白井健康元気村

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妻が若年性アルツハイマーになった  18年間の介護生活で得た結論とは…

2023-05-07 05:37:20 | 健康講座

妻が若年性アルツハイマーになった

18年間の介護生活で得た結論とは…

 

▲講師の西村文雄さん

▲西村文雄さんの講演を熱心に聞く

 

 白井健康元気村は5月6日、まちサポ「多目的スペース」(白井市役所東庁舎1階)で終活教室を実施しました。テーマは認知症です。講師は、若年性アルツハイマー症の妻を18年間も介護した経験を持つ船橋在住の西村文雄さん(82)とライフコンサルタントの宮良哲美さん(46)のお二人。

物忘れは加齢のせいではなかった

 西村さんの夫人、雅子さんは自宅でレザークラフトの教室を主宰していました。生徒に教えたり、作品の展示会を開く一方で、健康のためにと水泳や社交ダンスにも通うなど社交的で活発な人でした。
 そんな彼女に異変が起き始めたのは57歳のとき。物忘れがひどくなったのです。雅子さんも自分の物忘れが不通ではないことにうすうす気づき、夫の文雄さんに連れられて初めて国立病院の神経内科を受診しました。1998年8月のことです。

 そのときは「加齢による物忘れ」と診断されますが、雅子さんは納得しませんでした。2年後、再び病院を受診しますが、診断結果は同じ。物忘れがますますひどくなるばかり。若年性アルツハイマー症と診断されたのは、62歳になったときです。この診断結果を家族の誰もが信じられない気持ちでいっぱいでした。

 雅子さんは75歳で亡くなりますが、最後まで自宅で介護した献身的に介護したのは、夫の西村文雄さんでした。講演の冒頭、「家内(雅子さん)は『あんな恐ろしい病気はない』と言っていました」と西村さんが会場に集まった聴衆に語りかけます。「とにかく、寝たきりで、一人で食べることもできない。医者からは10年も持たないだろうと言われていました」

不安が最大の敵

 65歳以上の7人に1人が認知症と言われていたが、今では5人に1人だと言われるほど。50代後半から物忘れがひどくなったという雅子さん。西村さんは当時を振り返ります。

「前の日に何を食べたか忘れてしまう。レザークラフトを作る工程を忘れることも。親しい友人と3人で社交ダンスを習っていたけど、新しいステップがなかなか覚えられない。また、買い物の支払いに1万円札を出す。だから小銭が溜まる一方でした」

▲雅子さんがつくったレザークラフトを持つ西村さん  

 こんな兆候もあったという。

「水泳もやっていたけど、なかなかプールにやって来ないことも多々あった。なぜかと言うと、ロッカーの使い方がわからなくなったからです。それにトイレの回数も増えました。バッグの中はトイレットペーパーで一杯。でも、尿意を感じても、実際は出ない。困るのは美容院に行ったとき。長時間座っていられないんです」

 西村さんは経験から、環境を変えることは良くないと指摘します

「家内はドライブが好きだったけど、泊まりはダメでした。いつもと環境が違うので、落ち着かなくなるんです。また、相手にされないと、不安になる。声をかけてやることが大切です。週一回は訪問リハビリを受けていたが、これが本人にとって一番良かったようです。一対一で話をしてくれるから。とにかく不安が最大の問題と言えるでしょう。だから、本人の前では思い切り笑顔を見せること。疲れて笑えないときなんか、白い歯を見せるだけでもいい。そうしないと相手も不安になる」

 このように、「あっ、なるほど」と思う話が、西村さんの口から次々と。最後に西村さんはご自分でも実践しているアルツハイマー予防策を教えてくれました。脳の血行を良くすることです。アルツハイマーと診断されると、症状に応じてアリセプトやメマンチンなどの薬を処方される。私はビタミンEやイチョウの葉、それにココナッツオイルを試しています」

 ちなみに西村さんの一番のおすすめは、ココナッツオイルだとか。こうして1時間あまりの講演が終わりました。

 

施設選びは慎重に

▲ライフコンサルタントの宮良哲美さん

 

 続いて登壇したのが、ライフコンサルタントの宮良哲美さんです。沖縄出身の宮良さんは介護施設の紹介者として大忙し。宮良さんによると、施設には次の4つのタイプがあるのだそうです。

①介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)

②グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

③住宅型有料老人ホーム

④サービス付き高齢者向け住宅

 気をつけなければならないのは、③の住宅型と④のサービス付き。

「積み上げ式なので、サービスしてほしい分だけ料金がプラスされるんです。つまり、定額ではない。サービスを使えば使うほど料金が加算されます。このシステムが分からないといけません。『どうして今月はこんなに高いの?」とトラブルの元になる」

 前払い金がかかる施設も少なくないそうです。また特養がすべてが安いわけでもないので、必ず確かめること。くれぐれも慎重に選ぶしかなさそうです。

 ところで、身内がいなくなった「おひとり様」でも入れる施設はあるのでしょうか。そんな疑問にも宮良さんは答えてくれました。

「ご安心ください。私もその一人ですが、『家族代行』に頼めば、大丈夫です」

 この後、応答に移り、2時間に及ぶ終活教室は無事終わりました。

施設選びに大切な知識(相談室くわん)

 

 

 

 

▲二人の講師に質問が殺到

 

娘の野島朋子さんが漫画エッセーを出版

 雅子さんが亡くなってから2年後の2018年、Niccoのペンネームで活躍する船橋市在住のイラストレーターが書いたエッセー『母が若年性アルツハイマーになりました〜まんがで読む 家族のこころと介護の記録〜』(税込定価1,650円、が出版されました。Niccoとは雅子さんの娘、野島朋子さん。「認知症の人と家族の会」千葉県支部の月報に8年間にわたって連載したエッセーを一冊の本にまとめたのです。

 

 雅子さんの「物忘れ」がひどくなった1998年から75歳で亡くなる2016年までの18年間を漫画を使って描いた同書は、介護の苦労話だけでなく、デイサービスの利用法や微笑ましいエピソードも交えているので、介護本特有の重苦しさはありません。出版直後から朝日新聞、毎日新聞、京都新聞、神戸新聞などのマスコミや、医療・健康・介護サイトでも取り上げられ、NHKのEテレで作詞家の阿木燿子さんが司会を務める「ハートネットTV」にも野島さんが出演するなど大きな話題を呼びました


▲マスコミ各社が取り上げた野島さんの漫画エッセー

 

本の申し込みは、FAX、メール、お電話で

FAX(078-959-8033)
メール(office@pencom.co.jp)でのお申し込みは
①書名(「母が若年性アルツハイマーになりました」)②ご住所③郵便番号④お電話番号⑤お名前

お電話でのお申込み・お問合せは、☎078-914-0391(出版社ペンコム)

母が若年性アルツハイマーになりました

出版社ペンコム

定価1,650円(税・送料込み)

 

宮良さんが代表の「相談室くわん」

270-0011千葉県船橋市湊町2-12-24湊町日本橋ビル6F

☎090-6028-9458

FAX 047-413-0791

e-mail kuwan@kurashi-one-stop.jp

【業務内容】

●高齢者住宅相談センターえらび

 有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの紹介や見学同行

●家族代行サービス

 ライフコンサルティング(医療、介護、相談、葬儀、供養など)

 生活サポート(ご家族サポート、定期訪問、緊急駆けつけなど)

 各種代行(身元引受、入退院手続き、専門業者選定、行政手続きなど)

 


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