける大人は約五割ほどしかいないのだそうです。

『成』に至っては、三割代なのだとか、、、

学年が上がるにつれ、書き順の問題はなくなり、試験のほとんどでは、漢字が書けるかどうか、とめはねが間違っていないかどうかだけをみることになって行くのも、その要因のひとつでしょう。

ところがこの『とめはね』、文科相では数年前、とめてもはねても、払っても払わなくても良いよ、どれも正解!と言い出したようなのです。

それまでの教育をうけてきた身としては、?となりますが、書道に関わるものとしては『ようやく、か』となります。

様々な過去の美しい楷書漢字を、とめはね払いが違うだけで否定するような教育はよくないでしょう。

楷書の書き順を正しく覚えないと、行書を書けないなんてことはありません。

行書は楷書を崩したものではないからです。

隷書の速書きが行書なのですから。

書き順も、国によって違う漢字があります。

それぞれの国が、違う書き順の相手国を否定したひ非難することは出来ません。

解釈が違うのですから。

我が国では、象形文字に遡れる漢字は、そこから書き順を決めたと聞いたことがあります。

これはこれで根拠があるように思えます。

でも、わたしの根拠のは違います。


書道の臨書においては、お手本が払ってあればはらい、とめてあれば止めるのが正解。

なぜならそれが、そのお手本の文字の美しさを創り出している要素だからです。

私が間違えている書き順を見かけて声をかけるのは、『空間の筆意』が無理なく運ばれる事を目的としています。

『空間の筆意』を『書きやすい』と変換してもよいです。

つまり無理ない運筆をする事で、筆先に気を入れやすくなる事を大切に思うからです。

学校で教える書き順と違うことも、気を入れた文字の美しさを求める時にはありなのです。

とめはねはらいも書き順も、全ては美しさを求めるためにある、とわたしは考えています。