長い正月休みも今日で終わり。
いよいよ明日からまた会社が始まりますが、
その前に2日3日に次いで、4日も美術館に行ってきました・・・
江戸東京博物館で開催中の『北斎・ヨーロッパを魅了した江戸の絵師』です。
第1部 北斎とシーボルト
第2部 多彩な北斎の芸術世界
の2部構成です。
第1部では、鎖国の江戸時代に長崎出島に出入りを寄るされていたオランダ商館のオランダ人が、
葛飾北斎に注文して画かれた肉筆の風俗画。
節季の商家:北斎工房
提灯張り:北斎工房
日本橋辺風俗:北斎工房
そして幕末に日本に来てオランダ商館の医師として滞在したシーボルトが
オランダに持ち帰った作品の里帰り展示です。
肉筆画は北斎によるものを中心に彼の工房による物などですが、その色彩は鮮やか。
伝統的な日本がとはやや趣を異にしています。
冨嶽三十六景 遠江山中:北斎
冨嶽三十六景 不二見が丘:北斎
冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏:北斎
第2部では、<版画>、<摺物>、<肉筆画>の展示となりますが、
北斎の錦絵としての代表作が『冨嶽三十六景』シリーズなどの展示のほか、
歌川(安藤)広重に先立って、画かれた『東海道五十三次』もあり、見ごたえ十分でした。
さらに、あの『北斎漫画』も出展されており、あっと言う間の2時間で、
常設展で展示中の北斎漫画を見る時間もなく会場を後にしました。
冨嶽三十六景 凱風快晴(赤富士):北斎
冨嶽三十六景 凱風快晴:北斎
伝神開手 北斎漫画 12編:北斎
江戸東京博物館のURLです
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2007/1204/200712.html
追記
オランダ帰りの北斎の肉筆画、今まで知っていた北斎の作品とあまりにも違うので、
ある種の驚愕を覚えました。
オランダ商館からの依頼で、日本の事情を画いた物とは言え、
富嶽三十六景に代表されるいわゆる北斎の版画や肉筆美人画とは、
これほどにも違うものかと・・・
水彩画を思わせる透明感のある明るい彩色。
江戸庶民の伸びやかな生活描写。当時の日本人の生活が丸裸に表現されている様は、
今までの日本画には無かったもの、正に革命的画風と言える。
北斎とその工房の作品は、注文主である油彩画発祥の地のオランダ人から見ても、
かなり新鮮に写ったと思われる。そこに人気の秘密があるのだろう。