那覇の公設市場近くにある小さな古本屋が
BSの「ひまわり本屋堂」に出ていました。
この古本屋を見たことはあったけど、
店主の方がジュンク堂書店(池袋本店)出身の方とはびっくり。
彼女の行きつけのコーヒーショップは、
こないだ帰省した時に行った、平和通りの裏手の店で
そのお店の店主もまた横浜出身でした。
最近、沖縄に帰ると
他県出身の人がやっているお店を
本当によく見ます。
そういう人たちのお店は、
なんというか、
沖縄の人がやっている以上に沖縄っぽい。
沖縄生まれのワタシは
単純に「ないちの人はセンスがいいから」
と片付けていたのですが、
この番組を見た時に、ふと、
どうもそれだけではないような気がした。
この古本屋がある商店街の人(地元)が
「他県から来て商売をしている人は、
地の利がない分必死だ」と言っていました。
確かに「地元」には見えない糸がある。
その糸は驚くほど緻密に絡み合っていて、
透明だけど、外からは入れない薄い布のよう。
そんな中で商売をしていこうとなると
必死にならざるを得ないだろう。
ゼロどころか、マイナスからのスタートなのだから。
そしてもうひとつ、
この古本屋の店主の方もそうだけど
沖縄のことを愛して愛して愛しまくっている。
私だって生まれ育った沖縄のことを愛している。
でも、その愛し方はなんというか、
生まれた時からDNAに入り込んでいる愛情で、
あえて外に出す必要がないと思っている。
でも、オトナになってから沖縄を愛したこの人たちは
その愛を他の人にも伝えたくて伝えたくて
なんとか形にしようとしているんではないだろうか。
沖縄の海や空やみどり、
その中に生きるひとたちと伝わってきたもの。
生まれた時からその中にいた私たちは
そういうひとたちが形にした「沖縄」を
目の当たりにして、時折ガツンとやられるのです。
自然に享受していたものの力を思い知らされて。
ふるさとは、遠きにありて思うもの。
そして遠つ土地から来た人に、その尊さを学ぶもの。