春に道端や空き地で野生化している「オオアラセイトウ(大紫羅欄花)」(アブラナ科)を見かけることがあります。
江戸時代に観賞用として渡来しましたが、繁殖力が強いため、野生化したものです。群生して開花すると一面を紫にして大変美しく感じます。
アラセイトウの漢字名である「紫羅欄花」は当て字で、ストックの中国名「紫羅蘭」からきているそうです。より草丈が大きく育つことから牧野富太郎博士が名付けました。
中国原産の帰化植物で同科の栽培植物アブラナ(菜の花)、ダイコン、カブなどの近縁種。
和名は「オオアラセイトウ」ですが、一般にはムラサキハナナ(紫花菜)、ハナダイコン(花大根)、ショカッサイ(諸葛菜)といった別名でも呼ばれます。
草丈50cmの越年草(2年草)。開花期は3〜5月。直径2〜3cmの紫色(濃淡あり)の十字花を総状にたくさん咲かせます。徐々に花弁の色が薄くなり、最終的には白色に近くなります。
根生葉と下部の葉は羽状に深裂し、基部は心形。上部の葉の基部は茎を抱く。縁に鈍い鋸歯があります。果実は長さ約10cmの長角果で、4個の稜が目立ちます。