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仕掛けられた情報戦に挑む! 戦争プロパガンダ研究会が発足

2024-09-08 05:34:51 | 特別記事

仕掛けられた「情報戦」に挑む!

戦争プロパガンダ研究会が発足

 

▲アメリカで出版された『ジャパンズ・ホロコースト』

 

えーっ、日本軍が3000万人も虐殺!?

「日本軍がアジア・太平洋地域で3000万人も虐殺した」
 そんなトンデモナイ内容の本が今年3月、アメリカで出版された。その本は『日本のホロコースト:第二次世界大戦中の大日本帝国による大量殺戮と強姦の歴史』。タイトルを見ただけでわかるが、ひたすら日本を貶めようとするトンデモ本である。

 著者のブライアン・マーク・リッグは、米海兵隊の士官だったが、イェール大学で歴史学の学士号を取得し、英国のケンブリッジ大学大学院で博士号を取得した研究者だという。事実を捻じ曲げて「反日プロパガンダ」であることは確かだが、無視するわけにはいかないだろう。荒唐無稽な作り話が、あたかも真実であるかのようにひとり歩きするからだ。

近現代史研究家らが「政治宣伝」を暴く

 日本と何ら関係のないナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を関連付けた同書の意図はミエミエである。「反日」プロパガンダとしか言いようがない同書の出版を受けて、近現代史研究家らが中心になって「戦争プロパガンダ研究会」を立ち上げた。
 会長に就任したのは、近現代史研究家の阿羅健一さん。副会長は本ブログでお馴染みの近現代史研究家の田中秀雄さんが、事務局長には「新しい歴史教科書をつくる会」副会長の藤岡信勝さんが就任した。また海外を含む約20人の専門家が研究員に委嘱されたという。
 同研究会では、『日本のホロコースト』を素材に戦争プロパガンダ(政治宣伝)のメカニズムを分析することにしていおり、その第1回公開研究会が8月18日、都内で行われた。当日、田中秀雄さんが「『日本のホロコースト=3000万人説』の虚妄」をテーマに講師を務めている。



▲第1回公開研究会で参加者に訴える田中秀雄さん(産経web8月19日より。撮影=奥原慎平氏)

日本を貶める目的で歴史を捏造

 副会長の田中秀雄さんが言う。
「日本軍による香港虐殺に関する資料は、著者のブライアン・リッグが、香港攻略戦の参謀長だった栗林忠道を死刑に値すると書いている。元々は、台湾で1978年に発刊された本『日本軍暴行録』にある記述らしい。当時は、台湾の国民政府と日本は断交して間もない時期で、その反発からこういう出版があったんでしょう」
 さらに田中さんはブライアン・リッグのいい加減さを指摘する。
「香港攻略戦の司令官だった酒井隆の裁判で、バレータという牧師が喋ったもののようです。日本軍がいかに残虐だったかという証明がこれだという訳です。東京裁判における証言のように書かれていますが、酒井隆の裁判は南京で行われました。つまり、完全な事実誤認です」
 ちなみに、酒井隆は南京の雨花台で銃殺刑に処せられている。リッグの狙いは、栗林忠道の評価を貶めることにあったようだ。田中さんは、こう結論付ける。
「栗林忠道も硫黄島で戦死していなかったら、この問題で処刑されていた筈だというわけです。つまり、リッグの目的の一つは、栗林の評価を貶めることだったのは、間違いありません」
 同会では近いうちに反論本の発刊を予定している。



第2回・第3回の公開研究会が決定

■第2回
【日時】9月15日 14:00~16:30(開場 13:30)
【会場】予約申し込みの際にお伝えします。
【講師】
溝口郁夫「南京事件『プロパガンダ写真』の検証」    阿羅健一「南京事件研究史とRigg本の位置」
【参加費】 2,000円
【主催】 戦争プロパガンダ研究会TEL 03-6912-1045(10:00~18:00)warprop@i-rich.org
【お申込み】 TEL 03-6912-1045(10:00~18:00)warprop@i-rich.org※事前予約制です。

■第3回
【日時】10月20日 14:00~16:30(開場 13:30)
【会場】予約申し込みの際にお伝えします。
【講師】
丸谷元人「太平洋戦線における『残虐日本軍』のプロパガンダ」
大高未貴「『Japan's Holocaust』解体新書」
【参加費】 2,000円
【主催】 戦争プロパガンダ研究会TEL 03-6912-1045(10:00~18:00)warprop@i-rich.org
【お申込み】 TEL 03-6912-1045(10:00~18:00)warprop@i-rich.org※事前予約制です。

 

 

【本ブログでの田中秀雄さん(同研究会副会長)の連載】

■「池上本門寺と近代朝鮮」 田中秀雄(近現代史研究家)
2020/01/25~03/07

●力道山 日本人を熱狂させたプロレスラー 【新連載】池上本門寺と近代朝鮮①
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/55c53e59bef50b14fe7ff4b4e8c30f59

●花房義質 波乱の朝鮮に初代公使として赴任  【連載】池上本門寺と近代朝鮮②
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/70cc6b0a0b261bab6228e5dba6e91cdc

●岡本柳之助 「大陸浪人」の先駆け  【連載】池上本門寺と近代朝鮮③
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/8ba299bf9c525dc182b0eae4fa5f3323

●野口 遵 朝鮮に世界最大級のダムを建設  【連載】池上本門寺と近代朝鮮④
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/c9bfbe7cd0904ddf1289aea63a12326c

●大野伴睦  日韓国交正常化に尽くした保守政治家 【連載】池上本門寺と近代朝鮮⑤
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/df12ceb0d0ac698f14069794babd20d3

●児玉誉士夫 アメリカの落とし穴にはまった国士 【連載】池上本門寺と近代朝鮮⑥
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/da980b29512246d7521ee92933d42d0a

●町井久之 日韓政財界に人脈を広げた最強の黒幕 【連載】池上本門寺と近代朝鮮(最終回)
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/d9f921c502e929d3e961234d0b345c19

【関連】閔妃殺害事件で田中秀雄氏が新資料を発見!
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/04a843fc9d096c5b76fe25af042103e5

 

【本ブログでは田中秀雄本の書評も】

●《注目の書籍》日米戦争の起点をつくった外交官
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/c0b04a5276a3826c2f81825f241c62b9

●《注目の書籍》日本を一番愛した外交官  ウィリアム・キャッスルと日米関係
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/c461c062eb1b420f4285d3660bd8722e

 

■この本も読んでいただきたい!

石原莞爾を「脇役」にして昭和の時代を描く。満州事変に深く関与し、満州国では民族主義者として活躍した小澤開作(小澤征爾氏の父)。彼の足跡をたどると石原莞爾の〈光〉が見えてくる。これまでほとんど取り上げられなかった小澤開作と石原の接点が浮彫りになる書き下ろし。

『石原莞爾と小澤開作―民族協和を求めて』

田中秀雄 著

芙蓉書房出版

定価1,900円(税込み2,090円)

【目次】

序 章 平成の邂逅
第1章 予感と胎動―満洲事変まで
第2章 破壊と創造―満洲事変
第3章 希望と秩序―満洲建国
第4章 変調と不安―支那事変
第5章 昏迷と奈落―大東亜戦争期
終 章 小澤開作の戦後

■関連記事も本ブログに掲載

●小澤征爾の父親は民族派学生運動の支援者だった! 小澤開作の満洲人脈と日本学生同盟との関係
https://blog.goo.ne.jp/46141105315genkigooid/e/a9144b2cbecfa72eb979a392537bc598

 

 

【田中秀雄(たなか ひでお)さんの略歴】 

昭和27(1952)年、福岡県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本近現代史研究家。映画評論家でもある。著書に『中国共産党の罠』(徳間書店)、『日本はいかにして中国との戦争に引きずり込まれたか』『朝鮮で聖者と呼ばれた日本人』(以上、草思社)、『映画に見る東アジアの近代』『石原莞爾と小澤開作 民族協和を求めて』『石原莞爾の時代 時代精神の体現者たち』(以上、芙蓉書房出版)、『優しい日本人哀れな韓国人』(wac)ほか。訳書に『満洲国建国の正当性を弁護する』(ジョージ・ブロンソン・リー著、草思社)、『暗黒大陸中国の真実』(ラルフ・タウンゼント著、共訳、芙蓉書房出版)、『続・暗黒大陸中国の真実』(ラルフ・タウンゼント著、共訳、芙蓉書房出版)、『日米戦争の起点をつくった外交官』(P・ラインシュ著、田中秀雄訳、芙蓉書房出版)、『日本を一番愛した外交官―ウィリアム・キャッスルと日米関係』(芙蓉書房出版)ほか。

 


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