2016年のゴルフシーンを振り返ると、やはり松山英樹の活躍ぶりが圧巻だった。2月のフェニックス・オープンで、リッキー・ファウラーとのプレーオフを制して優勝。4月のマスターズでは優勝争いの末に7位タイ。全米プロでもメジャーで自己最高の4位に入り、もはや、いつメジャーに勝ってもおかしくない存在と目されるようになった。
日本オープンに優勝してからは、マレーシアでの『CIMBクラシック』2位を挟んで、『WGC-HSBCチャンピオンズ』、『三井住友VISA太平洋マスターズ』、『ヒーローワールドチャレンジ』と出場試合で怒涛の三連勝。まさに破竹の勢いと呼ぶにふさわしい成績だ。
『CIMBクラシック』からは、長年愛用したドライバーから、キャロウェイの『グレートビッグバーサ』に変更した。これは先日、当コラムでも詳細に紹介したが、ボールのつかまりがよく、大きなキャリーで飛ばせる、アベレージゴルファーでも十分に使えるドライバーだ。自分が良いと思ったら、アマチュア向けモデルでも先入観なく使えるのは、松山の非凡なところだ。
『グレートビッグバーサ』は、昨年の秋に発売されたモデルだ。発売直後はそれほど話題にならなかったものの、口コミなどで少しずつその性能が評価されていた。それが松山の使用で一気に注目され、市場でも新品、中古問わず、かなり人気となっているという。現在も大いに注目を浴びているところだが、新たに入手するのはすでに困難な状況のようだ。
『グレートビッグバーサ』といえば、かつての名器、初代『グレートビッグバーサ』を思い出すベテランゴルファーも多いだろう。ヘッド体積250ccはその当時はかなりの大きさで、劇的にやさしく、アベレージゴルファーからツアープロまで、こぞってその恩恵を受けることが出来た。メタル(=ステンレス素材)から、チタンへとヘッド素材が転換するのに大きな役割を果たしたドライバーだ。
松山の使用する『グレートビッグバーサ』も、やさしく飛ばせて、シャフト選定とヘッド後方のペリメーターウェイトの調整をうまくつかえば、幅広いゴルファーに使えるところなどは、初代モデルを彷彿する。『グレートビッグバーサ』=GBBは、いわば高機能の証なのだ。
そんななか、来春発売になる『グレートビッグバーサ』の後継モデルが、キャロウェイのアメリカ本国サイトに断片的にアップされた。クラブの全容はまだ分からないものの、新しい機能をイメージさせる15秒のプロモーション動画もある。
US キャロウェイのサイトに動画が公開された!※USキャロウェイサイトへリンクします。
動画ではっきりと確認できるのは、柱のように立てられた2本の棒だ。おそらくヘッドの内部を表していて、この柱はフェースに近い場所に立てられているように見える。可変ウェイトのように取り外しするのではなく、固定しているようだ。
かつて、キャロウェイではヘッドの中心部分にウェイトを柱のように挿入する『ビッグバーサアルファ』というモデルがあった。さらに後継モデルの『ビッグバーサアルファ 816』はこのウェイトポートがトゥ側とヒール側の2箇所に増えた。しかし、今回の新モデルはこうした可変ウェイトではなく、フェース側に柱を固定するところに核心がありそうだ。
フェース裏に2本の柱が立つ理由は、正直分からない。しかし、ある程度の推測は可能だ。はっきりしているのは、フェース側に重量物が加わるため、ヘッドの重心位置がより前方になり、浅い重心位置になることだろう。これによってスピン量の少ない強い弾道になりやすく、操作性も高くなるはずだ。
さらに、後方に『グレートビッグバーサ』でも採用されている「ペリメーターウェイト」のような重量物が確認できるので、ヘッドの前方と後方で重量がバランスし、重心位置が極端に遠くなったり、近くならずにヘッドの挙動が安定する効果も期待できる。カーボン素材まで採用し、ヘッド外郭を軽く薄くする現代のドライバーのトレンドを考えると、なおさら、その効果は高まるだろう。
さらに想像すると、現在のほとんどのドライバーは、ボディ部分を作ってからフェース部を溶接している。この2本の柱で、フェース部周辺をより強靭にしたり、ヘッドのぐらつきを抑える効果はないものだろうか。これまで見たこともない、新しい2本の柱は、そんな全く新しいテクノロジーを予感させる。
アメリカでは、すでに発売日も決まり、試打モニターも募集している。日本国内でもまもなく、詳細が明らかになるだろう。前作を凌駕する最新の機能を秘めた、NEW『グレートビッグバーサ』。クラブの全容が明らかになるのが待ちきれない。
以上、アルバニュース
2本の柱が、どのような機能があるのか?
気になりますね。
重心位置? 強度アップ?
全容が明らかになるのが楽しみだ。