アメリカノウゼンカズラ
何年前になるかな、夏が来ると南国的なオレンジ色の花を咲かせる人様のお宅のノウゼンカズラに魅了され、我が家にも迎え入れたのだけど、咲いた花を見るとそれはアメリカノウゼンカズラで、とてもがっかりしたことを今でも覚えている。
毎年小ぶりな花が咲く度に、(君じやなかったんだ、ほんとはね)と誰に向けるでもない恨みがましい気持ちを抱いて眺めていたくだんの花は新たな駐車場を作ることになって、ごっそりユンボに引き抜かれてしまって、(ああ、悪かったなぁ、君が悪い訳じゃないのに・・・。心から愛せなかったのは仕方ないけど、それなりに楽しませてもらったよな、ありがとう)と挨拶したはずが。
君も生き残るのに必死だったんだろうさ、あちこちに根っこを伸ばして翌年には思いがけない所から、葉っぱを繁らせて立ち上がってきたのには驚かされたね。
追加駐車場のお陰で、厄介払いが出来たと言う思いがあった自分の気持ちをそこで知ることになる。
そして、毎年ところ構わずはびころうとする君との戦いがずっと続いていて、もう何年も花を見ることもなかったのに。
ふっと薪囲いから、ひと枝垂れてる葉先にツボミを見つけた時には、妙な仏心が生まれて、(咲かせてあげるよ)と思っちまったんだ。
今朝開いた花はセミの鳴き声をBGMにゆらりゆらり風と戯れている。
もう8月も終わるけど、多分人生も一瞬。
その彩りの夏の風物詩。
何年前になるかな、夏が来ると南国的なオレンジ色の花を咲かせる人様のお宅のノウゼンカズラに魅了され、我が家にも迎え入れたのだけど、咲いた花を見るとそれはアメリカノウゼンカズラで、とてもがっかりしたことを今でも覚えている。
毎年小ぶりな花が咲く度に、(君じやなかったんだ、ほんとはね)と誰に向けるでもない恨みがましい気持ちを抱いて眺めていたくだんの花は新たな駐車場を作ることになって、ごっそりユンボに引き抜かれてしまって、(ああ、悪かったなぁ、君が悪い訳じゃないのに・・・。心から愛せなかったのは仕方ないけど、それなりに楽しませてもらったよな、ありがとう)と挨拶したはずが。
君も生き残るのに必死だったんだろうさ、あちこちに根っこを伸ばして翌年には思いがけない所から、葉っぱを繁らせて立ち上がってきたのには驚かされたね。
追加駐車場のお陰で、厄介払いが出来たと言う思いがあった自分の気持ちをそこで知ることになる。
そして、毎年ところ構わずはびころうとする君との戦いがずっと続いていて、もう何年も花を見ることもなかったのに。
ふっと薪囲いから、ひと枝垂れてる葉先にツボミを見つけた時には、妙な仏心が生まれて、(咲かせてあげるよ)と思っちまったんだ。
今朝開いた花はセミの鳴き声をBGMにゆらりゆらり風と戯れている。
もう8月も終わるけど、多分人生も一瞬。
その彩りの夏の風物詩。