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秋の実:譲葉

2024年11月16日 | 花さんぽ・花めぐり

子孫繁栄の象徴「ユズリハ(譲葉)」(Daphniphyllum macropodum)にブドウのような実が生っています。

漢字表記は「譲葉」だけでなく、「楪」「杠」「弓弦葉」と書くこともあります。

別名:ショウガツノキ(正月木)、オヤコグサ、ツルシバ

ユズリハ科:属の常緑中高木。樹高:4~10m。

日本(本州・四国・九州・沖縄)、朝鮮、中国に分布。

若葉とその下で落葉を控える古葉

若芽が伸びだしてから古い葉が落ちるので代を譲るということから縁起木として正月の飾りに用いられる。

亡父が作った正月飾り(しめ縄)。材料はユズリハ、ダイダイ、ウラジロ、藁、障子紙

長さ8 ~20 cmほどある葉柄は赤紫色を帯びることが多い。

果期は6~12月で、果実は枝先に集まってつき10~11月に熟して藍黒色になる。有毒植物なので食べられません。

新芽と雄花のツボミ

花期:5~6月、雌雄異株で、花は前年枝の葉の付け根につき、ガクも花弁もない。薄黄色の葯だけを成熟させ紫褐色になる。

雄花は8~10本の雄しべのみで、雌花は子房と退化した雄しべがあります。

若葉は萌黄色に輝き美しい。

葉は枝先に輪生状に集まって互生し、長さ15~20㎝の狭長楕円形で、先端は急にとがり、縁は全縁。革質で表面は深い緑色。

 

ユズリハの品種「’斑入り’」(D. macropodum f. variegatum

別名:フクリンユズリハ(覆輪譲葉)

'白覆輪’Sirofukurin)

’黄緑中斑’’KimidoriNakafu'

'中斑’(’Nakafu’)

 

ユズリハの変種「エゾユズリハ(蝦夷譲葉)」(D. macropodum  var.humile)で、別名ヒナユズリハ(雛譲葉)

樹高1~3mほどの常緑低木で、北海道・本州中部以北(日本海側)に分布します。

複数の幹が株立ち状に生じ、多雪地方では幹の下部が地面を這うような形になります。こちらも正月の飾りに用いられます。

花期:5~6月 雌雄異株で、前年枝の葉腋から総状花序を出し、花弁もガクを持たない花をつける。

葉は長さ10~15㎝の倒卵状長楕円形で、ユズリハよりやや小さくて薄く、側脈も8~10対と少ない。

葉柄はユズリハよりも顕著に赤くなることが多いようです。

 

ヒメユズリハ(姫譲葉)」(D. teijsmannii)

別名:オオバユズリハ、アマミユズリハ、オキナワヒメユズリハ

名はユズリハよりも葉が小さいことに由来します。

木は常緑高木でユズリハよりずっと大きくなります。

福島県以西の本州と四国、九州、沖縄に分布します。

花期は5月頃。雌雄異株で、前年枝の葉腋から総状花序を出し、ガクはあるが花弁はない。

11月頃に果実は黒熟する。

本種も同様に縁起の良い木とされ、正月飾りに使われる地方もあるそうです。

手前:ユズリハ、奥:ヒメユズリハ

違いは、ユズリハの葉は垂れ下がるが、ヒメユズリハの葉は垂れ下がらない。葉柄がきれいな赤色に色づかない。

また、ヒメユズリハの葉裏は黄緑色↑、ユズリハは白っぽい。

ヒメユズリハの’斑入り’D. teijsmannii cv. 'Variegata) で、葉色は緑色に白の斑が入る。

 

なお、ユズリハの変種で、葉柄と若枝ともに赤色を帯びず緑色の「アオジクユズリハ(青軸譲葉)」(D. macropodum f. viridipes)

別名:イヌユズリハ(犬譲葉)、アオユズリハ(青譲葉)という種もあるそうです。