白井健康元気村

千葉県白井市での健康教室をはじめ、旅行、グルメ、パークゴルフ、パーティーなどの情報や各種コラムを満載。

口腔ケアと介護予防が大切  日本顎咬合学会の金沢紘史副理事長が白井市で講演

2023-10-09 11:22:56 | 健康講座

口腔ケアと介護予防が大切

日本顎咬合学会の金沢紘史副理事長が白井市で講演

 

 

▲会場となった白井市役所のまちサポ「多目的ホール」

 

 白井健康元気村は10月8日、白井市役所東庁舎のまちサポ「多目的スペース」で健康教室を行いました。日本顎咬合学会の副理事長、金沢紘史さんが講師で、テーマは「口腔ケアと介護予防―高齢化社会における『健康寿命』『元気寿命』の維持・延伸のために」。参加者には、日本顎咬合学会・著の『長生きしたけりゃ「咬む」のが一番!』(小学館)、歯周病予防の薬用歯磨き粉、口腔ケア製品が先着40名様に配布されました。

▲来場者に配布された本と歯ブラシ、歯磨き

 

 さて、総務省は「敬老の日」の9月18日、65歳以上の高齢者の人口推計を公表しました。それによると、9月15日時点の高齢者は3623万人で、人口に占める割合は29.1%。前年と比べると、0.1ポイント増え、過去最高を更新したそうです。ちなみに、80歳以上は1259万人で、前年より約2万人も増え、初めて「10人に1人」に達しました。

 では、65歳以上の高齢者を男女別にみてみましょう。
 男性は前年より1万人少ない1572万人で、男性人口の25.0%を占めています。女性は前年と同じ2051万人で、女性人口の32.1パーセント。男女を合わせた高齢者人口は、統計上比較できる1950年以降で初めて減少に転じています。いわゆる「団塊の世代」以降の人口が減ったのが要因だとか。
 75歳以上の中心を占める「団塊の世代」は、前年より72万人増の2005万人。初めて2000千万人を超えそうです。来年以降、「団塊の世代」全員が75歳以上になるので、「高齢者の高齢化」がさらに進むのは避けられません。
「社会全体の高齢化傾向も続く。団塊の世代の次に大きな塊となっている71~74年生まれの「『団塊ジュニア』世代が65歳以上になる40年には、総人口に占める高齢者の割合は34.8%(国立社会保障・人口問題研究所の推計)になる見込みだ」(朝日新聞9月18日)

 

▲講師の金沢紘史さん

 

 そんな高齢化社会で「健康長寿」を実現するには、何をどうすればよいのでしょうか。東京・江戸川区の金沢歯科院長でもある金沢さんは講演の冒頭、日本顎咬合学会の組織と役割を紹介した後、私たちの日々の暮らしで、口と歯がどんな役割をしているのかを分かりやすく説明します。


 次に口腔ケアが健康長寿を維持するうえで、いかに大切かを具体的な例を挙げて力説しました。口腔ケアを怠ると、今、問題になっている誤嚥性肺炎にもなり兼ねません。
 また、オーラルフレイル(口腔機能低下症)にも警鐘を鳴らします。咬む力が劣えたり、活舌が悪くなったら要注意。食事量が減って栄養が偏ってしまうことも。そうなると、口腔だけでなく、体全体にも大きな影響を与えるでしょう。それどころか、口の衰えで介護生活に入ったり、死亡リスクが2倍になったという報告も。

 そんな事態を避けるために、私たちはどうすればよいのでしょうか。
 歯の数が少ない高齢者と歯が20本以上ある高齢者に比べると、「外出なし」、つまり引きこもりになる危険性が約2倍も高いという調査結果もあります。金沢氏は歯が少なくなれば、入れ歯で「引きこもり」を予防すべきだと訴えました。(この記事の末尾に、金沢さんが講演で使用した表やグラフなどを表示しましたので、ぜひご覧ください)

 1時間半の講演後、いつものように質疑応答の時間に。参加者から積極的な質問が飛び交いました。白井健康元気村の玉井村長の質問に会場内が笑いに包まれるなど、終始和やかな雰囲気の健康教室でした。

▲「口腔ケアと言うけど、歯が28本も残っているので、歯医者には全然行ってない。どうすればよいのか?」という80代男性の質問に、「歯の数が多くても、自然に口の中の筋力が衰え、歯周病になりやすくなる。腫れたりするときは、歯医者さんに行って、自分の口がどんな状態なのか診てもらうことも必要です。でも、歯が28本も残っているのは素晴らしいこと。自信を持ってください」

 

▲白井市健康課の松岡正純さんは「白井市では歯科検診を重視している。今後の対策としてはオーラルケアではないかと思った。個人個人で意識してやっていくことが大事だと思うが、オーラルケア対策を地域で集まってやれば、長続きすると思う。江戸川区では、地域の中で集まって行っている事例はあるのか?」と質問。「(江戸川)区のほうでは、啓蒙・啓発活動はもちろんあるが、市民団体などと一緒にサポートセンターで健康体操と音楽と合わせたリズム運動もやっている」

 

▲「住んでいるマンションでカラオケをやろうとしている。歌うことは口の健康にもいいと思うが」と白井健康元気村の玉井秀幸村長。「一人でカラオケをするより、みんなが集まって、おしゃべりしながら楽しくやった方が口の健康にもいい」という回答を得て、玉井村長は「我が意を得たり」と満足げな笑みを浮かべた

▲「虫歯ができたとか歯が折れたとか、目的を持って歯医者さんに行くことはあるが、ケアをしたいというだけで、はたして歯医者さんは受け入れてくるのか?」と元気村の篠原守宏さん。「かなり年配の歯科医はともかく、今は若い世代を中心にほとんどの歯科医は歯科医師会などから口腔ケアについての情報が入っているので、多分、ほとんどの歯科医はやってくれるでしょう」

 

■金沢さんが講演で使ったスライドの一部

 

 

 

 

 

 


■金沢紘史(よこお ひろふみ)さんのプロフィール

 

昭和34年(1959)年8月、東京都台東区生まれ。早稲田大学経済学部に入学するも、新潟大学歯学部へ。同大学歯学部歯科保存学第一教室に入局する。その後、東京・江戸川区西葛西に金沢歯科を開設。日本大学歯学部解剖学第Ⅱ教室で学位取得。江戸川歯科医師会前理事、高齢者歯科事業実施委員会委員長、日本歯内療法学会専門医。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アイスランドの火山噴火に翻... | トップ | ローマ教皇が来たせいでビー... »
最新の画像もっと見る

健康講座」カテゴリの最新記事